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孫正義「情報立国による新たな成長」書き起こし

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ソフトバンク社長・孫正義さんと楽天・三木谷さんがUstreamに登場。非常に感動的なスピーチを行い、会場は大いに沸きました。より大勢の方にこの内容を見て欲しいと願いますので、「動画だと時間がかかって見られない」「会社にいるから音を出して動画は見られない」という方のために、文章による書き起こしを行いました。

聞き間違い、わからなかったところ等ありますがご容赦ください。
(ご指摘歓迎)

<目次>
三木谷浩史「eビジネスによる日本の成長」書き起こし
孫正義&三木谷浩史対談「国民の、ITによる、日本復活」書き起こし

耳の不自由な方に、動画に字幕を入れたらどうか、というご提案をいただきました。動画に字幕を入れてくださる方、こちらにある文章をご自由にお使いください。(孫正義さんへも確認しています

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国民の、ITによる、日本復活

情報立国による新たな成長
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ソフトバンクの孫でございます。本日は大変お忙しい中、本当に多くの皆様にお集まりいただきまして、本当に心から御礼を申し上げます。また、今日はこの会場におられる皆様だけでなくて、インターネットを通じて、Ustreamで多くの方々が、いま同時に見ていられます。また、ツイッターで多くの人ががんがんツイートしておりまして、同時に、一緒に参加している。まあ、ツイッターでは参加、といいますか、まさに(会場の)みなさんは黙ってきいておられますが、ツイッターで同時に、意見を、あるいは質問をがんがん投げながらゆっておられる、そういった意味では、まさに双方向のコミュニケーションの時代が来たな、と思うんですけども、さっそく話をさせていただきたいと思います。三木谷さんには昔からいろんな意味でお世話になっております、本当に今日もありがとうございます。

それではさっそく、内容に入りたいと思います。

情報立国による新たな成長、ということであります。

私は、日本の現在のインフラですね、インターネットは光ファイバー、あるいはメタル線を使ったADSLで、ほとんど日本国民がいま使っております。私が提案したいのは、まさに今年1月に鳩山総理が「コンクリートから人へ」ということで、日本のインフラを「光の道」ということで、光ファイバーに置き換えましょうということを提案されました。また、同じく総務大臣の原口さんが「光の道」ということでビジョンを掲げられました。まったく私も同感でありまして、「光の道」、日本のインターネットのインフラを、いまはメタルと光のミックスでございます。このミックスの状態を、完全にメタルを外して、引き剥がして、光に100%置き換える、これをしなければいけない、ということを今日提唱したくて、この場にやってまいりました。

光100%。

「なぜ光100%でなくてはいけないのか」そのことを今日お話させていただきたいと思います。

私は21世紀の人権として、これまで基本的人権、いろいろありますけども、たとえば自由権、社会権、参政権、そして情報アクセス権。これまでは、この情報アクセス権というのは、基本的人権の中に入っていなかったわけですけども、新たに21世紀の基本的人権として、情報アクセス権というものを入れるべきじゃないかな、と思うわけです。

そうしたときに、光100%、「光の道」というのが鍵になるということであります。

100%というと突拍子もない話に聞こえるかもしれませんが、実はシンガポール、韓国、もうすでに100%、この1~2年でやると方針として発表しております。また、それ以外のオーストラリア、スエーデン、アメリカも100Mの光ファイバーを一気に国中に張り巡らすと、いっております。日本は現在、カバー率では90%ですが、実際の使用率は30%しか入っていない。これを100%にしようということであります。

このようなインフラを考えるというときというのは、ちょうど昔、いまでいう総務大臣に相当する後藤新平さんが、東京中の大きな道路、環状線、環七、あるいは靖国通りだとかを一気に引きました。108mの道路を作ろう。当時はまだ馬車が走っている、あるいは車はほんの一部走っているというときに「108m」もの道路を作ろうとして、とんでもない大風呂敷だったわけで、新聞でもむちゃくちゃに叩かれて、大きな人々からとんでもない大風呂敷の男がやってきた、と非難を浴びたわけですが、もし後藤新平さんがあのような大きな風呂敷を広げて、この国のインフラをやり直そう、という提唱しなかったならば、東京の道はもっと混雑してた、ということであります。

そういう意味で、インフラというものは、いま現在どうか、3年後どうか、5年後どうか、そういう短いスパンでものを考えるじゃなくて、やっぱり10年、30年、50年、人々の社会がどうあるべきか、人々のライフスタイルがこれからどう変わるのか、という先を見越してインフラというものは考えなくてはならないと。大きな志、高い志、大きな器で、ものを考えて提唱しなければいけない。まさに政治家の先生がた、政治家の先生方もたくさん来ておりますが、あるいは識者の大学の教授のみなさん、官僚のみなさん、この方がはぜひとも、いま現在どうか、という小さな目先の次元ではなくて、100万の人々、1000万の人々、1億の人々のためにどうあるべきか、ということでインフラを考えていただきたいと思います。

そこで、20世紀のインフラをもう一度思い起こしてみたいと思いますが、20世紀の時代に「車の道」、これが日本中にできました。何兆円、何十兆円の国家の予算を使って作りました。「水の道」「電気の道」「通話(電話)の道」。こういうのはほとんど、20世紀にほぼすべての世帯に張り巡らされております。もしこれらのインフラがなかったならば、我々はいまどういう生活をしていたかと、いうことですね。離島に住んでいても、過疎地に住んでいても、電気がある世界、電気のある家庭生活を過ごせる。水道がある、ガスがある、こういうようなことは、社会生活に欠かせないものですね。20世紀にはそれをいち早く引いた国が他の国と競争力を持った、ということであります。

