堀江貴文氏心境を語る!<緊急記者会見全文書き起こし>Part1

こんにちは、書き起こし.comです。

先日、自由報道協会主催で堀江貴文氏(以下堀江さん)が行った
緊急記者会見を書き起こし/文字起こししました。
堀江さんの今(緊急記者会見時)の気持ちやライブドア事件からの想いが伝わってくる内容です。

文章が長いので、2,3回に分けてお届けします。今回はPart1です。

また、堀江さんの仮釈放を求める署名活動をされているサイトもありますので記載しておきます。

仮釈放要求の署名サイト
ホリエモンの仮釈放を要求する署名 – 署名サイト

Youtube動画
【ほぼノーカット】堀江貴文被告上告棄却緊急記者会見

発言の意味が変わらない範囲で、一部省略した部分があります。
(「あー」とか「そのー」等の発言については割愛する。)
聞き間違い、わからなかったところ等はご容赦ください。

また、当サイトでは今後、さまざまな動画をテキストに書き起こしていきます。このサイトの趣旨に賛同してくださるボランティア・スタッフを募集しておりますので、どうぞお気軽にご応募ください。応募フォームはこちら

<司会・上杉氏>
17時になりました。ただいまより自由報道協会主催、堀江貴文氏の緊急記者会見を開催いたします。では、まず冒頭堀江さんの方から、今日の最高裁上告棄却を受けて一言よろしくお願い致します。

<堀江氏>
皆様、お集まりいただきましてありがとうございます。今日昼12時ぐらいに、弁護士の弘中先生から電話がありまして、上告棄却の通知が届いたということで、「棄却理由は上告理由に当たらない」ということで、我々は結構長いペーパーを上告趣意書としてお送りさせていただいたのですけど。全くその内容には触れられず。一応、最高裁判例違反であったりとか、そういった上告理由はいくつか書いたのですけど、そこは完全にスルーされて、量刑不当であったりとか事実誤認であったりとか、そういったところは「上告理由にあたらない」と軽く却下をされてしまいました。

無罪を主張して争ってきた私としては、非常に残念なことなんですけれども、逆に一審二審、特に二審についてはですね、本当にスピード審理というか、相当短い時間で、しかもその判決文なんかも僕は読んでみたのだけど、到底納得できないところで終わっておりますし。一審判決については、私を担当した裁判官が一緒に起訴される、別の裁判会なんですけど分割で審理がされていた宮内さんであったりとかの、僕のところでは本来使われるはずではなかった調書を読んで、彼らは実は(裁判を)やっていますので。その辺を含めて、いろいろ納得いかない部分というのがたくさんありまして、それで上告をしたわけですけれども、棄却されてしまいましたので。仕方ないので、おそらく1ヶ月ぐらいで収監されて、どこかの刑務所に行くことになります。一応、刑は2年6ヶ月ですので、未決勾留期間が40日ありますので、2年4ヶ月ちょっとくらい行くことになります。

私が起訴された2つの証券取引法違反、偽計及び風説の流布等、有価証券報告書の虚偽記載罪については、私のブログ等で具体的に反論をして、これで罪に問われるってことはちょっとおかしいということをずっと申して参りまして、この主張に関しては今回最高裁で判決が出ましたけど一切変わらないということで、この主張自体はこれからもしていきたいと思っている。ただ最高裁でこういった判決が出たこと、および有価証券報告書の虚偽記載罪の部分で一部、16億円ぐらいの粉飾部分に関しては、私は具体的な取引の内容は知らなかったとはいえ、社長としての責任はありましたので。そういった部分に関しては、民事裁判の方で和解させていただいているというような状況にあります。
2年半近くということで結構長い時間になると思いますけど、またゆっくり中で本でも読んで勉強してきたいと思います。

