12年前は ストリートで自分の名前を 書いていました。「自分は存在する」と言うために。 その後 人々の写真を撮って ストリートに貼りました。「彼らが存在する」と言うためです。 パリの郊外で イスラエルとパレスチナの壁で ―ケニヤの屋根で ―リオの貧民街で ―紙とノリだけ ― 簡単です。
去年 ある問いかけをしました。アートは世界を変えられるか?ただ ―世界を変えようにも、今年は 競う相手が多いんです。アラブの春は 拡大中 ―ユーロ圏は崩壊して … 他には?
占拠運動は 自分の言葉で主張をはじめましたが僕はまだ 常に英語を話す羽目になっています。とにかく いろいろな変化がありました。
だから去年、TED wish でコンセプトを変えることを宣言しました。皆さんが 写真を撮り僕に写真を送るんです。僕は印刷して 送り返すので皆さんは 自分の主張を表現するのにふさわしい場所に 写真を貼るのです。
これが Inside Outです。今年は 10万枚のポスターを印刷しました。
こんなポスターです。見てください。
毎日、どんどん送っています。この大きさです。普通の紙に 少しのインク、それだけです。これは ハイチから。
去年 自分の願いを発表したところ、たくさんの人が 手伝いたいと言ってくれました。 ただし 僕自身が守ってきた条件の下で やってもらっています。クレジットもロゴもスポンサーも 無しです。
1週間後 ひと握りの人が集まって、世界を変えようとする ― 地上の人々に力を与えました。今日話したいのは こういう人達のことです。
スピーチの2週間後 チュニジアで何百というポートレートが 制作されました。そして 独裁者の肖像という肖像に ―自分達の写真を貼ったのです。
どうです!見てください。
スリムは 友達と国内を巡って いたるところに写真を貼りました。自分達の国の多様性を示すためです。彼らは Inside Out を自分達のものにしています。実は この写真は 警察署に貼られていて、床の上にあるのは警察に追跡された人の 写真つきIDカードです。
ロシア ― チャドは国内の同性愛嫌悪に対抗しようと考えました。
友達とヨーロッパ中のロシア大使館に出かけ写真を掲げました。 彼らの主張は 「我々にも 権利がある」 彼らは Inside Outを抗議運動の足がかりにしました。
パキスタン カラチ ―実はシャミーンは 会場に来ています。彼女はカラチで TEDxの活動を組織し、普段 気にも留めない住民の顔を自分の町の壁に貼りました。
今日この場を借りて 彼女に感謝します。
ノースダコタ州 スタンディングロック居留地 ―「亀の島」アメリカでは ダコタ・ラコタ族の ディジトヴィアスがアメリカ先住民は 今もここにいると訴えました。
7世代目にあたる人々が権利を求めて 闘争中です。 彼は 居留地全域にポートレートを貼りました。 今日は 彼も来てくれました。 僕は ニューヨークに来るたびに壁を見つけては彼の写真を使って プロジェクトを広めています。
フアレス ― 聞き覚えがあるはずです。世界で最も危険な国境のひとつです。
モニカは 写真家グループとともに 何千ものポートレートを撮影し国境を 覆いつくしました。必要なものは わかりますよね? 人やエネルギー ノリを作り チームを編成することです。 すごいことです。
その時 イランではアブロロが ― 当然ニックネームですが 一人の女性の顔を貼りだして政府への抵抗を表明しました。彼がどれほど危険を冒したかは 言うまでもありません。
学校でのプロジェクトもたくさんあります。扱ったポスターの2割は 学校からです。教育は とても大切です。子どもがクラスで撮影し 先生がポスターを受け取って校舎に貼ります。 ここでは消防士の手も借りています。
こんなプロジェクトに取り組む学校が 増えるといいですね。
僕達は イスラエルとパレスチナに もう一度 行こうと考えました。今回はトラックで行きました。 これはフォトブース・トラックです。後ろに乗ると 写真が撮れます。30秒後に受け取って 準備OK。数千人が利用し ―2国間解決案に 署名してストリートに向かいました。
45万人の行進 ― 9月のはじめです。写真を声明として掲げています。 こちらでは ストリートや建物に写真を貼っています。 あらゆる場所です。
あっちは 平和の準備ができてない、なんて言ってはいけません。プロジェクトは 1年で数千の行動を引き起こし何万人もの人が参加して数百万ビューを生み出しています。 現在進行中のものでは 世界最大規模の 参加型アートプロジェクトです。
ここで はじめの問いに戻りましょう。 「アートは世界を変えられるか?」 1年では たぶん無理です。ほんのはじまりに過ぎません。
ただ 質問を変える必要があるかもしれません。 アートは 人生を変えられるか?
今年見てきた限り 答えはイエス。
そしてこれはまだ はじめの一歩なんです。
一緒に世界をひっくり返しましょう。
ありがとう
(拍手)