過去の歴史をただ振り返るだけではダメですね。でも、過去の歴史を見れば、我々がいま何を何をなすべきか、21世紀の人々のために、1億の人々のために、10億の人々のために、何をなすべきか、ということではないかと思うんですね。そう意味で、いま我々が引かなくてはいけないインフラというのは、21世紀の人々のために「光の道」「情報の道」ということであります。

この3つの部に分けて、今日は話を申し上げます。光のある生活、日本の国際競争力、日本の新たな成長、ということであります。最近政権が変わって、民主党のみなさんになられて、いろんないいことをおっしゃってますけど、金のかかることばっかりだな、仕分けをしなければならない、コストダウンをしなければならない、これもなかなか難しいな、それはそれはやらなくてはいけないけど、日本の成長戦略はどうなったんだ、日本の成長というものが国民がみんなで自信を持てる、明るさを持てる、こういうことにならないと、なんとなくどんより曇った、どうせ明日は暗い、明日はどうせ暗いとおもうから、1500兆円も個人資産があるのに使わない、使わないからますます不景気、ますますみんなが元気をなくしている、そういう世の中じゃないかなと思うんですね。

そう意味で、成長戦略、これを国民のコンセンサスとして、政治家も、官僚も、識者も、そして国民のひとりひとりすべての人々が共通のコンセンサスを持たないと、明るい未来はやってこない、元気の出る社会はやってこない、ということであります。

じゃあ、光が通ったら何が起きるのか。「そんなものはワシはいらん」「ワシの家にはそんなものはいらない」という人がまだいっぱいいると思います。それを引いたからといって何が起きるのか、なんのいいことがあるのか、ということですね。

私は今日ここに来て、ソフトバンクのブロードバンドを買ってください、そんなことを言いに来たわけではありません。そういう小さな次元で、わざわざ皆さんに集まっていただきたい、というふうに思ったわけではありません。

光のある生活。
日本の成長のために、なぜ、光が必要なのか。
ということを皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

この光の道という構想は、原口さん、あるいは鳩山さんからだされて、多くの国民がツイッター上でさまざまな意見をつぶやいています。

すでに5000を超える関心、意見が寄せられている。

いまちょうどこの右側の画面に、ツイッターのツイートが出ておりますけども、ぞくぞくとこれが集まっているという状況です。

すでに5000の声が寄せられたということです。

じゃあ、光のある前の生活、どうだったんだ。

まず電気の前の時代。
電気のなかった時代はどうだったのかというと、20世紀のはじめ、ローソクで生活をしていました。

電気がうまれてきて、電気が家庭に提供されはじめた。
実際人々の生活はどう変わったのか?

家族が団欒をする。
母親が子供にいろんなもの教えられる。
冷蔵庫がはいる、テレビがはいる、洗濯機がはいる。
三種の神器とか言われましたね。
こういうものがほしい。
これがあると、未来生活の仲間入りできた。
隣にはいったからうちもいれなきゃ!
ということで、20世紀の日本の高度成長期がやってきたわけですね。

その家電製品、電気というものが家庭に出始めて、20世紀の後半、そして21世紀になって、家庭の生活はもっと高度なものになり、もっと明るいものになります。もっと便利になります。
すぐれた都市生活をすごせるようになってまいります。

さらにそれが広がって、電気のある社会がやってきた。電気がある街がやってきた。いうことであります。

では、その電気というものは何であったかといいますと、照明として家庭の中の団欒を提供した。先ほどもちょっと言いました。

そして母親が子供に本を読んで聞かせるというようなことも、電気のある、照明のある明るい家庭であれば、そういうことができるようになったわけであります。

そして光が何をもたらしたか。
家族がいまや離れたところ、東京とか、大阪とか、そういう都心に若者がやってきて、地元の田舎に、実家のほうに自分の両親、子供たちからみればおじいちゃんおばあちゃんが住んでる。

家族が離れて核家族化がより進んだわけですね。20世紀の後半になって。

もしこれが、光ファイバー、つまり光がつながるとどうなるか。
田舎にいるおじいちゃんおばあちゃんと、離れたところにいる自分たちのいる核家族の新しいニューファミリーが、団欒をともにすることができる。

離れたところにいても、まるで側にいるかのように、一緒に団欒をすごすことができる。

離れたところにいても、家族として、心を触れ合わすことができる。

また、学校の教育はどうなるか。
過疎地にいる、小さな村の小学生でも、中学生でも、世界中の人々が先生であり、世界中の情報が教科書である。
そういう時代がやってくるわけですね。

だから私は基本的人権だと申し上げているわけです。

都心にいる人だけ、光ファイバーを買える人だけが、こういう高度な教育を受けられる、情報を得られるということで本当にいいのか?

電気がすべての人々に提供されたように、どんな離島に住んでいようと、山の中に住んでいようと、電気が、水道が、届けられている。

日本国民であるかぎりにおいては、使える、そういう状況を「光」として、21世紀のインフラとして基本的人権として、提供すべきではないかということであります。

世界中が学校、世界中の人々が先生だと。すべての子供たちに高度な教育の機会均等を提供しよう、ということであります。みんなで「光」をつなぎましょう、ということです。

光のある家庭にも、もちろん問題は残っています。ITというものをどうやって学ぶんだ、どうやって使うんだ、ということや、電子教科書、どうやって作るんだ、ということや、教育システムもどうあるべきか、いろなことを学んでいかなくてはならない、議論していかなくてはいけない。

もうひとつ電気が家庭に来ることによって、人々の生活がどのように変わったのか、ということです。女性にとって洗濯をすることは重労働でしたね。20世紀になるまでは、井戸に重たい水を汲みにいって、寒い冬の日でも凍えながら水を汲んで、そしてゴシゴシと素手で赤切れながらまな板で洗濯をすると、そういう重労働をしてたわけですよね。しかし、洗濯機が登場することによって、また、その洗濯機が電気につながっている、水道につながっていることによって、女性が解放されたわけですね。

