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【書き起こし】孫vs佐々木対談「光の道は必要か?」4 質疑応答

孫正義vs佐々木俊尚対談「光の道は必要か?」Part4
「質疑応答」の書き起こしです。

聞き間違い、わからなかったところ等ありますがご容赦ください。
(ご指摘歓迎)

孫:
誰かほかの人で聞きたい人あるか? 言うてみい!

(会場笑い)

孫:
ありますか?
どうですか?
あります?
あとからでもいいけど、今せっかくのチャンスよ?

(会場笑い)

孫:
いいですか?

質問者1(金髪):
なんでそんなに、普通控えてしまうと思うんですけど、自分が伝えたいこととか、みんなを幸せにしたいとかって大っぴらに言うのは難しいから、でも、孫さんを見てるといつもそういうこと、物凄く熱く語っているじゃないですか。
で、僕とかやっぱ見てて、クラクラってちょっとやられちゃうんです。その熱に。
で、パーソナルってすごく気になるんですけど、なんでオレはこんな人間になってしまったんだっていう風なことがあれば教えて欲しいんですけど。

孫:
わかりました。
あのね、あんまりこういうこと言いたくないんだけど、僕はホントに日本好きなんです。
今、日本に一億何千万人か日本国民いますよね。日本国籍を持った日本国民、生まれながらにして日本国籍なんです。生まれながらにして日本人なんです。
泣きたいほど、叫びたいほど望んで日本人になった人は何人いるんだ?
日本が好きで、自分が生まれた国を愛することが何故恥ずかしいんだ。
自分が愛するこの国のために、なにか少しでも貢献したい。どこにためらう必要があるんだと。
その一言です。

質問者1(金髪):
ありがとうございます。

(会場拍手)

質問者2(女性):
孫さんの「孫さんの本気」を私は本気で信じますけど、私は腹をくくって
孫さんが???政治に飛び込むこと、
じゃなかったら日本中の人々をホントに揺り動かすことはできないじゃないかな。
腹をくくるのは私は孫さんから一言だけ、孫さん自身じゃないかと。

孫:
まあ政治ね。

(会場笑い)

佐々木:
やらないほうがいいですよ。

孫:
ぼくはあのー、自分のね、小学校の時になりたい夢が4つありました。

「小学校の先生」「画家」「政治家」「事業家」この4つの選択肢が僕の夢の中の選択肢だったわけです。

まあいいことかどうか別として、「僕はもう事業家になる」と言う事を16歳の時に決心してそこに人生を捧げよう。
事業の面から人々に貢献したいと、いうことをもう、腹を括ったんです。決めたんです。
ですから、自分の役割の中で精一杯のことをやりたいんです。
そういうことです。

佐々木:
まあ政治家には、

質問者2(女性):
○○○わかりますけど、国事っていうのは○○○
最大の事業です

孫:
まあ国事もね、おっしゃるとおり。

佐々木:
でも日本っていうのは、国っていうのはモジュールなので、そこには政治家の果たす役割、企業家の果たす役割、あるいは僕らのようなジャーナリスト果たす役割、それぞれがモジュールとして存在しているんですよね。
だから、全員が全員、政治家になる必要は僕はないと思うし、僕は孫さんは、企業家としてやるべき事がまだたくさんあると思うし、そこでホントは僕は力を発揮してほしいなと個人的には思いますね。

孫:
まあ、すくなくとも僕は、事業家としてまだ成し遂げてないことが、これを成さねばならないという風に思ってますから、是非そこをね、突き詰めていきたいと思います。

佐々木:
そうですね。

孫:
他にどなたかいますか?
はい。

質問者3(そらの):
孫さんはUstreamの筆頭株主になって何を目指しているんですか?具体的に何をしようとされているんでしょうか?

