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【書き起こし】孫正義VS池田信夫「光の道」対談(夏野剛司会)Part4

孫正義vs池田信夫対談(夏野剛司会)「光の道」対談の書き起こし、これで最後です。

USTREAM動画
「光の道」2 part2

資料
孫正義資料(PDF)
池田信夫資料(PDF)

聞き間違い、わからなかったところ等ありますがご容赦ください。

質問者1(女性):
池田さん、それから夏野さんのお相手で聞いていくと、やっぱり国を動かさなきゃいけない大きな仕事について考えているという感じがすごくして、で、それにはやはりどうやって動かすのか、そしてどうやって仲間作りをするのかってことが、やっぱりすごく重要だと思うんですが、そこがもっと聞きたいです。

孫:
そうですね。だからやっぱり、こうゆうね開かれた議論をね、それこそ密室の中でね、だいたいよくね議員の先生方ってね、特定の大学の教授とか、いつも同じような顔ぶれだったりするわけですよ。ね?
それってやっぱりおかしいと思うんです。5人か10人の選ばれた先生方が日本の天下国家を密室で決めちゃうと。ホントにいいのか?と、それで、と。
そういう議論ですら全て、ね、ニコ動だとかUstreamで公開してツイッターで、みんなが、国民が意見参加出来る。
NTTだってNTTの経営陣の持ち物じゃないんです。NTTの社員の持ち物でもないんです。NTTは、NTTの株主のものでNTTの筆頭株主は日本国家で、日本国家の全ては日本国民のものなのです。ですから日本国民に開かれた議論で経営構造に対する先ほどからの議論もなされないで、誰のためのものだ! と言う事になると思うんですね。だから僕は泥沼もクソもないと、族議員もクソもないと。ね? よく昔から、自民党時代から、或いは民主党だって族議員とかたまにいますけど、とんでもない! たいがいにせい!
ね? 何の権限があってその委員会を牛耳るんだと、何の権限があって国民の、将来の日本の子どもたちの、日本の医療はあんたたちが代表して入れるんだと、たった5人か10人の密室で、と。国民が選んだ先生か? と。委員の先生たちは。

夏野:
だからあの、そこらへんはやっぱり、最近は政権交代もあったんで、だいぶ開かれてきたんですが。

孫:
だいぶ開かれてきた。

夏野:
ただ、この先ほどの省庁は、まだ堅いですから。

孫:
あのね、総務省は最近だいぶ開けてきた気がする。でもね、他の省庁も僕はあきらめてはダメだと思うんです。昔は総務省が一番頭堅かったってことだと思う。でも、わーわー言ってるうちに、みんなでわーわー言って、あーだこーだ言ってるうちに国民が関心を持ち始めたら、役所だって開かれたものにせざるをえなくなる。ということだと思うんですね。

夏野:
だからあの、孫さんの重要なポイントはやっぱり、黙ってちゃダメよ! っていうことだと思うんですね。

孫:
そう。

夏野:
これは、ツイッターもそうですし、いろんな所で発言の機会っていうのがたくさん出てきていて、メディアさんも是非言いにくい事を言っていただきたいし、池田さんなんか言いにくいことばっかり言ってるし。

池田:
あはは。

夏野:
こういう風にどんどん発言していく事が大事だということですね。

池田:
いやほんとね、この間も僕がツイッターで、電波の割り当ておかしいんじゃないの? とかいろいろな話をしていて、それこそさっきのiPadは次は使えないかもしれないという話をしたらね、孫さんがツイッターで、「これはけしからんことだと、どういうことになってんだ、ちゃんと説明してくれ!」ってツイッターで仰ったら、原口さんがその翌日ぐらいに「なんか電波のあれって、おかしいらしいな」と、記者会見でやられて、電波部のいったん決めた案がひっくり返って、もう一回再検討って非常に前例のないことをやったわけですね。これはもう、正に仰ったようにみんなの前でね。

孫:
池田さんが投げたボールで、ガーッと、ね。

夏野:
打ち返して。

孫:
うん、正の輪が広がっていったわけですね。

池田:
ああいう風にみんなの見てるところでやったら、おかしな事は出来ないんですよ。電波の割り当てなんか。

孫:
そう、やっぱり開かれた議論をすると国民が関心を持つ。この間、僕は佐々木さんとの対談のね、討論の中でいろいろ言って、なんかいろいろ国民としては私もどうやったら貢献できるんだ?、という質問があったんで、僕は「関心を持つことです」と。
国民が関心を持てば、こういう開かれた議論をするようになれば、隠れてコソコソ悪い事はできん! あるいはムダな事はできん! 天下りがね、けしからん事をするなんて、もうホントに、たいがいにせい! と言いたいよね、本当に。

夏野:
はい、もう一つ質問があるそうです。お願いします。

質問者2(男性):
少し、良く似た質問なのかも知れないんですけれども、一つは総務省の話が出てるんですが、総務省の方の選んできた先生の話はお聞きしたんですが、その総務省の方本人の話を、こういうメディアの場で聞くような事というのはできないものなんでしょうか?