僕がこういった状況になっているのに関しては、いろいろ、僕に原因があった部分もおそらくあると思いますので、そういったことに今後ならないように、一生懸命勉強して、また帰って、皆さんのために役に立ちたいなと思っています。それ以外、今やっているロケット開発事業であったりとか、こういったところにつきましても、我々の仲間たちが継続をしてくれますので、これまで通り進めたいと思いますし。

すでに発行しているメールマガジンであったりだとか、本であったりとか、そういったところも出来る限り、獄中からということになりますけれども、発信はしていきたいなとは思っていますので、もしよろしければ僕のメールマガジン、なかなかこれから特に1ヶ月は、皆さんも、僕も体験したことないですけれど、収監されるまでの1ヶ月ということで、結構貴重なレポートになると思うし、出てきた時も最新の情報と言いますか、皆さんあまり体験することがないであろう獄中のことに関しても、出来る限り代理人等を通じて発信をしていきたいと思いますので、これからも引き続き、出来る限り僕ができることであれば、皆さんの役に立ちたいなと思っています。

最後に、こんなことになってしまって、もうすでにライブドア事件が過ぎて、ちょうど僕が保釈されたのが4月27日のことでありまして、それからちょうど5年目の節目にあたる時にですね、見事に上告棄却の判決を受けまして、「もうあれから5年経つのか」というふうに、ちょっと月日の流れの速さをすごく感じています。もう僕がやっておりましたIT関連の事業も僕は完全に身をひいて、今は全く別の会社が、世の中のITビジネスで活躍されている方がたくさんいます。まあただ、これからもインターネットだけじゃなくて、宇宙開発関連であったりとか、人類の未来を見据えて、いろんな活動をしていきたいなと感じておりますのでよろしくお願いします。

<司会・上杉氏>
まずですね、堀江さん。今回のこの知らせというのは、昨日の夜ぐらいから実は報道筋に流れていろいろ噂にあがっていました。堀江さん自身が、前回もそうでしたけど、こういった形で、実際にご本人が聞く前にそういう形でメディアに流れるというのは、当然ながら検察、今回は司法ですけど、当然ながらリークがあったと思われるが、その辺り、当事者はどのような印象、感想を持たれるのでしょうか。

<堀江氏>
鈴木宗男さんから聞いていたんですけれど、前の日に司法記者クラブの人たちは「どうも裁判所が何か書類を送っている」ということが分かるらしくて、どういう仕組みになっているのかは知らないですけど、何か送る人がいるんじゃないですか、郵便物を。その送る人たちがどういう風に送っているのかというのを、内容としてご存知なんでしょう。だから、そういう速報が出るんだと思いますけれど。鈴木さんの場合は事前に察知したというか知ってたみたいですけど、僕の場合は全然知らなかったので。今日、弘中先生の電話で起こされたみたいな感じだったので、結構、寝耳に水というか。ただ、一部の人たちがそこで色々考えてやっているということなんではないですかね。

<司会・上杉氏>
弘中氏から連絡をもらったのは時間的には何時ごろなんでしょうか。

<堀江氏>
電話を見ればわかりますけれど。。

<司会・上杉氏>
では電話を探している間に。一応一点。この会見は全員、入った人に自由に質問の権利がありますので。記者クラブの方もどうぞ。

<堀江氏>
(確認後)弘中さんからの連絡は12時。12時7分に連絡をもらいました。

<司会・上杉氏>
では私からこれ一問だけ質問ですが。今回はこれ証券取引法ですか、ごめんなさい粉飾ですね。実際これと似たような事件、たとえば山一證券事件、これは7428億円の粉飾決算事件ですが、その判決に関しては執行猶予5年。日本債権信用銀行の事件も1592億円ですが、粉飾決算では執行猶予が付いています、3年の。そしてまたカネボウ事件、年が多分一緒だと思いますが、これも753億円の粉飾決算事件で、すが執行猶予3年。その他にも、全部執行猶予が付いているのですが、なぜ堀江さんだけが実刑なのでしょうか。

