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【全文書き起こし】シリコンバレー投資家への上手なアプローチ方法③

この記事は、
シリコンバレー投資家への上手なアプローチ方法①
シリコンバレー投資家への上手なアプローチ方法②
の続きです。

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アニス氏:では、次に行きましょう。

我々は何をメインで見ているかっていうと、トラクションなんです。今までの歴史なんですね。「この商品がどれくらい使われているか」とか「どれくらいのパートナーシップがあるか」とか「どれくらいのお客さんがいるか」とか「どれくらいのお金が実際に作れたか」ということがすごい重要なんですね。

その後はチームなんです。ソーシャルプルーフがすごく重要で、他の誰が投資してるのか。例えば初期段階、シード段階でVCが1人でも入ってると大きなWinなんですよ。
なぜかというと、やっぱり初期段階でお金を集めていくっていうのはエンジェルの方が多いですよね。エンジェルとか戦略的な投資家とか、企業とかに投資してもらえるけど、その段階で1人・2人VCも入れてくるのはものすごいいい話なんですね。それがすごい重要なんです。

で、プロダクトとマーケットですね。プロダクトももちろんすごい重要で、これが一番基本のもので、初期段階でプロダクトができていない場合は、どういったものにしていくかというところをちゃんと表せれば良いんじゃないかと思います。

プラス、マーケットサイズですね。マーケットをよく理解することです。やっぱり100億を越えていないマーケットであれば、そのアイデアはやめましょう。それはものにならないので。コンセプト的に多分良くないと思います。

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次に行きます。実際のプレゼンテーションの時です。やっぱりプレゼンテーションする時にも「何が問題であって、それで何を解決していくか」それがすごい重要だと思います。そこでクリアに説明できた方が一番良いと思うので、クリアに説明するように頑張りましょう。

そこで重要なことですが、言葉の壁は絶対にあるので、できればスライドで全てのものを表すようにしましょう。私たちの企業でもインキュベーションという形で色々なアイデアが生まれてくるんですけれども、スライドが送られてきた時に「それを見て伝わる」ということがすごく重要なんです。

1つのヒントとしては、ビデオを作っちゃいましょう。ビデオはちょっと高いかもしれないですけれども、例えば自家製のビデオカメラでどういうものを表しているのか、CMみたいに作っちゃいましょう。そうするとそのビデオを送ってきたら、ビデオを見て「なるほど、こんなプロダクトなんだ」ということが伝わりやすいので。そうするとプレゼンテーションする必要もないかもしれないですね。ビデオクリップが今はすごく重要であって、YouTubeが人気が出た理由っていうのは、やっぱり「ビデオは伝わりやすい」からなんです。だから、できれば自分のアイデアをビデオ化して、それでコマーシャルみたいに作っちゃって、それをどんどん送れば、伝わるし、どんどん投資してもらえると思います。

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実際のプレゼンテーションの時には、数字は細かいものを見せなくていいです。例えば、どこでいくら使ったかとか、今までどれくらいお金集めたかとか、細かいのは見せない。誰も興味ないですよ。トップレベルの数字がある程度あれば良い話で。例えば、今1億を調達していて、その中でも500を調達できていて、これから500Kを考えているという風にトップレベルの話だけすれば良い話で、プラス自分の競争相手のことを隠さないで表すことだと思います。

最後に、自分のビジネスプラン。自分の考えがありますよね。この会社をこのように大きくしていきたい。そこでVCのところに行って、VCが「これはうまくいかない」「これはこうした方が良い」と言った時に、結構頑固な社長もいるんです。「いや、私のアイデアをあなたはわかっていません」と言ってくる人もいるんですよね。それはやめましょう。このリーンスタートアップのモデルが何でこんな人気出てるかっていうと、そこでやっぱり柔軟性がないと、社長としてはやっていけないと思います。

例えば、皆さんアメリカに来て1週間ですよね。大体の場合は。1週間の中で、1日目に会うVCからフィードバックもらって、それで自分のピッチを変えていきましょう。2番目の人に会う時にもうちょっと改善されて、最後のVCのところに行く時には本当に改善されてベストなものができるんですよ。つまり、皆さんのフィードバックを受けて、柔軟性を持って自分のアイデアをどんどん変えていく人が、本当に会社を大きくできると思います。