孫:
僕はね、それがUstreamでもニコ動でも、ヤフー動画でもなんでもいいんです。
要は基本的に、デジタル情報革命をやりたいと成したい。
もうそれが唯一、ソフトバンクを起こした時から、最初から最後まで、ただ一つのテーマです。

そのただ一つのテーマに向かって、いろんな、それこそモジュールですね、いろんな部分部分をいっぱいやってている。
先ほどからインフラのことを僕は一生懸命言ってますけど、「ヤフー」もやっているわけです。「タオバオ」も中国でやっているわけです。他にもいっぱいやっているわけですね。
ですから、一つ一つの部分部分の要素を同じ志しを共有する仲間たちと、それぞれが役割分担をして、力を合わせて、新しい21世紀のライフスタイル、先ほどの教育だとか医療とかだけじゃなくて、エンターテイメントも含めて、あるいはヤフーも含めて、あらゆるものがデジタル情報革命として、人々に豊かさだとか、楽しさだとか、生産性とか、そういうモノがいっぱい「知の蓄積」ね。
ツイッターとか、だから僕大好きなんですよね。興奮して一生懸命やってる。

佐々木:
そうですね。

孫:
ね。あれ義務感でやったら大変よ。本当。

佐々木:
人を「佐々木小次郎」呼ばりするのはやめて欲しかったですけどね。

孫:
あははははは。
でもあれ、義務感で僕らやってたら、ね、そりゃ辛いですよ

佐々木:
そうですよね。

孫:
そうじゃなくて、おもしろがって、ね、討論すること自体も、僕はおもしろがって、楽しみにして今日来ている訳です。

佐々木:
楽しさは伝わってきます。

孫:
でしょ。僕は興奮してこうやってね、高い志を、違う角度から語り合えるということ自体が素晴らしいと思って、楽しみに今日は来ているわけですよね。
なんか殴り合いしたいとか、そういうことじゃない。

佐々木:
そうですよね。

孫:
要は同じく、熱く国を思う、人々のことを思うということの「志」であれば、方法論についての議論については大いに結構じゃないか。

佐々木:
そうですね。

孫:
ということで僕はニオイを感じたんで、是非佐々木さんとトコトンやりたい。
僕はねNHK見てたのよ。

佐々木:
あーそうなんですか

孫:
NHKでやってたじゃない。

佐々木:
「激震マスメディア」ですね。

孫:
そうそうそう。
あの時ね僕、ツイートしたんですよ。

佐々木:
そうなんですか、ありがとうございました。

孫:
「NHKのコンテンツを開放せよ」って。

(会場笑い)

孫:
ね、あの時、僕ね佐々木さんの語っている内容とかね、その口ぶりを見て、なかなかの、なかなかの人物だと。

佐々木:
そうですか。

孫:
ね、いうことで、是非ね1回腹割って話したいと

佐々木:
ありがとうございました

孫:
ということで、しかも共通の議論テーマがあったから、こういう巡り合いがあって、僕はホントにね、今日うれしくて、今日楽しみにしてて。

佐々木:
こちらこそありがとうございました。

孫:
巌流島とかとかやりましたけど。

佐々木:
いつのまにか、龍馬が武蔵に変わっているのがどうか?みたいなことツイートされていましたけど。

孫:
僕はね、自分が龍馬なんて、そんな大それたこと思ってませんよ。ただ、龍馬に憧れるという気持ちは許して欲しい。
誰かを好きだとか、誰かを憧れるというのはね、まああの、是非その辺の自由は頂きたいなと思うんですけど。
でも、やっぱりね、ああいう素晴らしい人が素晴らしいことをしたということを素直に讃えて、100年後も200年後も語り合えるということが、これまた僕は素晴らしいことだと思うんですよね。

それが歴史の素晴らしさであり、人間の知恵とか志の輪だと思うんですよね。

僕はホントにね、そりゃ自分が生きていくためだけなら、もうその残りの人生の年月のね、分くらいの収入はそれなりにもうある程度ありますよ。
ですから、例えばさっきの そらのさんのUstの筆頭株主でどうなんだ?
別にUstだけじゃなくて、ニコ動だって今日だって僕はウェルカムだし、同じようにそういうデジタル情報革命をやるひとを、僕は時々NTTさんのことをむちゃくちゃ言ったりするけど、実はNTTさんも同志だと思ってる。