<堀江氏>
それだけじゃなくて、日興コーディアル事件であったりとか、ビックカメラであったりとか、色々な、多分十数件以上、ちょうどライブドア事件以降、2006年以降10数件くらいの案件が、証券取引法違反ということでSESC(証券取引等監視委員会)から行政処分、課徴金処分を受けている会社が結構います。粉飾規模であったりとか、我々のやつが仮に、私はあれが粉飾だとは思っていないですけど、我々のが仮に粉飾だったとしても、額的にも同じかそれ以上のものが課徴金処分ということで、経営者個人の刑事責任を問われるまでには至っておりません。

そういう中で僕だけ実刑というのは、仮に粉飾が事実だとしてもですよ、すごく不公平だなとは思いますけれども。世の中の真理は不公平ですからそれはそれで仕方がないのかなとは思います。世の中、不条理に満ちているし、「なんで俺だけ」ということはここにいる皆さん方も、誰でも一度は経験されたことだと思いますので、それが世の中の真理なのだろうと思いますけど。それに対して「不公平だよね」といってもどうすることもできない、僕ができることは不公平であることを広く世の中に訴えていくこと。

それと、ライブドア事件が一番特殊だったのは何かっていうと、生きている上場企業を、業績も2004年の粉飾に関して我々は起訴されてますので、2005年の決算がもう締まって2006年新興期が続いていったような段階だった。2005年はもちろん粉飾はしてないし、起訴もされていませんけど。そうやって健全に動いている上場企業を、しかも株主が15万人から20万人いるような会社をいきなり強制捜査してしまうというのは、何回も言っていますけど非常に異例だし、これまでで多分うちらしかない。

カネボウも山一(証券)も潰れた会社ですから、潰れた会社の経営陣が責任を問うというのは、これまでもよく行われてきたことですけど、潰れてもいないし基本的には健全で、世の中に貢献している会社に対していきなり捜査を(やった)。僕はよく「事件を起こした」と言われるが、起こしたつもりは全くありませんし、違法行為をしたというつもりも全くないわけですけど、検察が来て捜査をして初めて事件になった。こういうことはこれからもずっと言い続けていくつもりですし、皆さんも忘れないでほしいなと思います。こんなことをして誰がいったい得をするのか。株式市場はズタズタになって、個人投資家は東京証券取引所から離れていきました。東京証券取引所は、いうまでもなく日本の最大の市場で、日本経済を引っ張る象徴のはずなんですけど、まあ我々を潰すということは、日本経済に多大なる影響を与えるということも多分検察は予測していたのではないかと、それでも「やりたい」と。

こういうことで司法は良いのかどうかということは、これから皆さんぜひ議論していただきいたい。だからこそ、このあと課徴金処分とかそういうマイルドな処分がメジャーになったんだと思いますけど。これからも我々のような事例というのはあまり作らないで欲しいなと。もし悪質だと思うのであれば、もっとマイルドな方法があるでしょうと。我々を潰すのは構わないですけど、周りにそんなでかい影響を与えるなよと、経済を潰すなよということは言いたいですね。ただ、もう手遅れですけどね。

<司会・上杉氏>
さすが、ゴルフをやる堀江さん。不条理をきちっと受け入れるということで、私ゴルフジャーナリストとしては感激しています。さて、会場からも質問を受け付けます。挙手の上マイクをお渡ししますので、その後にお名前と質問をお願いします。質問時間は10分以上取らないでください。

<質問者>
IWJ岩上です。よろしくお願いします。堀江さんの事件が起こった当時、検察の正義・無謬性、裁判所の無謬性は、まだ国民の間で疑われていなかったのではないかと思う。しかしこの数年のあいだ、立て続けに検察の捜査というのは、もしかするととんでもないものではないか思わせる事件、事案が起こってきました。小沢氏の事件、村木事件、前田さんという検事の事件。この一連の事件を経て、検察は改革をすると言っている。