デモなんですが、もちろんデモはすごく重要です。デモを見せる時にはいくつかの基本コンセプトがあります。デモを見せる時に、例えば1時間、私たちが前もってセットアップしていたとします。私たちは興味を持っている時って1時間じゃなくて5時間みてる可能性もあるんですよ。なぜかというと私たちは1ヶ月で投資してるのは5件、6件です。1ヶ月でそれ以上は投資しないです。
例えば、私が時間を延ばして1時間よりも長く過ごしたいと思っていても、ちょっとコモンセンスのない社長だと、時計を見て「1時間経ったので帰ります」という人もいるんです。その時点でその人はアウトなんですよ。私のところに来て、1時間セットアップしたけど、私が興味を持っていっぱい質問して1時間を越えたっていうことは、あなたはWINNERなんです。1時間越えても私があなたに質問しているということは、あなたはお金に近づいて来たっていうことなんですよ。それを頭に置いておいてください。

実際にデモ動かしている時に初期段階だとプロトタイプしか出来ていないので、やっぱりバグってるんですよね。いっぱいバグがあって「あれ動かない、これ動かない」となる。そこで「ごめんなさい。やめましょう」となる。「ごめんなさい」も言わない。「これは少し直さなきゃいけません、次に行きます」。そこでやっぱり柔軟性を持って、次々、次に行った方がいいんですよ。

例えば、デモ自体が動かせなくなって、コンピューターがフリーズしてしまう可能性もありますよね。その場でコンピューターをしめてしまって、次のプレゼンテーションに移ります、という風にいきましょう。紙芝居があれば、次はこんな感じで動かすんですよ。だから紙芝居も持っていきましょう。

そういう柔軟性があって、この人がクイックで考えられるかどうか、それがすごい重要なんですね。

先ほど少し会社の価値の話をしましたけれども、やっぱり会社の価値がすごく重要で、自分の会社の値段はどれぐらいあるか。日本とかアメリカとか中国とかイスラエルとかによって、それぞれの地域によって会社の値段がすごく異なると思いますけれども、できれば自分の地域で他の似ている会社の評価を見てから、自分の会社の値段を決めていきましょう。

実際に海外に来たときにアドバイザーの人に聞いて、例えばブランドンの知り合いであればにブランドンに聞いて、アニスの知り合いであればアニスに聞いて、「これぐらいの会社なんだけども、大体どれぐらいで資金を集めた方がいいか?」と聞きましょう。できれば直接インベストしていない人に聞いた方がいいと思います。例えば、私からお金が欲しいならば、私には言わないでください。それは良くないです。シャークだから。(笑)大変なことになります。

Q&Aのところなんですけれども、実際にフィードバックを全部書き込んだ方が、たぶん印象としてはいいと思います。実際に断られるかどうか、それはあまり考えないで、どんどんこの人と仲良くしていくという観点で接していった方がいいのではないかと思います。やっぱりトラストですよね。信用しなきゃいけないですよ。

あなたに投資するということは、これから4年、5年、ずっと人生一緒に付き合っていくということなので、やっぱりそこでトラストをつくっていかなきゃいけないので、だから自分の素直な気持ちで接していってほしいんですよ。やっぱり誰だって素直な気持ちでぶつけてきたら分かるんですよ。

人間をいっぱい扱っていて、VCの人たちもすごくたくさんの人間に会うので。私は1日10何人も会っているんです、インタビュー形式で。そうすると、どの人間がどういうことを考えているか大体分かるんです。それは当たり前の話です。

だから、すごく素直な気持ちで「こんなものなんだけど、どうしましょう?」という感じでぶつけた方が、こっちとしても受け入れやすいというところはあるんです。

実際に帰ってからの話なんですけれども、これも1つのプロトコルになっちゃいますけれども、やっぱりThankyouメールを送ってください。これがすごい重要であって、やっぱり早い段階で送った方がいい。