孫:
そうだよね。全くその通り。だから委員会の開かれた場で、なんかこう真面目な顔をして、棒読みするような人が時々いるんだけど、やっぱりこういう本音でわーわー語り合えるような場に、ホントは、ここにNTTの社長とか、総務省の次官とか局長とかがいて、どうなのよ! 本音で文句言いたいなら言い返してよ、と。あんたが言い返したのに対してワシも言うから、と。池田さんだって、あーだこーだとブログで言うから、そんじゃ話しようか、と。話してみると、結構僕の意見も伝わったでしょ? 今日は。

池田:
はい。

孫:
ね? だから、そういうことで僕はね、日本のためだからと、開かれた議論しようや、という風にするのが、あるべき姿だと思うんですね。なんか真面目くさったどっかの密室で何人かの先生方が、委員だと偉そうにしちゃイカーン!と思いますよね。

夏野:
そうですね。それはメディアさんで企画してもらったら…。

池田:
いや、問題はね。メディアが問題なんですよ。さっきの電波の問題について言うとね、僕なんかね、こうやって今ニコ動は何人観てるか知りませんけど…、

夏野:
2万人です。

池田:
え、2万人ですか? それぐらいの数の人の前で電波の問題を語ることって、もう、まずチャンスないんですよ。つまり僕が例えば地デジ行って、これまずいんじゃないの?って10年くらい前に言ったら、それ以来全てのテレビ局も新聞社からもシャットアウトだから。ね?
だから電波の問題って、ものすごいタブーになっちゃってるわけ。だから、こういう問題をニコ動がね、こういう風にやる事は大変良い事で、ちゃんとみんなの前で説明できないような事をできなくなるんですよ、みんなオープンな場をやると。さっきのね、電波の割り当てがやり直しになったのが一番いい例で、さっきの話で言えばVHS帯のへんてこな下の方のチャンネルとか、MCAの天下りの話とかね、ああいうのちゃんとここでバラせば、ちゃんとそれは説明できるようにしてください、っていうことになるんです。

孫:
MCAの理事長とか天下りで、総務省からの天下りだけど、堂々と出てきて反論すべきだと思うのね。

池田:
仕事しろ、と。(笑い)

孫:
どういう理由で理事長として天下ったのを正義と思ってんだ! ね?
少なくとも我々こういう公開の場で言ってるわけだから文句があるんなら、ワシは役立っとる! と思うならば堂々と出てきて仰るべきだと。
だって本来何千万人が使える周波数のところに、ほんの数万人とか数十万人とか居座ってるわけ。許せないよね! この周波数があったらiPhoneだってもっと繋がるよ!

池田:
しかも孫さんが一番欲しい900MHzのところ(笑い)

孫:
ほんとに一番貴重な900MHz、もう許せん! と言いたいよね。世界と標準バンドのところですよ? ありえないよね。
あれがあればビルの中だって山奥だってトンネルの中だって繋がるんですよ。どれ程、私がユーザーから文句言われて肩身の狭い思いをしてるか。そこにほんの数十万人と天下りが居座ってる、もう、たいがいにせい! と言いたいよ。本当に!

夏野:
ということで、今日は結局ですね、日本には、みんな、やらなきゃいけないことが益々ある、という結論に達しました。

孫:
そいじゃ確認したい。ちょっと待って。僕の計算結果、今日長々と説明しましたが、あとでいくらでも検証してください。僕の計算結果が正しいという仮定であれば、メタルを光に換える。光の道の基本的考え方については、納得しましたね?

池田:
あのね、さっき申し上げたように、正しいのであれば、その通りに民間会社を作って民間会社の経営陣がそれを履行しなければいけませんよね。その場合は、どうやってそれを担保するかっていう次の問題が出てきちゃうわけね。

孫:
もちろんそう。でも、それは基本的考え方としては正しいということは認めますね?