洗濯機と労働力ということで、去年、カトリック教会の新聞き記事出ておりました。

なんとでていたかというと、「洗濯機は女性を過酷な家事労働から解放し女性解放の歴史における重要な役割を果たした。」ということであります。つまり電気は単に便利なものだというものだけでなく、女性を過酷な労働から解放したということであります。もはやこれは、単なる道具ではない。人間が人間として人間らしく生きていく、もっと子供との時間を過ごす、家族との時間を過ごす。どうでもいいような、なんというか生産性が低い重労働から人間を解放するということであります。

電気、洗濯機、女性解放。
次にやってくる21世紀の女性解放とはどういうものか、ということであります。女性であっても、なにも筋肉仕事をする必要はない、頭を使って、知恵と知識をつかって、女性の働き方を解放させる、ということができるのではないかということであります。

クラウドでつなぐ、つまり今までは、家で例えば、子育てをしながら母親が仕事をしたいというときに、いまインターネットにつながっていますから、ある程度のことはできます。三木谷さんのところのネットショッピングも子育てしながら家から買うことはできます。しかし、やっぱり仕事を本格的にしようと思うと、会社にいってオフィスに行って、そこでやるほうが、いろんな便利な道具が揃っている、ということでありまして、家の中でやる仕事というのはどうしても生産性が低い、ということであります。情報も少ない。

しかし、これが「光」でつなぐことによって高精細な動画が一瞬で動く、世界中の情報が一瞬で手に入る。家庭にいながらにして、子育てをしながらでも手に入る、ということによって、21世紀の女性解放がこのインフラによってなされる、ということであります。この「光」論というのは、なにかNTTさんが有利だから、ちょっとこっちにちょうだい、とか、そういう次元の低い志の問題ではありません。”思想”の問題であります。21世紀の女性の解放というのは、こういう形で家庭に提供できるのではないかと。

クラウドで世界中の情報を、そして、家庭にいながらにして、さまざまな仕事ができるように。これは女性だけではありません。男性でもそうですね。片道1時間半かけて、満員電車に乗って、往復3時間かけて、起きている時間の貴重な時間の中の3時間かけて、夏の暑い時も汗だくになって、ときには触ったとか触っていないとか電車の中で誤解されながら。まあ満員電車も楽しいかもしれないけど。往復3時間かけるということから、場合によっては解放できるかもしれない。

日本では、家庭にいながらにして仕事をしている人が、たしか数字で3%とか4%とか、そのぐらいだったと思います。

アメリカでは実は、既に25%になっていると思います。25%です。

日本はまだまだ、まだまだ、非効率的な仕事の仕方、非効率的な時間の使い方をしてるんじゃないか。

もしかしたら、全員とは言いません、全員が家で仕事をしろとはけして言いません。
でももしかしたら、現在のアメリカ並の、アメリカはもっと進むと思うんですけど、現在のアメリカ並の、25%ぐらいは家にいながらにして、アーティスト、デザイナー、設計者、いろんなことができるんではないか。

また、定年というのが日本にあるんですが、アメリカでは定年というのは法律の違反なんです。憲法違反。法律違反。年齢による差別。

性による差別は当然違反です。この性による差別は日本でもだいぶ言われてきております。
しかし年齢による差別は、いまだに正式な議論がなされてない。アメリカだと法律違反ですよ。
先生方にこれいっぺん議論していただきたい。

ただでさえ日本は人口が減っていくんです、これから。
労働人口は中国・インドにかなうわけがないようになるんですよ。
競争力をなくしてるわけです。

その競争力が足りない、労働人口が足りないという中で、なぜ、60歳とか65歳とかで、定年なんていう社会の民民規制のようなルールを作っているのか?
そういうルールをなぜ法律で許してるんだ?
アメリカでは禁止なんです。厳しく禁止されてるんです。

そもそも履歴書の中に年齢を書く欄がない。
年齢を聞いてはいけないんです。

性による差別、年齢による差別はいけない、ということはまさに法律で規定されているわけですね。基本的人権です。

これから日本は、高齢化社会になるわけですよ。高齢化社会になるときに、こんなルールをいつまでも温存していいのか。

これが、家にいながらにして仕事が会社と同じくらいできる。少し年老いても頭は立派に働いているという人、たくさんいると思うんですよ。

その人たちが家にいながらにして会社同等のインフラで仕事ができる。
これがあると、仕事のワークスタイルが変わる。

どんな時でも、どんな場所でも、働ける限り、働ける。働きたい人が、働ける。
そういう環境を提供するということが、”思想”の問題だと、私は申し上げたいわけです。

形式論じゃありません。
誰が儲かったとかそんな次元のことではない。

すべての人に働く機会を。
働くことの機会均等を提供しよう。

光のあるワークスタイルにももちろん課題があります。
労働法。法律の見直すべき点があるんじゃないかと。年齢とか定年とかいろいろありますね。

マネージメントの手法。
情報のセキュリティの問題。

当然こういうことは議論していかなきゃいけない。
問題が1つ2つあるとですね、すぐにそれをあげつらって、「だからできない」と言いたがる人がいます。

頭のよさそうな人ほどそういうことを言ってですね、自分は頭いいんだと、なのでできっこないと、すぐ言いたがる人がいます。

どちらかというとそういう部族(?)の人は、なんとか役所というとこに多いです。一般的にですよ。

ですから政治主導で世の中を変える、ということであれば、政治家の先生方が腹をくくってほしい。
世の人々のために腹をくくるべきだ。

既成のルールに縛られていはいけない。

なぜ人間が人間の頭を縛る必要があるんだ。

よき世を作るためならば、何のためらう必要もないはずだ。
議論をしましょう。

たとえば、離れたところ、過疎地にいる人で、高齢化社会がやってきます。
独居老人、そういうところにも、電子カルテというものがお医者さんに提供されたならば、往診に行っても、普段は電話だけしか回線つながってない、でも、光に置き換わってるというだけで、普段はおじいちゃんおばあちゃんがですね、普通の電話代だけで普通の電話を使ってる。でも、往診に来たときにお医者さんが自分の手にもってくる電子カルテが、そのおじいちゃんの家で、そこにつながってる光ファイバーで、Wi-Fiでつないで、電子カルテがさっと見れる。