佐々木:
広い意味ではそうですよね。

孫:
広い意味で。
結局彼らも、デジタル情報革命の一員には間違いない。

佐々木:
そうですよね。

孫:
違う角度から、自分たちの角度からやってるというだけで。
だから僕は今回だってね、別にNTTさんのアクセス会社、NTTの株主が持ってるアクセス会社が2500億の赤字から3000億の黒字になったって別にいい。
そこの足を引っ張ろうというつもりはないんです。
ですから、みんなが切磋琢磨して、みんながそういう形でね、日本が良くなっていくと元気を取り戻すということがあったらそれでいいんじゃないか。

佐々木:
そうですね。それでオープンな議論がそれで展開されればもう越したことはないと思います。
どうもありがとうございました。

孫:
はい。何かある方。

質問者4(亀松):
はい、すみません。ニコニコ動画の運営スタッフとして今日中継させていただきました亀松と申します。
今日はニコ動で中継させて頂きましてありがとうございます。

孫:
はげーとか出ていなかった?

質問者4(亀松):
いえいえ。

(会場笑い)

孫:
それ僕気にしてたんだ。

質問者4(亀松):
非常に好評でですねかなり議論に熱中していたようでした。そのユーザからですね質問して欲しいという事がありますので、代わりに。

孫:
どうぞ。

質問者4(亀松):
今日の議論というのは電子カルテや電子教科書などが出てきましたけども、やっぱりiPadと言う物にですねに繋がっていく部分があるのかなと思っております。
そこでiPadと言うことですとユーザの間で関心があることと言えば、所謂SIMロックがかかっている状態であると言うことがアメリカと違うんじゃないかと議論になっていますけども、○○○を取ったという話がありましたけども国民のですね、利便性の向上観点からしてSIMロックを解除すべきではないかという主張が大きいと思うのですがそのことに関していかがお考えでしょうか?

孫:
それはいい質問だと思います。
多くの人が疑問に思っていて、僕のツイッター上にも同じような質問が多く出てきていて、僕はまだそのことについて正式に答えていない。
天下国家を語りながらSIMロックしていると言うことはけしからん、偽善者だ、もう龍馬を語るな、龍馬を語る資格なし、というツイートも沢山来ているのは僕も認識しています。
僕に言わせれば龍馬は大変尊敬していますけども、じゃあ龍馬が幕府と戦っている途中で龍馬が仕入れた外国兵器を幕府に渡しましたか。
僕はまだ革命の途上だと思っているんです。僕が今戦っている相手は長い年月既得権益を持って、まさに僕からみれば幕府なんです。
いろんな人によって見方は違いますよ。さっき僕は革命の同志だと言いました。革命の同志であり、なおかつ僕からみればインターネット先進国の中で世界一高い、世界一遅い、99%彼らがインターネットのインフラを持っていた時代があるんです。僕がADSLを始める前までは。
だからISDN高かったでしょ? 遅かったでしょ? 僕からみればまだ戦いの途上なんです。

戦いの途上で、戦っている相手に、戦いのための武器をそのまま流すということを龍馬もしたか。戦っている途中で薩長連合くんで幕府と戦う時に、龍馬が仕入れたイギリスやアメリカから仕入れた鉄砲や武器弾薬を幕府の側に渡したか。
ですからまだ戦いの途上だと言うことを認識していただきたいなと言うのが一つの気持ちですね。
さっきはもう一つ僕が天下りを100年拒否していると言うことを申し上げました。