池田:
うーん、ま、それは孫さんの計算が正しいかどうかは僕はちょっと今は…

孫:
それは検証して。

池田:
はい。

孫:
検証が間違ってなければ?

池田:
間違ってなければ、それはそういう会社を作って、例えばね、その場合はやっぱり、まあ最低、規制はしなきゃいけないわけだからね。

孫:
もちろん。それは当然。

池田:
そうでしょ? その場合にやっぱりその、これまた話が元に戻っちゃうけど、規制をするということは政府が一定の見通しのもとに、例えば全世帯に光を義務づけるっていう法律が必要になってくる。

孫:
そう。そうです。NTTの光の3法案というのが来年、うまく行けば来年決まるわけです。だから少なくとも、そういう具体案が出ているわけで、やらないと言ってるんじゃなくて、大臣も総務省のそれなりの人たちも、やる方向で、じゃあ検討しようと言う風に、今なっているわけですから。
それをね、みんなで足引っ張ったら、結局前に進まないんですよ。だから今日さきほどからあげてるのは、僕は池田さんだとかNTTの経営陣の人たちが具体的な問題点、疑問として挙げていることは全部出したんです。
全部に全てのページで答えたんです。
もしあそこに、リスト全部公開しましたから、一つでも抜けていることがあれば、これとこれとこれが抜けている、ということを具体案で出す、具体的ポイントで出すべきで、具体的ポイントを出したら全部一つ一つ、私がまた反対証明をしてみせる、と、いうことなんですね。

夏野:
あとは利活用ですよね。

孫:
利活用も、もちろんやる!

夏野:
利活用はこれを(聞き取れず)することが難しい。

孫:
利活用も当然やりますよ。少なくともいま60数%、70%の世帯がメタルを前提としたADSLか光を前提とした光のブロードバンドをやってるわけです。どちらもブロードバンドです。ですから、それは少なくとも60、70%の人たちは光を活用できるわけです。ブロードバンドサービスとして。

夏野:
ただ、そこはゴールじゃないですからね。

孫:
もちろん! そこで終わっちゃダメだけど、少なくともメタルに、赤字を垂れ流しているメタルに引き戻る必要はないよねと。二重構造の赤字を年間2600億円もいつまでも続ける必要はないよね。

夏野:
ただそれは、NTTの経営問題というのもあるので。私はここで国が動く、NTT法の、

孫:
いやいや、ちょっと待って。2時間で終わるつもりはないよ。

池田:
話がまた戻っちゃった。(笑い)

孫:
2時間で終わるつもりはない!

池田:
3時間ですよ。

夏野:
NTTの……

孫:
ちょっと待って。私が言った内容について、1つでも具体的に「これは間違っている」ということがあったら言ってほしい。

夏野:
はい。5年以内に電子カルテはできないと思います!

池田:
(笑い)

夏野:
今の厚生労働省の人間が全部変わらない限りはできないと思います!
電子教科書も5年じゃあ全世帯に行かないと思います!

孫:
じゃあ仮に、電子教科書が5年でできなかった、電子カルテが5年でできなかった、7年かかった、10年かかったと。だったらその10年間、2600億円ずつ赤字をずっと出して、2兆6000億円もの赤字をここからさらに積み上げた方がいいとおっしゃってるんですか。

夏野:
そんなことは言ってません。

孫:
違いますよね。だから、利活用が完全にできるまではインフラはやらない、テレビが全世帯に行くまでは電力線を全世帯に引くべきではないと。そんなことを言うのはおかしい。

夏野:
いやいや、そんなことは言ってない。ただ、そこまでのことも一緒に議論しないと、このままだと、

孫:
いや、一緒には議論します。一緒に議論するけれども、利活用のすべてが満たされるまではインフラをやらないっていうのはおかしいよね。

夏野:
それは、そんなことは言ってないです。

孫:
だから、両方議論はするんだけど、片っぽができないと片っぽも止めときましょうというのでは前に進まん! ということなんです。

夏野:
そうですね。おっしゃる通り。ただ、弱い。利活用の部分が。

孫:
もちろん。でも、それはそれでやるんだって。だから僕はね、無責任に言ってるわけじゃなくて、電子教科書だって600人の人々に「一緒に議論しようや!」って声をかけようとしているわけですよ。
私はだからね、電子カルテも一生懸命、時間がない中でやってるんだ! ね? やらないって言ってるわけじゃなくて、みんなで議論しましょうと。