クラウドにある医療情報、おじいちゃんの昔からの情報が全部手に取るように見れて、そしてやれる。

そんな社会がやってきたならば、はるかに人々の生活はよくなる。

つまり、テクノロジーの改革、革命というのは、単にお金を稼ぐためだけの道具ではない。

人々の幸福、人々のしあわせというのは、お金のためだけのものではない。

健康、社会への貢献、教育、家族の絆、友達との絆、仕事をできるというよろこび、愛し合えるというよろこび、志、未来。
そういうことを大切にしましょう。

ITというと、光ファイバーというと、何か味気ないもののように、人間が機械的になるように勘違いする人がいます。

まったく逆であります。

人が、人を愛するために。
家族が家族の絆をもっと深めるために。
研究に生きるために、学ぶために。
仕事をするために、ITがあるんだと。

これはたんなる道具です。
その道具だけをよくすることによって、社会が変わるということであります。

第二部、日本の国際競争力。

今いいましたように、光のある社会、家庭、オフィスができると、いろんないいことがあるわけですけども、今日現在まだ28%しかつながってません。

近所までは90%来ているといいますが、でもつながってないところはつながってない。

これを変えなきゃいけない。

日本は世界一安くなった、世界一速くなったと。
ちなみに我々が無鉄砲にですね、どっかの大企業にチャレンジすることが、日本のインターネットは先進国で世界一高い、世界一通信速度が遅い、ということが世界中から日本は見られてて、実際それは事実だったんです。

でもそれはチャレンジ精神で、政治家の先生方、そして民間の我々、みんなで協力してがんばってですね、先進国で世界一安い、世界一速いという国になったんです。

実は、あっという間に抜かれました。

一時日本は世界一になったんです。ブロードバンドの普及率も速度も価格も、みんな世界一になったんです。
でもあっという間に、実は、16位に転落しました。

16位なんです。

日本のGDPは今年中国に抜かれる。
ほんの一瞬気を抜いただけで、このITという世界は抜かれるんです。

もう一度抜き返そう、ということであります。

抜かれたから悲しいとあきらめるんじゃなくて、もう1回抜きなおしましょう。

IT系の大学の学部の卒業生。
インド・中国、68万人・34万人。
日本はたった6万人です。

人口が足りないだけではなくて、IT系の大学の専門の学部の卒業生がそもそも圧倒的に少ない。

教育を根底から変えなきゃだめだ。

タンポポの種も覚えるのも大切です。
小学校の教科書にいっぱい出てきますね。
大事ですよ。やめろといってるんじゃない。

でも守りのために必要だけども、攻めのためのところもやらなきゃいかん。

ITの専門の学部の、専攻してる学部の人間がこんなに少ないというのは問題じゃないかと。

若い労働力は、もう構造的に日本は少ない。
だったら少ない人間に優秀な頭脳をせめて提供しましょう。

ところがアメリカがほとんど今、コンテンツの世界でも、サービスの世界でも、先進国です。

もう圧倒的に先進国です。

さまざまなインターネットのサービスの上で、アメリカが圧倒的先進国です。

日本は一生懸命追いつこうと、三木谷さんだとか、うちのグループ会社だとかいろいろあります。

でも、ライブドアの堀江さんも討ち死にしましたよね。
なかなかいい男なんですよ彼。

しかし、ネットバブルということで、誰かを生贄にしなきゃいけない、ということで、社会が叩きまくった。
というのが僕は実態ではないかと思うんですが。

まだ弔いをするのには若すぎるかな。
ぜひ復活をしてもらいたい。

日本の若者の自信を取り戻すために、僕は彼ほどのエネルギーがあればきっといつか復活すると、信じておりますが、どちらにしろ、日本はまだ遅れていると。でも中国は後ろから追いついてきて、あっという間に追い越すかもしれない、という状況にあります。

教育問題においても、アメリカはこれだけ進んでいるにも関わらず、主要な先進的な高度な大学では、ことごとくインターネットを使って、講義を提供し、単位を提供している。我々はサイバー大学というのを作ってみましたけど、文科省からボコボコに叩かれまして。とにかく、授業に誰が出ているかを確認することがネット上だとできないだろう。全生徒のうちのほんの何人かは実は本人確認をよくできてなかったということで、「閉鎖するぞ」といって無茶苦茶にやられました。「あまり言うな」と僕はいわれているんですが。言うとまたやられるから。でも、みなさんね、日本の大学の学校で、代理して返事したとか、早稲田大学でも慶応大学でも東大でも、学生なんだけど、授業にほとんど出てなくて、雀荘にいってたということを自慢している学生がいっぱいいるじゃないですか。だから、リアルの世界でも問題はある。ネットの世界でももちろん問題はあるけども、その問題をあげつらうじゃなくて、アメリカのように積極的に使えばいいじゃないかと、いうことであります。