我々からするとiPhone繋がらないぞ、もうひとつソフトバンクの孫が10年後100年後の天下国家を語るのはいいけど、それよりもまず今日のiPhone繋がるようにせい。電波がここで繋がらないあそこで繋がらないけしからん。そんな先の話より今日現在の仕事をこなしてから言え、という声があるのも認識しています。
我々が今作っている基地局の数は6万局を超えていて、auさんの倍です。ドコモさんが7万局ぐらい。ドコモさんとauさんは800MHzという一番電波が到達しやすいものを持っている。4倍届くんです。電波のカバーエリアが。1個鉄塔の基地局を建てるとカバーエリアが4倍広いんです。だから壁の中も浸透できるんです。
我々が許認可を得ているのは800MHzという一番重要な周波数帯はビタ一文貰えていないんです。もちろん我々がボーダフォンジャパンを買収した段階から持っていなかったわけですから、過去を非難しているんではないんです。まだ我々は少なくても公平な競争環境下に置かれていない、という認識なんです。
ですから持っていない武器が電波という武器、持っている武器が新しい端末という武器がある。
ですからどうしても我々がハンディキャップを背負っている部分は別の武器で戦わないとならない。

つまり幕府は300年の既得権益で日本中の諸藩を押さえている強みがある。それに対して薩摩や長州や龍馬はまだ劣勢に元々あったんですね。
ですから新しい文明の利器で、あるいは情報でそれに対抗する。
違う切り口から戦う。

我々にとってはAppleは、iPhoneは、iPadは、デジタル情報革命の同志として彼らが我々をそれなりに認識してくれて、我々はありがたい同志から得た、その武器を精一杯活用しながら我々がハンディキャップを背負っているところに対して、我々の角度からせめて互角の戦いをしたいという思いがある。
今はまだ戦いの途上であるということを是非認識して頂きたいと。

質問者4(亀松):
反論するような形になるのですがそういう側面も理解できるのですけども、先ほどの佐々木氏のiPadの革命性ということを考えるとですね。
よりプラットフォーム、コンテンツを普及させるためにはですね、やはりSIMロックを解除して、キャリアが競い合った方がより速く普及するのではないかと考えられるのではないでしょうか。

孫:
それも一説ですよね。
でもiPad、iPhoneをですね、我々ほど情熱を持って一生懸命Appleの同志として普及に努めてきた会社は、世界中のAppleのパートナーの中で、我々以上の情熱を持ってやった会社はないんじゃないかと僕は思ってるんですよね。
Apple側もなんとなしにそういう感じがする。だから世界中で全部SIMロックをかけてないiPadに対して、日本だけAppleがしたくなければしない訳ですよ当然。
法律でああせいこうせいと言われているわけではない。Appleの最終的な判断として、我々をパートナーとして認めてくれたと。
我々からすればありがたいです。せっかくありがたいパートナーとして認めてくれた我々の側からみた戦いの武器。

我々は800MHzという電波をもらってないというハンディキャップついてぼやいている訳じゃないんですよ。それはあと1、2年で許認可をもらえると僕は信じている。
過去のことを非難してるんじゃないんです。
過去は周波数がなかったんだからしょうがない。これから周波数の再編成があって、せめてイコールフッティングになると僕は信じているから是非そうして欲しいし、その周波数を使った基地局が十分浸透してその周波数を使える端末が十分に浸透してきた、なおかつAppleもそろそろSIMロックを解いてソフトバンク以外もやった方がいいと思うかもしれない。思わないかもしれない。

これは民間企業対企業のビジネス条件でもあるんですよ。それはその時になって考えてみると言うこともあるかもしれない。
少なくとも今現在は我々はこれが一つの我々側からみた戦いの重要な武器だと。しかも幸いにしてAppleの側も一民間企業として一民間企業の一デジタル情報革命を志す同志として僕はちょっとだけ受け止めてもらえたんじゃないかと。Appleの側からですね。そうじゃなきゃそういう位置づけに彼らもしないんじゃないかと。
ちなみに我々は独占権を持っているわけではないですから、契約書のどこにも独占権については書いていないです。
我々は精一杯、情熱を持ってiPhoneをこれからiPadを売っていきたいと思っているわけです。

質問者4(亀松):
佐々木さんにもぜひお聞きしたいのですが、今の話を聞いてSIMロックに関してなんですけれども佐々木さんご自身はどのように思われますか?