夏野:
ぜひ、ぜひ、それは。厚生労働大臣と文部科学大臣との後押しを

孫:
それはそれで、具体的に5年なら5年という目標を決めて「やろうよ!」と、言ってるわけです。で、5年たつまで、じゃあインフラができてからやりましょうというのでは絶対に進まない。ということを申し上げているんですね。

夏野:
その通り。だから、光の道ができただけでは、利活用は進まないと。

孫:
両方やらなきゃいけない。両方やらなきゃいけないけど、だからといってメタルの赤字をいつまでも出してるのはおかしいよね。

夏野:
だから、レベルを揃えていかないとおそらくダメなんでしょう。そこをぜひ孫さんに頑張ってほしいんです。

孫:
わしゃ、頑張るよ。わしゃ、頑張るよ! 頑張るけどね、少なくともあれもこれも全部揃うまでは前に進むのは止めようということでは、絶対日本は困るよ、ということを僕は申し上げている。

夏野:
その通りです。それから、ここで聞いている方もそうなんですけど、ぜひこれをどんどん広めてほしい。これは光の道の話だけにとどまらず日本全体をどうするかという話だということをおっしゃっているわけだから。

孫:
そう。

夏野:
そのきっかけに光の道がなる可能性がある。

孫:
日本がね、このままでは困るよということを僕は申し上げたい。

夏野:
おっしゃる通り。

孫:
結局、日本の一番悪いクセはね、「政治家が悪い」「官僚が悪い」「社会が悪い」「世の中が悪い」って言って、みんなで文句言いながら結局「俺は無気力に戻りましょう」というのが、この20年間続いたのよ。20年間も。

池田夏野:
(うなずく)

孫:
これじゃ困るでしょ、ということを言ってるの僕はね。

夏野:
はい。

池田:
やっぱりそういう意味では、僕は、孫さんはまさにロールモデルでね、20年間の沈滞を打ち破るためには、孫さんみたいな人がもっと出てこないといけない。それがね、実は日本経済の、簡単に言うと一番大きな問題。若者がもうあきらめちゃってね。

夏野:
いやー、僕はね、孫さんみたいな人がいっぱい出てきたら大変ですよ。だからやっぱり、孫さんを首相にした方がいいんじゃないかって。(笑い)

孫:
いやいや、そんなことない。

夏野:
ここで、ユーザーアンケートを、しようと。
はい、それでは「これまでの議論を聞いて光の道が必要だと思う方」。

池田:
ちょっと、光の道の定義を。

夏野:
まず「メタルをすべて光回線に替えること」でいきましょうか?

孫:
はい。

夏野:
これは、みんな賛成か…(池田さんを見ながら)

池田:
でも、

夏野:
聞いてみましょう。聞いてみましょう。
「メタルをやめて光に替えましょう」と、ここの部分について賛成される方は、賛成を押してください。
(モニターを指しながら)これですね。「はい」「いいえ」「わからない」。「光の回線をすべての家庭に引くべきだと思いますか?」これどうですかね、
僕はこれね、今日の議論もあって「はい」が多いんじゃないかと思いますけど。

孫:
いやあ、聞いてみましょう、聞いてみましょう。

夏野:
今、カチカチみんなクリックしてますよ。

孫:
僕は本当にね、二重構造が一番金かかってるっちゅうことだと思うんですよね。それを一生懸命言ったんだけど、どれくらい伝わったか、ぜひ見たいです。

夏野:
NTTグループの全体でいうとドコモの収益でやってるようなもんですから。

孫:
そういうようなことです。

夏野:
僕の給料は上がらなかったんですよ。

池田:
ぶっちゃけた話、分離するんだったら、ドコモを分離した方がいいと思いますよ。一番NTTいやがるでしょ?

夏野:
いや、それは、そんな大変なことを。
(スタッフに)どうでしょうか? 結果出ますか?

夏野:
(モニターを見ながら)あっ! 「はい」が80%です。

孫:
おーっ!

夏野:
「いいえ」は10.8%で「わからない」が8.9%。

孫:
いやぁ、一生懸命やって、一生懸命しゃべったかいがあったなー!

夏野:
じゃあ、「そのためにNTTの分離は必要だと思いますか」

孫:
分社化ね。

夏野:
分社化。

池田:
えっ、分社化じゃなくて、構造分離でしょ?