第三部に入ります。情報立国による新たな成長。

なぜ、光が必要なのか。
情報立国として、なにを目指すべきか。

光を100%にしましょう。メタルを引き剥がしましょう、というときに、いらないものを押し付けるのか、という人がいます。そうじゃなくて、いまメタル回線つまり電話回線ですね、これが日本中の各家庭、会社につながっています。これが、1400円で月々提供されているんです。NTTさんが直接消費者に提供する、あるいはNTTさんが競争事業者であるソフトバンクだとか、KDDIだとか、イー・アクセスだとか、いろんなところに提供してます。消費者に提供するのも、卸業務として競争相手に提供するのも、1回線月1400円です。消費者も1400円なんですね。ですから、この1400円のままで光ファイバーに置換えると、いうことができるのではあれば、高くするつもりだろう、ということではなくて、同じ価格で、単にメタル回線を光に置き換える、ということであれば、圧倒的に機能が増える、でも価格はいっしょだ。電話だけ使いたいという人はいままで通りの電話を使えるということであれば、あんまり反対する人はいないと思うんですね、少なくとも消費者には。これを提供しましょうと。

税金を1円を使わずにやりましょう。なにかインフラを作りなおすと言うと、要りもしないまた税金を使うのか、という声が必ずあります。私が言っているのは1円も税金を使わずにやってみせましょう、ということであります。

できるんです。
なぜできるのかということを、いまから話を申し上げます。

まず、これがメタルの道です。
一般の電柱ですね。みなさん、ここからか帰る時にちょっと空を見てみてください。街にはこういう電柱がいっぱい立ってます。この電柱に重た~いメタル線が、いっぱいぶら下がっています。重たいんです。風が吹くと電柱が痛むんです。ギシギシきしむんです。大変なメンテナンス・コストが掛かるわけです。もうこれ以上載せられない、といって電柱が悲鳴を上げているわけです。

それに対して、この電柱からメタル線を100%取り除きましょう。そして、(光ファイバーの電柱のスライドを指して)この写真のように光に置き換えましょう、ということであります。

見てください。はるかにスッキリしましたね。空まで青い。

軽いんです。光ファイバーは軽いんです。光ファイバーの材料費は実は銅線であるメタルより安いんです。安くて軽くて、長持ちするんです。銅線というのは腐るんです。みなさん、銅というのはすぐに青いサビがでるでしょう。あれは腐っているんです。腐食しているんです。腐食するからメンテナンスコストがいっぱい掛かるんです。

光ファイバーというのはガラスです。ガラスの線ですから、腐らないんです。しなやかで折れないんです。軽いんです。髪の毛、まあ僕の髪の毛・・・髪の毛よりも細くて軽んです。ですから、これはメンテナンス・コストが圧倒的に安いんです。

で、これを光ファイバーを引くときに、あわせてメタル線を撤去しましょう、ということであります。

そうするとどうなるか。
なぜタダで引けるのか、ということです。
なぜ税金1円もかけずに引けるのか。

赤字を出さずに引けるのか、ということですが、実は先程の「メタルの道」というのは重くて錆びて、ですから、維持費が年間3900億も掛かるんです。年3900億ですよ。NTT東西の営業利益は年間400億円です。利益が400億円の会社が、メンテ・コスト、メタルの補修費に年間3900億円掛けているんです。ということは、10年で3.9兆円ですね。20年で、約8兆円です。いまのままでいくと、保全費、補修費というのはなくならないんです。いまのまんまでいくと、新しく引いてる光と、いままでつながっているメタルは、二重構造のまま走るんです。引き離せないんです。
なぜ引き離せないかと言うと、メタルのままでいいといっている人がいる。メタルの上にサービスをのっけて、事業やっている会社がある。KDDIもイー・アクセスもソフトバンクもみんなあるわけですね、もうメタルのままでいいから、そのままにしておいてくれ、光は高いじゃん、というから二重構造になって、いつまでも、メタルの維持費がなくならないんです。20年たってもなくなりませんよ。そうすると約8兆円です。

これをゼロにして、全部引き剥がして、そして光を引く、光を引くのにもうすでにかなり引いていますので、あと2.5兆円で引けるんです。たったのあと、2.5兆円で世界初、日本が光100、というのを実現できるかもしれない。もちろん韓国やシンガポールとの競争もありますが。これを言っているんです。

メンテナン・スコストを払う代わりに、メタルのメンテの代わりに引き剥がして、光を入れるならタダで引ける、実質的に。お釣りが来ると。NTTが増益できると。

・・・なんで私がNTTの利益を考えてやらなきゃいけない。私がNTTの社長なら物凄く儲かっていますよ。NTTさんがね。ということでね、これは即刻やるべきだと、いうことです。

テレビの世界も、アナログの地上波と言う電波を引いているんです。アナログの電波をふいています。これが来年、アナログのテレビ放送が停波されて、つまり止まって、デジタルに置き換わるんです。止めるということ、引き剥がすということがあるから、新しいインフラができるんです。電波は有限の資源です。ですから、両方はやれないんです。両方やるとコストが掛かる、電波がますますなくなるということなんですね。

ですから、インフラというのは腹をくくって、誰かが腹をくくって。誰を腹をくくればいいのか。

国民です。

光を使う、我々国民が腹をくくれば、変わるんです。
もうメタルはいい、光に変えようよ、と腹をくくれば変わるんです。それを代表して、投票するのが政治家です。政治家が腹をくくったものを、あと作業をやるのが役人のみなさんです。さっき三木谷さんもいってたけど、作業やる役人のみなさんが、逆に国を決めるみたいになっているから、なんとか委員会とかすぐにやるでしょう。で、決まらない。そして、日本が滅びていくと。これじゃいかんですよね。

ということで、腹をくくりさえすれば、せっかくいま鳩山総理が「コンクリートから人へ」といってくれていると。光の道にしようとしようと、今年の1月に言った。みんなで叩くのもいいけど、たまには応援しよう、と。ね。

足引っ張るばっかりじゃなくて日本のためやんか、ということであります。

先週も、NHKでありましたね。

幕府のためじゃない、長州のためじゃない、日本のためだ!