佐々木:
プラットフォームをどう取っていくかという競争は「電子書籍の衝撃」の中で書いたんですけどもAmazonとgoogleとAppleのすごい出版社を巻き込んだ、ものすごいビジネス的な、権謀術数あい渦巻く大変な戦いなんですよ。そういう意味で言うと、そこでそのいかに市場を切り開いていくかというかってところでは、単純にSIMフリーにした方がいい、というのは、もちろんそれは、そうはいえばそうなんだけど、一方でそこで市場をどう拡大するかって、ビジネス的な戦略でいうと必ずしもそれが良い結果を招かないこともあるし、逆に言うと、ソフトバンクをそれをやることによって、ビジネスの利益が減り、弱体化することによって、結果的には別のことも起きてくるだろうと。
だから市場っていうのはそう簡単にフリーにすればすべてが済むという問題でもないし、もちろん、理想論いえば、そうなんだろうけど、途中段階を見たら、さまざまな戦略戦術が出てくるのはこれは当然しようがないかな、と僕は感じています。

孫:
ひとつの事実を申し上げると、2Gの世界では、SIMロックが掛かっていない端末が大半です。世界的にみてもね。
だけど、アメリカでもヨーロッパでも、3Gの端末は実はSIMロックが掛かっている端末の販売台数が8割くらいです。
だから欧米はSIMロックが掛かっていない、とすぐにいう人がいるけど、それは2Gの世界でしょう。ボイスしか音声しかコンテンツしかほとんどない、あとはショートメールくらい、という時には端末と情報コンテンツと、通信企業の差別化というのはあまりなかったから、SIMロックはほとんど掛かっていない。
だけど、3Gの世界は、高度の情報をやり取りするというのは端末が高くなるわけです。端末が高くなると売れないんです。
だから、特定の端末のメーカーと、特定の通信事業者が、がっちり組んで、端末の仕入れコストが何万円もする。普通3Gの端末は4~7万円くらいするんです。4~7万円するものを、4~7万円で販売店に並べるとなかなか売れないんです。メーカーも売れないと困るんです。
だから、3Gを提供する携帯事業者は、自分のお客さんを増やしたいから、仕入れ値が4~7万円するものを、タダで出したり、2万円で出したりするわけです。その代わり、それで自分たちが仕入れ値よりも安い値段で売るんだけど、端末だけだったら赤字だけど、それによって、自分の顧客を増やすというメリットがあるので、腹をくくって、販売台数を増やしていく。ユーザーは仕入れ値より安い価格で手に入るならば、それはそれでいいじゃないか、という場合もある。
だから、それは一概に、欧米はSIMロックが全部掛かっていないというのは間違った解釈で、実は3G端末の8割くらいはSIMロックが掛かったものが実売として売れていると。というのもひとつの事実です。

佐々木:
まあでも、将来的にはプラットフォームがオープン化していくのはいいことなので、希望的観測としてはSIMフリーに向けて努力して行くと一言いって欲しいですね。

孫:
まあ、将来的には、それは少なくとも我々の周波数のハンディキャップがなくなって、

佐々木:
なくなったらSIMフリーにする可能性がある。

孫:
可能性は十分にある。是々非々ですよ。SIMフリーの端末も何種類も出していきますよ。我々は。全部の機種のSIMフリーにするとは限らない。

佐々木:
800MHzが取れたら、iPadをSIMフリーに。

孫:
いや、それは確約できない。それはまだ、倒幕できているかどうか分からないから。
ようするに、我々がドコモよりも大きくなって、少なくとも800MHzがイコールフッティングになって、我々がそろそろ横綱相撲しなきゃいけないとなったら、やっぱりもう少しゆとりを持った形にしなくてはならない。
今は挑戦者の側で、あらゆるハンディキャップを乗り越えていかなきゃならない段階で、もし私が、ここで、じゃあせっかく長年築いた、提携パートナーとの関係を、自分でさっさと。向こうは我々と、ロック掛けて組んでもいいよ、という気持ちになったからこうなっている。自分からそれを放棄する、ということを本当にやっていいのかどうかと。
企業経営者という側面もやっぱりあるんですよ。バランスもあるとおもうんですよね。タイミングとか。その内容とか。状況とか、トータルで考えなくてはならない、ということがあると思うんですよね。