夏野:
構造分離。アクセス会社の分社化。

池田:
いやいや、分社化だったら機能分離ですからね。構造分離というのは完全に分割するってことですから。

夏野:
ああ、まあまあ、それは。

孫:
僕が提案したあの方式ね。

夏野:
あの方式。つまり、構造分離。

(スタッフに)どうでしょうか?

(スタッフを指して)今質問を書いてます。
これはNTTの経営、それから「利活用」でいきましょうかね。

孫:
(スタッフに)先に、その質問の集計、集計。

夏野:
(モニターを指して)ここに出すんですね。
しかし、80%は大きいですね。

孫:
びっくりしたねえ。

夏野:
これは今まで集計は取ったことがなかった?

孫:
今、初めてです。

夏野:
じゃあ、これは…

スタッフ:
Ustreamの方では90%。

孫:
90%賛成。

夏野:
何人ですか母数は。

スタッフ:
1200人くらいです。

夏野:
はい。ツイッターでもやってみたいですね。でも、ツイッターはダメだ。そういう統計はとれませんね。

孫:
とれないね。

池田:
でも、ハッシュタグとかあるんですよね。

孫:
ツイッターにもね、統計サービスのやつがあるんですけどね。

夏野:
(スタッフに)どうでしょうか? 行けますか?

孫:
Ustreamで90%が「はい」で、ニコ動のほうで80%がイエス? 88%?

夏野:
80%ですね。で、10%が「わからない」

孫:
10%が「わからない」

夏野:
8:1:1です。

孫:
そうですね。

夏野:
これはもう、統計的にいうとみんな賛成みたいなものですよね。

孫:
いやあ、本当にうれしいですよ。一生懸命に俺もね、本当にね、用意するのが大変だったんだから。

池田:夏野:
はははは。

孫:
わかるでしょ? どれくらい用意したか。

夏野:
お忙しいのに、よくやっていただいて。

孫:
もう大変ですよ。それがソフトバンクの経営にとって直接プラスかどうかは、本当にね、わからないんですよ。プラスもあるとは思うけど、

夏野:
まあ、モバイルは関係ないですね、あんまり。

孫:
うん、モバイルはね。でもね、それは、本当にねウチの経営がどうあるかも大事だけど、本当に日本の国家にとってどうあるべきかということで、一生懸命考えてます。

夏野:
じゃあ、質問をもう一度言いますね。
「この光の道を実現するためにNTTの分離、

孫:
分社!

池田:
いやいや、分社化じゃなくて構造分離。

孫:
同じ意味、同じ意味。

夏野:
「会社を分けて、今の経営とは変わった形にする」ということに賛成の方、あるいは「いいえ」あるいは「わからない」。「NTTの分離は必要か?」

(スタッフに)大丈夫ですか?
だいたい、事務局に言わなきゃいけないんですね。

(スタッフに)「NTTの分離は必要か?」っていうことなんですけどね。大丈夫ですか?

孫:
構造分離。

夏野:
(モニターを指して)はいはい。構造分離、入りました。

池田:
資本関係を完全に分離するっていう意味ですね、分社化じゃなくてね。

夏野:
これってなかなか難しい問題なんですよね。
つなぎの話をしますけど、実はNGN(Next Generation Network、次世代ネットワーク)っていうのが昔あったんです。

池田:
今でもあるでしょ。

夏野:
あれ、ずーっと同じような話をしてたんですけど、

池田:
そう。

夏野:
利活用でだめだったんですね、あれ。

池田:
NGNも元はオール光ファイバーみたいな話をしてたんですよね。

夏野:
たぶんね、孫さんの言ってることに一番賛同してるのって、僕は、NTTの人じゃないかと思うんですけど。

孫:
本来NTTは、株主のことを考えたらやるべきだし、彼らも本当は光を引きたいんだと思うんですよ。本当に。

夏野:
元々そういう発想でやってましたからね。

孫:
引くのに一番いい方法は、今僕が話したようなことをすべきだということです。

夏野:
Ustreamの結果が出ました
USTは83%がイエス、7%が

池田:
構造分離?

夏野:
構造分離?

池田:
構造分離、80%がイエス?

夏野:
ニコ動だと67%が「はい」。「いいえ」が9.9%、「わからない」人が23%。

孫:
「わからない」を除いたら、67対9.9。67対10。

夏野:
私、ちょっときつめの質問していいですか?

孫:
はい。

夏野:
利活用が伴わなくてもいい、今(光を)引くべきだと思いますか?
利活用、つまり電子カルテとか電子教科書とか、こういったものが伴わなくても、今のままのアプリケーションでもやった方がいいと思いますか?