もう誰のためでもない。日本のために、我々すべての国民のためにやろうよ、ということであります。
私はどの政権でもなんでもいい。とにかく、日本がよくなりさえすればいい。NTTが儲かってもいい。

光の三法案。

いままでなぜ高いかというと、需要があるたんびにぽっつんぽっつん引いてるんです。

うちの家に引いてくれ、と言ったら引くんです。
三軒隣の家が引いてくれと言ったらまたそこで引くんです。

トラック入るわけです。

3ヶ月後に両隣の向こうの家が引いてくれといったらまたトラック来て工事するんです。

インフラをするのにそんなことをやってるインフラありますか?

道路を作るのに、俺の家の前の10メートルだけ舗装してくれ。俺にはニーズがある。

俺の家の水道だけまず通してくれ。隣はいいから。

電気だってそうでしょう。
俺の家だけまずつないでくれ。俺は金持ちだから。金のないヤツはちょっと待っとけと。

そんなことでインフラをやれますか?

電線引くときは一気呵成にぶわーっと引くわけです。

道路も一気呵成に引くわけです。

水道だってガスだって、インフラというのはそうやって作らないとバカ高く金がかかるわけです。

設備競争せよ。
皆さんの家にですよ、電線来るのに設備競争って、東京第一電力、東京第二電力、第三電力が、「私が引きます」「いやいや第三から引きます」といって、電線の引き合戦をやりますか?

馬鹿です。
そんなことをしたほうがいいなんていうのはですね。

サービスする電力会社が、東京に住んでて変えたら電線を引き剥がして、また第三電力のヤツにまた引きなおしますか?

そんな物理的なことをやるのは本当にナンセンスです。インフラにおいては。

道路においては、道路はまとめてバカっと引いて、その上でトヨタが競争する、ホンダが競争する、日産が競争する。
競争は立派にあるわけです。

ですからインフラを二重三重四重に引きなおして引っ剥がして、また需要に応じてやるなんて、どれくらい非効率かを数字で言います。

いま12万円使ってる。
とんびとんびに引くから。

これをまとめて計画的に一気呵成にやると、3万円でできる。
ちゃんと計算してます。

これは反対する人はすぐに「そんなはずない、また世を惑わすことを孫が言ってる」
そうやって反対する人がいますが、そう反対する人には「じゃあもし3万円でできたら、あんた文句ないのね?」
と私は言い返してあげたい。

技術的にできないなんて言う人がいます。
ちょっと待ってくれ。あんたと私とどっちがこの技術を知ってるか。

命がけでブロードバンドを引いてきたんです。

年間1000億赤字ながら引いてきたんです。

ちょっとかじってる人と私と、根性違うぞと。
申し上げたい。

ちゃんとできます。
3万円でできる。

12万円でなく3万円でできるのは、高かったらその高いコストが全部皆さんに跳ね返るんです。

そんなもん事業者同士の勝手だろということを言う人がいます。
とんでもない。
高くかかったら全部それが料金として全ての国民に跳ね返るんです。

だから国民が腹をくくらなきゃいけないんです。ということを私は申し上げてるわけです。

ということで、アクセスのための回線を作ってるこの会社は、利益が出ます。
なぜならば3900億円の維持費がゼロになる。

もちろん光の維持費はかかりますが、はるかに小さい。
光の維持費と新たに引く光のコストを足しても、メタルの維持費よりも少ない額でできる。

そして光の工事費が減少する。
光の営業費も減少する。

それが引かれるとどうなるか。
さきほどもちょっと言いました。
田舎のおじいちゃん家で、メタルの電話しか今まで使ってない、わたしゃそんな光とか言われてもわけわかんない、新しい宗教か?
そうじゃない。

おじいちゃんは電話のまんまでいい。
いままでの電話、黒い電話がそのまま使えます。
家の壁のところまで光が来て、家の壁の内側にアダプターが付けられます。
ターミナルアダプター。

ここのアダプターの取り付けまでを、この回線会社が行います。
そこから無線で、Wi-Fi(ワイファイ)で、たとえば遊びにきた孫が持ってきた電子教科書が、そのままさくさく使える。

診断にきたお医者さんが持ってきた電子カルテが、そのままさくさく使える。
クラウドにある全ての医療情報を一瞬で、病院で診断するかのごとくできる。

ですから普段のおじいちゃんは、普段の今までどおりの電話代のままで、1400円の回線代、あとは通話代。今までの料金のままで、21世紀の生活の一部を得ることができる。

追加コストゼロでできる。

おじいちゃん家を取り残しちゃいけない。
孫も遊びに来なくなる。

ということでそれをやるためには何をやるべきか。

これを言うとまた我田引水かと思われがちなんですが、そうではなくて、今まではアクセス会社の部分、アクセス回線の分、メタルのアクセス回線・光のアクセス回線、この部分をNTT東西、もともとNTTは電電公社ということで、国がつくった会社ですね。

いまは民間になりました。

ですから民間の会社だからいらんことをいろいろ言わないでくれ、干渉しないでくれ、という理屈がひとつあります。

でも、そうではなくて、日本のためにどうあるべきかというと、そのアクセス回線の部分を切り離して、中立な会社にして、そしてNTT東西も今までどおり光ファイバーを使う。あわせて競争事業者も同じ条件で使う。

NTT東西も1400円で回線会社から卸売りを受ける。
競争事業者も同じ1400円で卸売りを受ける、ということであります。

つまり会社を分割するわけですね。

民間の上場会社だから勝手に株主の価値を取り上げるなという説がありますが、そうではなくて、今現在のNTT株主が両方の会社の株主のままでいるわけです。
1株が2株に増えるわけです。
増えた株の回線会社はいままで赤字ということになってます。
なぜならばさっきのメンテコスト、光のコストと2重にコスト掛かってるから。