質問者4(亀松):
ありがとうございます。

孫:
ちなみに、iPhoneだけ、iPadだけじゃなくて、Androidフォンとか、Androidのパッドとか、そういうものも続々と出てきますからね。さらに、もうちょっと現実的なことをいえば、ドコモさんが出している、エクスペリアもSIMロック掛かっていますからね。

質問者4(亀松):
ありがとうございます。

孫:
どうぞ。

質問者5:
佐々木さんにもお伺いしたいことなんですけども、先日、原口総務大臣の会見が、ニコニコ生放送で実況中継されたときに、話題になったことがありまして、それは、無線の周波数を整理して、割り当て直すという趣旨の発言をなさったことがあったと思うんですね。その日に、原口大臣が、一番最初に考えていたことが光の道に関する、周波数について話されていたかもしれないが、僕はそのとき、初めて原口総務大臣を見たときに、周波数の割り当てなおすということが大事だと思っていたので、なぜ光の道なのか、ということにちょっと憤ったんですね。で、そのときに、佐々木さんが言われたことと共通するとはおもうんですが、国の責任者というか、実質のトップが、どういうメッセージを出すか、ということはすごく注目されていることで、その中で孫さんが、まず光の道を推し進めて行くといって、孫さんがいくら両輪だといっても、もう片方の方がなかなか進まない可能性が出てくる。みんなが光の道ばかりみて、両輪のもう片方のほうを見ない。そこを横断するような仕組み、ちゃんと声を受け入れるような仕組みが、原口総務大臣のトップダウンじゃなくて、政治主導だけではなくて、我々が有権者がうまくフィードバックできるような仕組みが欲しいと思っているんですね。

なんでかっていうと、医療クラウドも非常に便利だと思うんですが、それはそれで、とても素敵なことで大事なことなんですが、やっぱり僕らは無線を使って、いつでもネットに繋がって、本がダウンロードできて読めるであるとか・・・。いつでもネットに繋がって、好きな本が安く読める、そういうような環境もまた欲しいと思うわけですね。無線が浸透して、もっと早いので繋がって、もっと便利なコンテンツが携帯デバイスで楽しめる、そちらのほうもやっぱり大事だと思うんです。両方の車輪をうまく進めていくために、我々が選んだ政治家だけに頼るんじゃなくて、その声を直接届けに行くような活動が、いまツイッターというものがありますけど、それだけで十分なものではないので、そういったなかでソーシャルな枠組みの中に、僕たちがどうあるべきで、これから政治家のみなさんに、政治家の皆さんという言い方も変なんですけど、どうやったら我々の声が届いていくのか、そういう仕組みについて、これからどうなっていくべきかという話を佐々木さんにお伺いしたいと思います。