こうした成り行きをみながら、どこに検察の問題はあったのか。今の検察の改革のあり方に、不十分な点はないのか。また、検察と一体になって動く司法記者クラブというマスコミの動き方、一方的な集中報道のあり方、こうしたことに問題点はなかったのか。恐らく、数年前のライブドア事件のときに語りつくせなかった思いがあるのではないかと思います。検察、裁判所、それからマスコミにこれらに対して今の思いのたけをお聞かせ頂けないでしょうか。

<堀江氏>
私も恥ずかしながらといいますか、検察というものを、自分が捕まるまでは検察ってあることは知っていましたけど、あるとは思っていたけども具体的にどんなものか全然知りませんでした。恥ずかしながら。実際それから検察を勉強するようになって、たぶん日本でも有数の「検察マニア」になっていると思うんですけど。調べれば調べるほどこの仕組みの怖さを僕は感じました。

なんという本か忘れちゃったんですけど、この間ブックレビューで見たんですけど、検察とマスコミの関係を書いた本があって、それを読んだら、すごくまともで正義感のある記者の人たちが、検察に厳しい目を向けている記者が一番危ないと書いてあった。なぜなら、深い部分で検察官と繋がってしまうからだと。まさに僕はその通りだと思った。

検察官も人間ですので、不条理であったり、不合理な動き方をする人間や、罪を犯す人間が検察の中にもいるわけです。実際、村木さんの事件でそのことは露呈しましたけれども、あの頃、最高検が現役の検察官全員にとったアンケートで、29%だったか26%だったかな?の検察官が被疑者・被告人の供述に反して調書をとったことがあると26%の人がYESと答えたというようなベタ記事みたいなものがあったんですけど、それを見て僕は「やっぱりな」と思いました。自分もそういった調書を取られそうになりましたし、自分の周りにもそういう調書を取られた人たちがたくさんいた。

元外務省の佐藤優さんが書いた「憂国のラスプーチン」という本にも書かれていますけども。ああいった形で協力者を見つけて、協力者が落ちることによってターゲットとなる。ライブドア事件の場合は私ですけれども、私をとにかく犯罪者、しかも首謀者に祭り上げたいという思いはすごく伝わってきました。ただ、残念ながらその当時、僕は全くそういう知識がなくて、そういったことに対してただ「違う」、「無罪である」と言うことしかできませんでした。なので、もうすでに手遅れなんですけれども、こうなってみて思うのは、これからまた同じような目に遭う人たちが出てこないことを祈るばかりです。そのためには、検察官は正義の人であり、絶対に嘘はつかないし、間違ったことはしないという無謬性ですね。これを信じないで欲しいなと。

しかも、今これは日本だけでなく世界でもそうなんですけど、三権分立の埒外にあり、三権分立から事実上独立している検察というモンスターに対して、全く押さえがきいてないような状況にあります。日本は特に深刻です。いつ何時皆の前に検察官が現れて、捕まえられると言うか本当にわからないと思います。特に目立ったりするとその危険性は高まります。あるいは、新しいこと、皆を良くしようと思って新しいことにチャレンジしたりとかしても危ないと思います。

でもそんな人たち、つまり保守の枠を乗り越えて新しいことをする人たちを潰す。検察の人たちは、もともとそういう人たちなんですけれど。そういったことに対しては皆さん厳しい目を見せて頂いた方が良いのではないかと思います。

実際のところ検察官の人達は僕たちが絶対見ることのできない証拠を持って、それをひた隠しにすることもできるんです。強制捜査権というものありますが、強制捜査権というのは非常に強い権限です。本当に人のプライベートを全て調べて、都合が良いように解釈をしてストーリーを作ることができます。それを隠すこともできる。こちらが調べて突き止めないと、ピンポイントでこの書類って言わないと出してくれません。実際私は事件の過程で、部下が横領行為をしていた証拠を発見したが、こちらも本当に偶然発見できたようなもので、弁護士の力がそこの部分に関してはすごく強かったということで発見できたんですけど。