このメンテコストのメタルコストがなくなれば、突然回線会社は大黒字になります。

3800億円の維持費がなくなるから。

さきほど言いましたように営業利益たった4~500億円の会社ですから、突然大幅黒字になる。

これ言っただけでNTTさんの株価が暴騰するかもしれない。

そのくらい、NTTの株主から見れば、株主価値が増える。

株主価値が減るという人がいますが、とんでもない間違いです。
こういう構造であれば、株主から取り上げるのではなくて、株主にもう1株あげる。
1株持ってる株主に、もう1株あらたに大変利益の出る会社の株を差し上げましょう。

もう1つの問題は、NTTの高年齢の労働者がいます。
この人たちが、俺の職を奪うのか、という人がいます。
そうじゃありません。

そうではなくて、この方々が今どちらかというと肩叩きされてるかもしれないような人々が、逆に忙しくなるわけです。

5年間でメタルを引き剥がして光に置き換えるということは、ものすごく忙しくなるわけです。

つまり、いらんもの扱いされてるんじゃなくて、がんばってくれ、日本の21世紀のために、100年のために。

あなたの豊富な経験、これを提供してください。
引きまくりましょう!
新たにつくりましょう!

急に仕事が増えるわけですから、久しぶりのボーナスも増額もあるかもしれない。
NTTの労組の方で反対する人は一人もいなくなるんじゃないかと。ちゃんと理解すればですよ。

誤解していると、なんでも反対ととりあえず言っとけ、となりますが。
ちなみに筆頭株主は日本国家ですから。NTTのですね。
日本国家です。

ですからそういう意味では、政治力を発揮できるケースかもしれません。私にはわかりません。

しかしそういうチャンスがあるかもしれません。
日本のためによければ、国民のためによければ、かなりそれがNTTの株主にとっても利益が増益するということであれば、国にとって良し、国民にとって良し、NTT株主、NTT労働者にとっても良し。
誰か困る人がいるのだろうか?

つまり構造は1400円同士のメタルから光に、たんに置き換わるだけで、その上の通信会社、音声通信、データ通信、この会社は競争して、イコールフィッティングで競争すればよい。

価格は必ず下がります。合計の価格はですね。それは効率がよくなったからです。その下がった価格はすべて国民に還元されるということであります。

しかも利益がでるので、国家としては増益になる。増益の結果、税収が増える、ということになります。

なぜ光が必要なのか。
もうひとつ。
せっかく三木谷さんきてるから、少しよいしょしておかないと。

オンラインショッピングが増えます。日本はまだ遅れているという話でした。

光が、日本中、家庭中、そしてオフィス、あらゆるところに引かれたならば、動画でもっと新鮮な野菜がみずみずしく、美味しそうな団子が湯気が出てるのが動画見れて、一瞬で決済できて、というようなことが実現できていくでしょう。

このインフラが、すぐれたトラックの配送便で、ある意味、世界一のロジスティクスがあります。オンライン店舗が増えてきました。さきほど三木谷さんがいってました、規制さえとっぱらえば、成長を妨げるのではなくて、成長を促進するということになれば、一気に増えます。

次にもうひとつ。教科書であります。

デジタル教育。

これをクラウドに教科書の素材を全部入れてしまう。紙の教科書じゃなくて、電子教科書に100%置き換える。

まあ、図画工作の画用紙くらいはあってもいいけど。
なぜこれ以上、木を切り倒す必要があるんだ。
CO2これ以上、どうして出す必要があるんだ、ということですね。

これをクラウドに教育情報にすべて入って、すべての学生、1800万人の学生が全員タダで電子教科書を国からもらえる。その費用は3600億円で済みます。

その費用は3600億円、1800万人掛ける1台2万円で提供できます。儲けをいれなければですね。原材料費と組み立てで、1台2万円でできます。1台2万円のハードを1800万人に配って、たった3600億円ですよ。

民主党になってすぐにダム問題でましたね。八ツ場ダム1本で、4600億円ですから。3600億円。まあ、ダム一本なくても国は滅びやしない。ダムほしいという人もいますが。

でも、100個も200個も作る必要があるのか。1個諦めましょう。どれか1個諦めて、日本の子どもたち、日本の50年、100年の未来を買おうじゃないか、ということであります。

ほんとは、子ども手当の一番の使い道はこれかもしれない、ということですね。ということで、3600億円。1回だけ掛かるんです。あとは年間400億円で済みます。新たな学生が、小学校1年生、そして中学1年になったら機種変までもらえると。

それでも、小学1年生と中学1年生で年間100万人ずつです。合計200万人掛ける2万円で400億円です。現在の日本の教科書予算、実は400億円です。ですから、一回だけ、ダム1本分やって、あとは現在の教科書予算の範囲の中でこれがまわるということであります。

さらに、電子教科書に、ついでにNHKのすべての番組をタダでぶちこむと。龍馬伝見れるぞ-!と。そしたら歴史の授業だっておもろくなりますよ。ね。理科の事業だって、英語の授業だって、もう、生の外人の英語を聞ける。中国語講座だって、正しい発音で中国語の先生から聞ける。学校の先生は助手になる。世界の人が先生だ。まあ、あるいは、先生が助手になると怒らられるから、先生は先生だ。電子先生、あるいは世界の先生はその上の外におる、いいじゃないかと。みんなを敬おうよと。