佐々木:
基本的にそれはさっき話したのと同じで、政策決定プロセスって実は重要だよね、と。ひとつは専門性のある作業チームってやっぱり必要なわけですよね。さっき仰ってた、光の道が本当に国費ゼロでできるかどうかっていうのは、これは別に一般国民、私も含めて、あなたや私が議論したって、これはもう誰にも理解できない専門性の高い話である。
でも一方で、なにをプライオリティを持つのかって、光、FTTHなのか、それとも無線なのか、あるいはなんなんだっていうね。そこの部分は、当然市民、有権者が参加して議論しなくちゃいけない。現状では、作業チームみたいな、専門家の有識者が政策に参加するスキームっていうのはできてきているんだけど、一方で、ツイッターとかブログとかで、みんながガンガンいっていることが、それがイコール政策に繋がる仕組みっていうのは、まだできてないわけですよ。
ただ、以前と比べれば少なくともツイッターをつかって原口さんとやりとりができる。あるいは、やりとりしてなくても原口さんが読んでいるかもしれないという期待感が、そこに生まれてきているのは事実。
これを新聞なんかは、そんなこといってたら、政治家にこう、有権者が惑わされるみたいなことをいって批判しているわけですが、それはある意味ダイレクトの接続場所ができているわけですよね。
だから、僕がいま期待しているのは、ツイッターだけではなくて、たとえばライブドアとかがブロゴスみたいなことをやってたりとか、あるいはアメリカなんかではハフィントンポストみたいな政治のサイトが出てきたりとか、そういった形の中で、一般有権者がソーシャルメディアの中で語ったことと、それが政治家の間にうまくこの世論形成プロセス、つながる仕組み、ミッシングリンクを埋める場所というのがあるはずなんですよね。
それがおそらく日本でも今後出てくるだろうし、出てこなきゃいけないだろう。
そのときに我々ががどうやってそこに参加するのか、あるいは政治家がどういうふうに参加してくるのか。あるいはそこに孫さんのような事業家が参加するのか。
そこの全体像、グランドデザインみたいなものをこれからみんなで考えていかないといけないな、と思います。

孫:
僕が思うには、少なくともツイッターで十分かというと、そうでないかもしれないけども、今までよりははるかによくなったという佐々木さんの話とまったく同感で、今までは一方向のメディアしかなかった。あるいは街の集会しかなかったから。効率が悪くて市民の声が届かない、なかなか。
それが、これだけいいものが、使えるプラットフォームが出てきたわけで、それを今回のネット選挙で、まだ解禁しないこということ自体がやっぱり問題だと。
ネット選挙でそれを解禁すれば、それは今まで活用してない政治家だって、活用したくなると思うんですよね。
そういうことで、一歩一歩、せめてブログだとか、ホームページとかは今回解禁されそうだ。それも一歩の進歩だから。
でもその一歩の進歩に満足するんじゃなくて、さらに我々がツイッターか何かで声をあげて、こういうものがネット選挙に解禁になっていく、ということをかたまって言っておくことが重要だ。

先ほどから議論しているような光の道だとかあるいは無線の再配布ということでも、下手をするともともとの総務省の原案では無線の今度の周波数の配置というのは、池田信夫さんも言ってるけど、世界の中で日本だけがつながらないものになりそうだったんですよね。
少なくとも原口大臣がそれに気づいて、やっぱりこれまずいかもしれない。iPadとかiPhoneとかそういうあるいはAndroidマシンとか、こういう世界の優れた新製品があってLTEになっていく、あるいは3Gで、これが日本に持ってきたときに、途端につながらない。

これではまた日本がガラパゴス、周波数の配置のためにガラパゴスになっちゃう。
これはまさに、総務省とかが決めていくものですからね、ですからそういうことが過去であればまさに密室と、限られた有識者と言われてる人だけで決めてたけども、これに国民が関心を持って、国民に議論のプロセスがオープン化されることによって、犯さなくてもいい間違いを犯さないようにする。これは大変なことだと思いますね。

質問者5:
ありがとうございました。

佐々木:
じゃあ、これで終わりですね。
はい、長い時間。

孫:
じゃああの、もう一回しつこいようですけど、今日の結論として、私は、前提条件として国費を1円も使わないで「光の道」を実現させる具体的方法論を、さらにこれから噛み砕いて、たたき台として土俵に上げていく義務がある。

そのたたき台として土俵にあげたものは、有識者だとか国民だとかあるいは総務省だとか、政治家の先生方とかが、それに蓋を閉めて葬り去るのではなくて、堂々とたたき台に対して議論を束ねていく。

佐々木:
これからオープンを議論をしていく。

孫:
オープンな議論をしていく。
ということに、佐々木さんも同意いただいた。

佐々木:
はい、同意しました。

孫:
ありがとうございました。

佐々木:
ありがとうございました。

(孫さんと佐々木さん、立ち上がって握手)

(会場拍手)

Special Thanks(書き起こし担当)
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supanax
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DOP
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glassball

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