これがもし発見できなかったら、僕はもっと厳しい刑に処せられていたのかもしれないと思うとゾッとします。逆に言うと2年6ヶ月ぐらいで済んだというのは、これだけ検察に楯突いて、ガリガリにやりあって、2年6ヶ月で済むというのはもしかしたら幸せなことなのかもしれない。しかしながら、これから2年6ヶ月(刑務所に)入るわけですけども、その中でも言うべきことは言おうかなと思っております。

検察の問題に対してこれまでは、みんな怖いんですね。それは首相も含めて(検察が)怖いんですよ。政治家なんて自分(政治家)自身でつくったんですから悪いんですけど、政治資金規制法なんて違反しない方が難しいと思いますよ、実際のところ。それは政治家自身がつくって、立法府がつくったのだから、それはお前ら(政治家)が悪いんだろと言ったらそれはそれで終わるんですけど。

そんな変な法律をつくらない様なことは、国民もそういった動きをしていかなければいけないと思うし、そういった報道であったり、検察リークに流されない、一人一人がちゃんと情報リテラシーを持って自分で判断をするという時代が来ないと多分永遠に解決しない問題なのかもしれません。

今回の原発関連の報道、地震関連の報道を見ても、まだまだ個々人の情報リテラシーの力っていうのはすごく低い。だからまた同じような間違いを犯してしまうかもしれません。だけれども少しずつでいいから、我々ひとりひとりが情報の力を磨いて、検察もちゃんとした組織になって欲しいなと。未だに、会見の録音も録画も認めてないような組織ですから、それには程遠いと思いますけど。最高検が検察改革の記者会見をやっているという噂も聞きましたけれども、あえてこの時間にやらなくても良いのになっていうふうに思う気持ちもすごくあります。

しかしながら、声をあげ続けていかなくてはいけない。これはインターネットっていう新しいメディア、個人が声を出せる新しいメディアが生まれ、佐藤優さんとか鈴木宗男さんみたいな勇気のある人達が出てきて、「検察っていう問題があるんだよ」ということを皆さんに教えてくれた。こういった勇気のある人達をこれから変えていかなくてはいけないと思いますし、僕もそういった勇気のある人達の仲間になって、これからも声をあげ続けていきたいなと思います。言い続けるしかない。

これはできの悪い社員を教育するやり方と同じなんですけど。僕は最初会社を経営していて、最初誤解していたんです。できの悪い社員って一回言っても絶対分からないんです。同じミスをします。じゃあどうやってその社員はミスをしなくなるのか。言い続けるしかない。これも、5回や10回じゃダメ。100回以上言わないと、その部下は間違いをしてしまう。これは同じで、できの悪い検察にはたぶん1回や2回じゃ済まなくて、5回、10回、それ以上ですね。100回ぐらい言い続けないと分からないだろう。だからしつこく言います。

<質問者>
マスコミについてはどうか。

<堀江氏>
マスコミについても同じで、多分同じ人達が記者クラブであったり、社会部にいて、検察の人達を取材して、時には批判をしてやっていくと、やっぱり同志になってしまうのだと思います。同志になってしまうのは、こういうケースではある意味仕方がない部分であると思う。ただし、損させないような仕組みっていうのは多分できると思う。記者クラブであったりとか、そういう仕組みをもっと流動性のある仕組みに変えて、新陳代謝をして、常に新しい気持ちで、検察であったりとか、そういう組織と向き合うような体制を作れば良いのではないかというのが1つ。

もうひとつは、横並びで同じ報道を続けるっていうのは止めたほうが良いのではないかな、それこそ。物事は、今回の件ですごく分かったんですけど、2面性があるんですよね。だから、ライブドア事件についても、私の主張は無罪だし、私のことを支持してくれている学者の人法学者の人もいるし、あれはちょっとおかしいのではないかと言ってくれる人もたくさんいる。でも、その側面から見ると確かにおかしいんですけれども、逆の検察官から見てみるとあいつはほんとに金のことしか考えない、金の亡者で、ついには違法なことをやって金をもうけようとした、金の亡者だと彼らの目から見ればそう思える。