これはどうせNHKは、すでに「みんなのテレビ局」っていって、みんなの視聴料を一回もらっているわけですから、二重にとっちゃいかん。せめて学生、子供に渡すのは追加費用ゼロですから、タダで好きなだけ見させてあげよう。勉強が面白くなる、勉強が感動を与えるものになる。

もうひとつ。
電子カルテ。

なぜか。

日本中を光でつないで、地域医療からなにからすべてクラウドに入れて、すべて自宅から公共施設ぜんぶつないで、

これも電子カルテの同じハードで出来ます。1台2万円、これをすべての日本の医師にタダで提供する。すべての看護婦に無料で提供する。情報はすべてクラウドに入っている。

これをやるとなんのいいことがあるか、この後でてきます。

医師がすべて必要な情報を手に入れられる。本人が手に入れられる。製薬会社が手に入れられる。薬の開発コストが安くなります。安全になります。

副作用のウオッチングもしやすくなります。

訪問が減ります。訪問した時も病院にいるかのような状況になれる。

これがすべてクラウドに入って、Aという病院、Bという病院、いままでだとみなさん、病気になったときに、病院にいくつか心配でいくときありますよね。

いくたんびに、またレントゲン撮り直させられる。いやですね。あれ、被爆しているんですよ。何回被爆させるつもりだ、と。一回撮ったら、それがクラウドに入っていれば、また撮り直す必要がないわけです。

医療情報は医者に帰属しているんじゃなくて、患者に帰属するはずだ、本来は。なぜ医者が勝手に自分の情報だと思い込むんだ。自分の体は自分のものだと。自分の体を写したものは、著作権は自分にあり、ということですね。だから、それをクラウドに上げれば、Bという病院、Cという病院でも、何回も使えると。医療費が減ります。

誤診が減ります。スピードが増します。遠隔のところが、研修医に優れたお医者さんが伝授することができる。

医師不足の緩和にも役に立ちます。効率が良くなります。

iPhoneにもいろんなアプリケーションが続々と増えてきました。

そうなると、国政になると何がよくなるかと。先生方にとって、いま国家の歳出が年間90兆円です。税収がたったの40兆円しかないんです。このままでは国が破綻します。その90兆円の費用の中で、一番大きのが医療費です。これが、いまからたった5年後にはいまの試算で、47兆円になるといわれています。

つまり国家の支出の予算の半分が医療費。

これをクラウドに入れて、電子カルテにすることで三分の一に減ります。いま、税金に増やさないと成り立たないという議論ばっかりですけども、税金は一部増やさないところもありますが、費用を下げる、当然のことをもっとやるべきである、と。下げるのにたった1台2万円の電子カルテを配るだけでいいと。クラウドにするだけでいい。そんなの1兆円もかからないですよ。1000億もかからないですよ。

数百億でできちゃう。数百億で10兆円単位の年間の削減ができる。やるべきだ。迷う必要はない、ということであります。

これもすべての家庭に光がある。家にある、オフィスにある、ということになれば、意味をなすということになるわけですね。

だからインフラを変えなくてはいけない。

すべての産業ということです。

20世紀は日本を支えた電気によって、日本の雇用が一気に増えました。1000万人が従事しました。「電気の道」が日本中にできたことによって、1000万人の雇用が生まれた。20世紀の状況ですね。

21世紀においては、これが光でクラウドで、日本中がすべてがつながると、

すべての産業が、「光」化する。農業も漁業も流通業も金融業もすべての産業が「光」化する。

そうすると、光が新たな21世紀の1000万人の雇用を生む、と。20世紀は「電気の道」が1000万人の雇用を生んだ。21世紀は「光」が1000万人の雇用を生む、と。21世紀型の雇用を生むと、いうことであります。

逆戻りはできない。前に進むべきだと。

世界一の高速通信、世界最高品質のネットワークインフラを持つことによって、

豊かな国民生活を得ようじゃないかと。日本を復活させようじゃないかと。もういちど、成長軌道にのせようよと。諦めるのはまだ早い。

立ち上がれ日本!

なんかどっか?あれちょっとまって。あれ?間違った?間違ってないか?まあどうでもいい。

日本のために、すべての国民が目覚めるべきだ。古いしがらみを取り払おうと、取り外そう。誰のためでもない、日本のために。自分たちのために。自分たちの子のため、孫のために腹をくくろうじゃないかと。

明治維新のときには腹をくくった人たちがいました。
明治4年、5年に、断髪令、通信、鉄道、廃藩置県、こういうような、日本のパラダイムを変える、日本の社会を変えるものが、続々と明治4年、5年に起きたんです。

新しい政権になって、この4年間で、この新しい日本の社会のインフラを作り直すことができなかったら、日本の将来は暗い。後で後悔する、ということであります。

鉄は熱いうちに打たなくてはならない。せっかく社会が、世の人々が、日本のあるべき姿について、いま悩んでいる、答えを求めている。この時に動かなかったら、もう二度と慢性肝炎のようになって、もう慢性病になって、立ち上がる気力すら、立ち上がるという意味すら忘れると。

20年間、日本のGDPは横ばいです。今年、新卒で入ってきた新しい学生は、2歳のときから、「成長」という言葉を知らない。生まれて2歳のときから、20年間、日本という国が、GDPが成長とすることを体験してないわけです。

これが当たり前の社会、当たり前の国民になったら、いったいどうなるんだ、ということであります。

せめて、高度成長期を知っている我々が、子のため、孫のために立ち上がらなきゃいかん、ということであります。

私はつい2、3日前、NTTの構造改革とかって、ありましたが、そんなことどうでもいい。日本の構造改革だ。日本の明るい未来のために。

よろしくお願いします。
ありがとうございました。

<目次>
三木谷浩史「eビジネスによる日本の成長」書き起こし
孫正義&三木谷浩史対談「国民の、ITによる、日本復活」書き起こし

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