例えば出られてから今は携帯でも出来ますし、すぐにThankyouメールを送りましょう。そこで間違いだらけのメールも良くないので、できれば前もって準備しておいて、出た途端にそこで送りましょう。

送ったときにも、例えばアソシエイトの人たちをアドレスして、パートナーの人を見捨てるとかそういうことをしないで、ちゃんとした順番で送りましょう。例えば、パートナーの人たちをToにおいて、アソシエイトの人たちをCCに落として、それでメールを書きましょう。やっぱり、アメリカはフリーはフリーなんですけれども、でも、実際に言うと、ベーシックなところはアメリカも日本も同じなんですよ。だから、それをちゃんと覚えなきゃいけないです。以上です。

(拍手)

アニス氏:何か質問ありますか?はい。

質問者:投資家はその人の目を見るとあったんですけど、その目を見て、その人が出来る人って判断するための要素というのは、どうやって培ってきたんですか?

アニス氏:自分が持っている会社、自分が持っている技術、それにすごいパッション、情熱を持っていると、それは目で伝わるんです、普通は。それに情熱を持っていないと頑張っても目が光らないので、本当に情熱を持っている人は、普通に顔にそれが出てくるんですね。初期段階の会社だと、それ以外何もないです。チームのメンバーの情熱なんですね。だから、それはそれでそうなっちゃいますけれども、もうちょっとアドバンスレベルの会社だと、例えばシリーズAとかシリーズBとかシリーズCレベルの会社だと、その時に数字とか実際にユーザー数とか、いろいろ見なきゃいけないと思います。

質問者:ありがとうございます。

質問者:情熱の源というのは、お金か、例えば●●をテーマとして問題を解決したいという気持ちなのか、どっちの方が成功する選択になることが多いですか?

アニス氏:やっぱり地域によります。(笑)アメリカ、あと例えば中国とかイスラエルだとmoney、お金です。日本のアントレプレナーだと「この会社を大きくしたい」ですね。日本のアントレプレナーたちは、皆さん自分の会社を愛している。アメリカのアントレプレナーたちは、自分の会社を売りたいだけなんです。

だから、両方バランスを持ったほうがいいと思います。これでお金をつくって、例えば次の会社を立ち上げるとか。これでお金をつくって、そのお金を東北に寄付しちゃうとか、それでもいいんですよ。でも、やっぱりお金もある程度つくらなきゃいけない。その目標があった方がバランス的には会社は成功しやすいかもしれないです。

質問者:例えばお金の方にすごく重心を置いていて、それを得るために手段として我々はこういうマーケットを見つけて、こういう問題を解決するんだという形でビジネスを立ち上げても、それはそれでありですか?

アニス氏:ありです。アントレプレナーで、そういうちゃんとしたセグメントを見つけて、例えばこういう所に会社をつくると一番お金をつくりやすい。それを決めて実際に会社をつくっているアメリカの起業家たちは多いです。

質問者:日本では?

アニス氏:日本の場合はちょっと逆で、それに燃えて会社をつくっている人が多いですね。あと例えば、友達がやっているから私もやらなきゃいけないというところも多いです。やっぱり見て、どこかで感動してやっている。だから日本の起業家たちは、本当に自分の企業、コンセプト、持っているものに結構パッションを持っていることは確かなんです。でも、それだけで会社が成功出来るかどうかは100%言えないので、そこで少し金銭的なところも入ってくると、いろいろ動かしやすいかもしれない。だからやっぱりバランスなんですね、両方の。

質問者:ありがとうございます。

アニス氏:はい。nextは?

質問者:(前半聞き取り不可)どのぐらいの規模になってきたら、投資家の人にアピールできるようになるか?