そのような目で見て証拠を探すと、良いとこだけをつまみ食いするわけです。これは我々も同じで、無罪であることの証拠をたくさん用意して、ほら無罪だろと言う。向こうは向こうで、いえいえ僕らに不利な証拠をいっぱいピックアップして有罪だろと言う。物事には必ず2面性があって、ゼロか1かって完全に割り切れるものではない、0.5があったり、0.4があったり。これはゴルフも一緒なんですけど、例えば4.5も3.5も切り上げたり、切り下げたりすると4になる。だから、すごくバーディーに果てしなく近いパーもあれば、ボギーに果てしなく近いパーもある。しかしながら、パーは一緒、4なんですよね。

それと同じですごく有罪にすごく近い無罪もあれば無罪にすごく近い有罪もある。ですよ、物事って。それを結局、有罪か無罪に振り分けているだけの話であって、特に検察官から見れば、有罪の方のバイアスがかかりやすいし、裁判官もそうであると。そういった二面性ってものがあるってことをわかった上で、報道する側としてはだいたい検察寄りなわけですよ。だけど、そうじゃないって見方が当然あっていいはずなんです。だけれども、なんでもそうですけど、村木さんの事件だって、もしかしたら何か無罪じゃない証拠があるのかもしれない。

無罪ということになりましたからそのようなことはないと信じたいですけれども、そうかもしれない可能性はゼロではないと思うんです。だけどもそれは、もう無罪判決が出たら、「無罪、無罪」という話になってしまうし、有罪判決が出たら「有罪、有罪」ということに全員が横並びになってしまう。

ライブドア事件なんて、起訴もされていない時点から完全に犯罪者扱いでした。それも当然判決に影響を与えるんです。それを皆さん自覚して欲しい。犯罪者じゃない人を犯罪者にしてしまうことが、マスコミの皆さんのある意味歪んだ正義感でそうなってしまうことがある。これは断言できます。なので、多面的な見方をすべく、そこで健全な競争をして欲しいですよね。テレビ局だったら、民法、NHKを合わせて6局、7局あるわけで、その中で、全員が同じ見方をしているのは気持ち悪いし、おかしいと思う。絶対黒、絶対白ってことは絶対有り得ません。だから多面的な見方をすることを是非心がけてください。僕のケースも最初はそうでしたが、最近だんだん少しはそうではない、無罪ではないかというような意見を頂ける人たちも増えてきました。

<質問者>
フリーランスの畠山理仁です。先ほどテレビや新聞の報道がイメージを作ってしまうということで、堀江さんのイメージはかなり新聞テレビで作られた部分もあると、ご本人も思われているかと思うんですけど、収監をされるとテレビや新聞が自由にあまり見られなくなりますけど、そのことについてどう思われるのか?困るのか、困らないのか。

<堀江氏>
逆に最近テレビ、新聞見ていないものですからあまり。新聞はだいたいネットで見てますし。テレビも面白そうな番組だけ、ネットで流れてくるものをチェックして見たりすることはたまにあるんですけど、基本あまり見ないので、逆に久しぶりに接してみるかというのがひとつあるのと。あとは中ではテレビは見られるらしいんですけど、なぜか拘置所では見られないのに刑務所では見られるらしいんですけど。
ゆっ くり本を読む機会だなと思いますので、自宅に溜まっております本、3ヵ月で前回は200冊読みましたけれど、今回2年半ありますので、2000冊くらい読めるかなと思っています。

<司会・上杉氏>
自由報道協会の会員の方はお金を払っており、今日の会見もその会費から運営しているということで。申し訳ございませんが、最初は自由報道協会のメンバーから質問を当てさせていただきます。のちに必ず皆さん全員に当てますのでご理解をよろしくお願いします。

<質問者>
フリーランスのシマダです。よろしくお願いします。会見を今拝見していてですね、実刑が出たといういことで、しょうぜんと運命を受け入れているという雰囲気を感じるんですけど、ご自身の今の感情的なお気持ちはどのように受け止めていらっしゃいますか?