孫:
今のままって言うけど、USTREAMだとかビデオとかハイビジョンの動画とか、そういうのは全部見れるようになるわけですから。
光になって。しかも、

夏野:
利活用です。
利活用、光です。はい。

孫:
光を引くべきか、メタルをやめて、光をやるべきかということでね。
僕に言わせれば、利活用として、インターネットの活用は十分あると。

夏野:
今のままでね。

孫:
今のままでも、どんどんしかも進んでいくと。利活用のテーマは。

池田:
利活用って言葉も、総務省以外で使わない言葉ですよね。

夏野:
利活用

池田:
ははは。

夏野:
ICTって言う存在も

池田:
そうそう。

夏野:
あれなんでICTっていうんでしょうかね。

池田:
コンテンツっていうんじゃなくてコンテントって総務省は。

夏野:
まだそんなこと言ってるんですか? 用語の統一してほしいですよね。
ちょっと質問変えますって来た。

孫:
携帯だけでいいって言ってるけど、携帯だってiPhoneだとかiPadだとかどんどん高度なコンテンツが増えてきて、無線だけでは足らんということだね。僕の理屈はね。

夏野:
そうですね。どちらにしろ足らないからあれですよね、今のひとつ構造分離、ちょっと危険性があるとすると、今のTAですよね。あれは結局、ISPを自由に選べるようにする分、セットアップはめんどくさくなってますよね。

孫:
そこも統一すべきですよね。少なくともアクセス会社が

夏野:
TAはあの、

孫:
TAを統一して、

夏野:
今のケーブルは同じですよね。
ただ問題は例えば家電につないだときに、pingを送る後ろにルーターを置かないと、テレビとかつながらないんですよ。
on offの発想があって、あれ構造分離してるから、そうなるんですけど、

孫:
こういう形になったら当然、ディファクトをつくるべき

夏野:
USTREAMの場合は8割がイエス、「いいえ」が13%、「わからない」が7%ですね。
ニコ動は70%(が「はい」)、「いいえ」が20%、「わからない」が11%。
今日見ていただいた方の中ではやっぱり、今現在のアプリケーションであったとしても、やっぱり光にした方がいい、というのが大半のご意見です。

池田:
あと電波のことを聞いてください

夏野:
電波。最後に池田さんのご主張になられてる電波の再編は、徹底的にすべきか。別に誘導じゃないですけど。

池田:
(笑い)

夏野:
徹底的にすべき。はい、いいえ、わからない。

池田:
まあこれは、あんまり意見が変わらないだろうから、あんまり面白くないんですよね。

孫:
いまこれを見てたらね、利活用は追いついてくるという意見もあります。

池田:
政府部門が動かない

孫:
政府部門が一番遅い。それはそのとおり。でも民間の利活用は。

夏野:
もう進んでいるんですよね。

孫:
どんどん深く広くなっている。

夏野:
そうそう、かなりもう日本は来てますよね。
これはまさに、ADSLであそこまで行っていただいたおかげなんですけども。

孫:
世界一早くて安くなったんですものね。

池田:
それは電波の利用と裏表になってて、電波の居座っているものすごく効率の悪い使い方をしている人が、一番下手くそな利用をしてる人々なんですね。

孫:
そうですね

池田:
その人々の既得権の電波を一生懸命持って守っているから、こういうおかしなことになっちゃうんですよね。

夏野:
これは電波の話は、確認ですけど来年までにやらないと、当分の間再編できません。

孫:
来年までに。

夏野:
一番高い数字が94って。

池田:
国民のコンセンサスですよ。

夏野:
これは94%

孫:
すごいね、すごいすごい。

池田:
絶対やらなきゃいけない。

孫:
94%、「いいえ」が2.5%

夏野:
USTREAMが96%。

池田:
これはもう絶対に来月までにやらなきゃいけないと。

夏野:
ですから、孫さんに負けないように、池田さんも私も、声をあげて。

池田:
もう来月を過ぎたらチャンスないと。

夏野:
国民の皆さんも、政治討論をやってるわけじゃないですけど、政治イシューになってきましたので、みんなでがんばって日本を良くしましょう!

孫:
はい、がんばりましょう。

夏野:
今日はどうもありがとうございました。

池田:
ありがとうございました。

孫:
ありがとうございます。

(拍手)

夏野:
握手を。

(孫さんと池田さん、握手)

(孫さんと夏野さん、握手)

(了)

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