アニス氏:その通りです。実績をつくる、ユーザー数を増やすというのは難しい。でも、その難しいのを乗り越えないと、会社の社長としては認められないですよ。例えば、資金調達もかなり難しいですよ。だから資金調達も出来ない人は社長になれない。それで失格なんです。「あなたは社長としてはやっていけない」ということになるんですよ。それが厳しい社会のやり方なんですね。ユーザー数になると少なくとも10万人の規模のユーザー数がいるとベストなんです。

皆さんが一番ご存知だと思うんですけれども、できれば日本で10万人ぐらいのユーザーいて、それで投資家にアプローチすると、やっぱり投資家としては嬉しいですね。10万人もユーザー数を増やせるぐらいの能力と情熱を持っている社長だから、次にはもっていけるということになるんですよ。やっぱり、皆さん何かの証拠が欲しいですよね、それです。

質問者:さっきのNDAに関して質問なんですが、やはり全然結びたくはないのですか?

アニス氏:NDAを結ぶことになると、我々としては第一に時間の問題があるんです。プラス、アメリカのVCってNDAにはサインしないです。それが決まりなんですね。

質問者:じゃあ、どうしてもそれはユニークなアイディアで、やはりちゃんとそういうものを伝えたいと思って、アニスさんがお話をしてみたいと思ったらどうしますか?

アニス氏:すごいユニークなアイディアで、例えば、このコンピューターがすごいユニークなもので、ユーザー数がいっぱいいる。その証拠がある。例えば、このコンピューターを使っている人は10万人いる。でも、この中のノウハウはNDAを結ばないと言わないということであれば、NDAにサインをしてもいいんですよ。でも何らかの証拠が必要なんです。証拠も無しで、私のアイディアがユニークでNDAにサインして欲しいというのは、たぶん無理かもしれない。

質問者:ありがとうございます。

質問者:今日、友達になってくれてありがとうございます。ここにいるたぶん何百人からメールが来ると思うんですけれども、その中でメールを開けてもらうにはどうすればいいですか?

アニス氏:それがマジックなんですね。(笑)メールすれば、ちゃんと返事はもらえます。

質問者:分かりました。

アニス氏:でも、そのマジックは説明しないです。(笑)私たちは長い目で見て全部会っているので、ちゃんとメールしていただければ、あとビジネスプレゼンテーションとかを送っていただければ、ちゃんとどこかで会って話をします。

質問者:もう1つ質問なんですが、こういうイベントに出るのが初めてなのですが、他にどういうところにいけばこういった貴重な出会いの場がありますか?

アニス氏:今、日本ですとこういうアントレプレナーの会とか、夕方ぐらいに、例えばブランドンが主催しているみたいなものはよくあるんですよね。私も実際に日本に行く度に200人、300人のゼミに話をしているんです。実は14日、東京でIMJが主催しているそこでも200人ぐらいです。これ今募集中なんですけれども。そういうコミュニティーに入っていただければゼミはいっぱいあるので、例えば海外から我々が来た時とか、日本のアントレプレナー達が話をする機会はいっぱいあるんですよね。

それ以外にも参加できるところというのはテッククランチなんですよね。テッククランチは日本でもやっているし、アメリカだとサンフランシスコとニューヨーク、北京、あと今やっている東京。だからテッククランチに参加することと、あとはアメリカには1年中大きなイベントがいっぱいあるんで、そこから始めてもいいんですよ。そこに行くとやっぱりインベスターの方とか、エンジェルとかVCの方とかもいっぱいいらっしゃるので、そこへ行けばいいんですね。あと、どこかから繋いでもらう。

私は誰かと会う時に、自分の中でいつも3つのことを得しなきゃいけないと考えているんですよ。例えば、私と会った時に私に絶対3人紹介してもらった方がいいんですよ。それがコンセプトなんですよ。だから、私は1日10人に会うと、その10人を通して30人と知り合うのを目標にした方が絶対に得すると思います。私も誰かと話をする時に絶対に得しています。

質問者:デモについてお伺いしたいんですけど、画面整理とか細かい部分というよりも、まあCMみたいなかたちでつくるストーリーみたいな、使われるシチュエーションとかを示した方がイメージしやすいでしょうか?