<堀江氏>
高裁判決を受けたときは正直結構ショックだったんですけど、最高裁は最後なので結構ボーとしている感じですね。やっとひとつプロセスが進んだということで、こういう気持ちになるとあまり思わなかったんですけど、正直言って。割とスッキリしたというか。悪い結果でしたけど。非常に残念だし悔しいですけど、悔しいとか残念だという気持ちはあまり湧き上がってこず、なんか人生ゲームのコマが一個進んだなというような感じですね。

<司会・上杉氏>
そちら、2列目の一番奥の方。次となりの方。

<質問者>
フリーのふじいと申します。よろしくお願い致します。先ほどテレビや新聞に触れてみようかなというようなお話がありましたけれども、逆にインターネットに触れられなくなるということに関してどうお感じなのか?と言うことがまず一点。それと、とりあえずこの一点でお願いします。

<堀江氏>
ネットに触れられない時期もあったので、一回3ヵ月くらい収監というか拘置所いましたので、拘置されていたので、それはだいたいなんとなく気分的にはこんな感じだと一回経験済のことなので、それは特に心配してないんですけど。なんせ僕は人と喋るのが好きなので、それがあまり喋れなくなることが、一点嫌だなと思っているくらいですね。

むしろ、最近ちょっと疲れてきたというか、ツイッターとかやっていて楽しいしすごくやりがいもあるんですけど、たくさんの人たち、68万人くらいフォロワーがいるのんですけど、彼らと会話をすることはすごく楽しいし充実はしているんですけど、逆に大変だなと最近思ってきた部分もあったので、なかなかネット環境を断たれたところに行く経験はこれからまずないだろうと思いますので、いい機会なので。あと一番いいのはパソコン打てないこと。手紙とか字を書かなければいけないので、腱鞘炎にならな いように注意しようかなと。

<質問者>
あともう一点。保釈されてからの5年間の間で、一番印象に残っている出来事を教えて下さい。

<堀江氏>
一番印象ですか?何だろうな。結構色々なことがあって刺激的でした。すみません、一番が何かはわからないです。

<司会・上杉氏>
はい、じゃあお隣の。

<質問者>
livedoor BLOGOS・田野と申します。今回の事件でライブドアの株主だった方、それからニッポン放送さんの社員が多数フジテレビに移転になったりと、良くも悪くも大きく人生が変わった方々がたくさんいらっしゃったと思うんですけど。そんな方々に一言いただけませんでしょうか

<堀江氏>
ライブドアの株主だった方々は本当に申し訳ないことをしたと思います、本当に。割といろいろ民事裁判は粛々と進んでいますし、これからもライブドアだった会社もそれなりに健全にやっていますので、その辺でなんとか勘弁して頂けるかなと思います。ニッポン放送とフジテレビに関しては、僕は多分あまり関係なくて、ライブドアが来ようが来るまいが、ニッポン放送はフジテレビ傘下になることは決まっていたわけですから。それは、僕は関係ないかなと思うんですけど。頑張ってくださいとしか言いようがありませんが。

<司会・上杉氏>
はい 続いて一番前の方。

<質問者>
フリーランス前田真里と申します。本日はどうもありがとうございます。先ほども調書の話でも出たのですけど、取り調べの全面可視化や証拠の開示について、率直に今どのように考えているのでしょうか?そして、「2000冊の本」とおっしゃってたんですけど、今何か読みたい本などを。