アニス氏:できれば本当のデモを見せてほしいけれども、場合によってはマシンが動かなかったり、コンピューターの故障があったりするじゃないですか。よくあることなんですよね。そういう場合のバックアップとして、紙芝居を持っていってほしいだけで、それをメインにしない方がいいかも知れない。

できれば、そのデモをビデオ上に持っていって、オンラインにも持っていて、携帯にももっていて、やっぱりいろんなデバイスに持っていた方が、どこかでぶつかったらすぐに次を映して見せることができるということなので。やっぱり実際にビデオで見せた方が、見せたい部分を前もって細かく決めて見せられるから多分得するんじゃないかなと思います。

質問者:ものをつくっている最中に、こっちに来ていてもなかなか、デモは? みたいな話になって、時間がもったいないかなというところもあったので。動画はもちろんですけど、いろんなかたちで持っていった方が良い中で、どういうのをメッセージとして伝えるのが一番重要になる。

アニス氏:そうです。

質問者:今まで投資された中で一番若い起業家は何歳ぐらいでしょうか? 逆に一番高齢だった人は何歳ぐらいでしょうか?

アニス氏:(笑)多分20歳ぐらいだと思います。ちょっと名前は言わないんですけれども、今週投資している人が女性の方でオーストラリア人で20歳なんです。多分、分かっちゃってる人もいると思うんですけれども、彼女が結構すごいパッションを持っていて、もう自分がどこでぶつけてもちゃんと立ち直って、この会社を成功させるという精神を持っているという、すごい情熱を持っている方なんですね。

それで、そちらの会社は1年目は5億ぐらいしか調達していないんですけれども、投資家がもう50人も申し込んでるんです。だから、投資家が戦ってるんです。私達も5千万申し込んで、まあ多分500ぐらいに減らされそうな気がするんですね。

だから、良い起業だとアメリカでは投資家が戦うんです。私からお金をもらってください、という立場が。私の場合、やっぱりトップの企業を狙っているというのもあるし、ほとんどの場合は十何回も会わなきゃいけないんですね。そういうところで結構時間をかけます。だからいい企業をつくれば、本当にお金は考えなくても良いんです。投資家が付いてくるから。私が今投資している全ての会社は、大体の場合は十何回は会ってからお金をもらってくれたんです。だからそういう企業を狙っているっていうのもあるんですね。

質問者:年上の方はいくつですか?

アニス氏:一番若い人は20歳で、一番年上は32、3歳ぐらいです。そっちも女性なんです、実は(笑)。やっぱり女性の社長ってものすごいパワーを持っていて、一番上で投資した会社は女性社長なんですけれども、彼女は今年アメリカで女性の中でトップの若いアントレプレナーになったんですよ。いろんな雑誌でも結構報道されていて。彼女が私が投資した会社の社長なんです。はい、よろしいですか?

質問者:パッションには自信があるんですけれども、よろしければこの後食事でもしながらお話をじっくり聞かせていただける時間はありませんか?(笑)これがクエスチョンです。

アニス氏:会社の話はぜひ聞かせてほしいんですけれども、食事までは難しいかも知れない。(笑)また次回にぜひとも呼んでいただければ…でも話は聞きます。

質問者:マネタイズの話で、特徴のあるアイディアを…具体的にこういうアイディアが良かったとか、という話をできる範囲でお願いします。

アニス氏:できれば、ソーシャル系の会社だと最初はお金のことはあまり考えない方がいいんですよ。お金の話はあまりしない方が良いと思います。なぜかというと、それで引いちゃいますよね、VCとしては。それよりもユーザー数の話ばかりをしましょう。ユーザー数を増やせば、今のインターネットの社会で一番重要なところは、あなたの会社にどれぐらいの人が付いてきてるか、というところなんですよ。

例えば、これは卵を売っている会社で、何百万の人が付いてきていて、なぜかというとここで毎日のように画面でいろんな卵を見られるという会社だったら、それで売上になっていないかも知れないけれども、でもこう考えてください。その人達はあなたのfacebookのファンになっていると思いますし、だからそこで1つのメールを送ることによって、何百万人に送られるんですよ。それがパワーなんですよね。それがクラウドソーシングというコンセプトであって、それをがんばりましょう。ユーザー数を増やしましょう。ユーザー数を増やせば、多分お金にしていくのは結構簡単で、私のところにメールしてくれれば送ります、お金についていくらなのか。だからそれは多分問題ないんです。

でも例えば商品。ソーシャルよりも例えばEコマース。皆さん多分よく考えていないかも知れないんですけれども、我々の毎日の生活の中で、自動化されていないものはいっぱいあるんですよ、実際に言うと。そういうところを自動化していきましょうよ。そういうところを自動化していけば、多分結構お金になります。Eコマースというところなんですね。例えば、簡単に説明すると、洗濯。ランドリーまで行かなきゃいけないんですよね。預けて、また取りに来なきゃいけないんですよね。インターネットでオーダーすると持っていってくれるし、またデリバリーしてくれるし、そういうサービス。すごい簡単な説明なんだけれど、これがあればすごく良いんですよね。私が行かなくてもいいしということです。

例えばスーパーだって、今バーチャルのスーパーマーケットは無いですよね。インターネットで全部の野菜とか全部のものを出して、家に行けば、もう全部届いている、クレジットカードもされている、そういうEコマースをつくりましょうよ。もうちょっと生活に近いもの。もうソーシャルネットはこれ以上必要ないです(笑)。

だから、そういうところで、もうちょっと特性のあるもの、もうちょっと生活に近いものをつくっていけば成功するんじゃないかなと思います。やっぱり自分の身近にあるもので気付いてないところをがんばってつくっていきましょう。

(会場から質問)

アニス氏:実は大学の時にお金が無かったんですよ(笑)。やっぱり大学の学費ってすごく高いですよね。それで、私の親が学費を払う能力がなかったんです。そこで私が考えたのは、資金を集めて大学に行こうかなって思ったんですね。お金持ちの人達からお金をもらって、私が仕事をしたらそれを返す、というコンセプトが頭の中にあって。

でも私のお父さんは、「そんな恥ずかしいことはやめて」って言ったんですよ(笑)。まあそれはそれでいいコンセプトになって今頃大きい会社になっていたかも知れないんですけれども、そこでやめて。

その時ちょうど日本大使館が奨学金を出していて、実際に申し込んで受かったんです。それで日本へ行って、皆さんの税金で大学へ行って(笑)、博士まで日本の文部省から奨学金を取れたんですね。日本の奨学金も結構厳しくて、私の高校とか、SATとか聞いたことあると思いますけれども、高校の時のセンター試験みたいなのがあるんですよね。そこの成績が私はすごく良かったから奨学金がすごく取りやすかったかも知れない。その時は結構真面目だったんですけれども(笑)。

以上ですか? またぜひとも気軽に声をかけてください。

アメリカに来た時にうちのVCに。サンノゼの空港の隣にあって、今ファンドは2つ持っていて、今3つ目を立ち上げているんですけれども。1番目のファンドはヨーロッパから来ている800億円のファンドで、第2番目のファンドは実際に日本から来てるんですよ。日本のウェブデベロップメントで、ウェブ会社で一番大きな会社がLPになっていて、今3番目の会社はヨーロッパとアメリカと日本の投資家が集めている50億のファンドなんですね。

だからお金はいっぱいありますけれども、すごく厳しく見て、やっぱりベストなアントレプレナー達を育てたいという気持ちでやっているので、私から投資をもらえれば絶対にヘルプももらえるんですよ。
だから私のマネーがスマートマネーなんです。あなたに投資したら、私の時間もあなたに投資する。その約束が一緒に付いているんですよね。だからお金だけじゃなくてサポートも付いてくるので、すごく厳しく見ていることは見ています。

我々のVC会社って新しいモデルで、皆さんみたいに若いスタンフォードとバークレーの学生がいっぱいいるんですよ。それで皆さんに見てもらって、同じ年代の人の感覚で見てもらって、それで決めているので、結構同じような感覚で、グーグルとかfacebookをつくった人達と同じレベルの評価で投資しているんですね。

ぜひとも声をかけてください。よろしくお願いします。
あとfacebook・LinkedInでも送ってください。友達になりましょう!

(会場拍手)

司会:アニスさん、そしてブランドンさん、とても興味深い、そして参考になるお話、本当に感謝します。
どうもありがとうございました。

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