<堀江氏>
読みたい本は科学の本とか工学系の本とかも読みたいし、歴史小説とかそういうものも読みたいですし、読みたい本は山ほどあります。ただ時間が無いので読まずに山積みになってほんとに、本用の部屋がパンクしそうになっている現状だったので、そちらの本が読めればいいなと思います。

取調べの全面可視化は、これは皆さんが考えられているより、僕は広範囲に考えていて。もちろん被疑者、被告人の任意捜査の段階から当然可視化をすべきだと思います。ただ、それははっきり言って守らせる方法はないでしょう。なので、弁護士の同席を100%認めることがまず必要だし、国民の間にですね、そうなった場合には必ずICレコーダーとかそういったものを持ち歩くことをおすすめしたいなと思います。

ただ、それは弁護士会とかがそういったところが啓蒙活動していかなければいけないと思うし、そういった刑事被告人か刑事参考人になった場合の対応の仕方をもっともっとPR費をかけて皆さんやって頂きたいと思います。そうしないと一番危険なのは取調室に入る前なんですよね。取調室に入った後、つまり拘置なり留置なりされて検察官に取り調べられている時はですね、かなり鈴木宗男さんとか佐藤優たちのの尽力もあって、かなりそういったところ刑事裁判のノウハウはだんだん共有されてきている部分はあるんですけれども。もちろん可視化したほうがいいですけど、それよりも任意の段階が一番怖いと思います。

その辺の対策をしっかり進めて欲しいと思うのと。検察からは独自捜査権限を絶対に剥奪すべきだと思います。検察じゃないと捜査できないということはあり得ません。それに、検察官は人数が少ないですかから、そんな人数の少ない人たちが金融商品取引法から多岐に渡る山ほどある法律をすべて網羅してちゃんと運用できるとは思えませんので、それぞれに特化した形で捜査チームを作るべきだと思います。だからSESC(証券取引等監視委員会)を拡張するなり、公正取引委員会を拡張するなり、警察庁を拡充するなりなんなりして、必ず捜査は独立しておかなければチェックが働きませんので、それは絶対にやって欲しいと思います。

<司会・上杉氏>
大手メディアの方もぜひ質問してください。どうぞ。

<質問者>
日本テレビ・カトウと申します。よろしくお願いします。今までお話頂いた部分と重なる部分もあると思いますが、私も読ませていただきました『徹底抗戦』という著書があったと思います。今回のこのきっかけというは、ひとつの区切りになるのでしょうか。それとも今後直接の当事者とならない、例えば、出てきた後にもライフワークとして今仰ったことは主張し続けていくのでしょうか?

<堀江氏>
正直、他にもいっぱいやりたいことがありますんで、あんまりやりたくはないですけど、もう渡りかかった船というか、乗りかかった船というか、もうしょうがないですね。やるしかないですね。そんなに好きな世界でもないですし、あまり関わるとまた、なんかとばっちりを受けそうな気もするので、あまりやりたくないですけど、乗りかかった船なので、ある意味僕の人生の時間の全部はもちろん使わないですけど、ほんの少しだと思いますけど、それを使って訴えていきたいなと思います。

そういう声がもうちょっとし広がっていかないと、そもそも検察制度そのものは欧米から単にコピーしてきただけの制度で、もともと日本に根ざす、これは僕が確信しているんですけど、これは日本の司法制度の根底にある大きな流れは江戸時代のお白洲なので、お上がすべてを決めて、お上に逆らった奴は首を切られるという、これが根底ですから、この根底をまず変えること。これは明治維新でも変わりませんでしたので、明治維新で変わらなくて、その後欧米から導入した検察という殻をかぶせただけなので、これは一回ゼロリセットをして、一から理想の司法の形、検察の形というのを国民全員で考えなければいけないと思います。できないと思いますけどね。

Part2「堀江貴文氏心境を語る!<緊急記者会見全文書き起こし>Part2」に続く

書き起こし・文字起こし協力:@seashellpsさん、@akiko74さん、@gcynさん、ありがとうございました!


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