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【書き起こし】孫正義、ソフトバンク決算説明会に登壇

4月27日にソフトバンクの2010年3月期の決算発表会が行われ、USTREAMでも同時に生中継されました。
たんに一企業の決算発表会としてではなく、孫正義という日本を代表する企業経営者のビジョンを知るすばらしい講演でもあったと思います。

決算発表後すぐにUSTREAMのアーカイブも提供されましたので、さっそく書き起こしいたしました。

聞き間違い、わからなかったところ等ありますがご容赦ください。
(ご指摘歓迎)

【注意】免責事項などについてこちらのリンクもご確認ください。

2010年3月期 決算説明会の模様をインターネットと電話でライブ中継

ソフトバンクの孫です。よろしくお願いします。
前回のソフトバンクの決算発表会のときは、たしかUSTREAMへの出資を発表ときと重なった。

今日は、USTREAMの日本語版、日本語化のサイトが先ほどから立ち上がりました。
そういう意味でも、記録に残る決算発表会の日になったんではないかなと思います。

これまで決算発表といえば、通常、今日ここに来ておられるようなアナリストの皆さんだとか、ジャーナリストの皆さんを前に発表という形になっておりましたけれども、最早、決算発表も、USTREAMで同時に中継するのが、そういう時代がやってきたんではないかなと。

またそれを見ながらツイッターで多くの一般の人々が同時にコメントができる、そんな時代がきたんではないかなというふうに感じます。

最早コミュニケーションというのは、マスコミュニケーションのような一方向のコミュニケーションではなくて、多くの人々が同時にコミュニケーションに参加できる、また意見を言える、質問ができる、そういう時代がきたんではないかなというふうに感じます。

私自身、ちょうど4ヶ月ちょっと前ですね、去年のクリスマスイブから本名でツイッターを始めましたけれども、ずいぶん変わりました。
私自身のライフスタイルが変わった。

日常、朝起きて最初に何をするか、寝る直前に何をするか、というライフスタイルが変わりました。

本当にもう多くの日々が、最近では、朝起きて真っ先にするのがツイッターのいろんなツイートを見てみる、寝る最後の直前にまたツイッターを見ながらいろんなものを確認する。

そんな時代がきてしまったということであります。

本当に時代は変わったなと感じるわけですが、そのようなときに、必ず、新しい物が産まれたときに、批判をする人がいます。
そんなもの使いものにならない、と。

たしか今週の週刊ポストか現代か忘れましたが、週刊誌には「ツイッター亡国論」なんていうのがタイトルで出ておりましたが、新しい物ができると必ず批判する人がいます。

その批判する精神も大切だと思います。
そういう批判があって、さらに進化していくんだろうと思います。

でも、大切なことは、いろんな問題があるからやらない。やりもしないで批判をする。そして自らも進化を止める。

これは一番よくないんではないか。

実際に体験して、もっとこういう点をよくするとさらによくなると前向きな意味で改善する、ということをやっていくのが、世の中が進展していく上で最も大切な精神ではないか。

そういう意味で我々ソフトバンクも、前向きに進化を捉えて、経営に役立てております。

私自身ツイッターをやって、一番感じたこと。
そのことは今日の決算発表に、経営の意思決定に非常に大きく反映されているということを、この決算発表の前置きとして、お話をさせていただきたい。

何がどうかわったのか。

決算発表会ですから、ものの考え方云々というよりもまず、この1年間どういう経営の成績であったのかと、そのへんについて、数字を中心に話を申し上げたい。
後半のほうでもう少し、これからにかかわることに触れたいと思います。

今日の決算発表のハイライトですけれども、営業利益が4658億円。
過去最高の数字であります。

2点目のハイライトは、今期、新たな設備投資を約4000億円行う。

この2点目の件は、ツイッターを始めて4ヶ月で、私の意思決定が大きくツイッターの皆さんの声によって、経営の意思決定に大いなる影響を与えた。
ツイッターの皆さんの声を、素直に真正面から受け止めまして、ネットワークを改善したい。という思いで一気に設備投資を増額すると思ったわけです。

その決意の内容と、どのどのようにやるのかということについて話を申し上げたいと思います。

あわせて上場会社の社長ですから、もうひとつの責任があります。

それは多額の借り入れをまだ行っておりますので、予定通りその純有利子負債を削減していく。1回約束したコミットメントはきっちりと果たし、経営の資金繰りだとか利益、そのへんにおいても経営者としての責務がありますので、その点についても触れさせていただきます。

それが3点目のハイライトですけども、純有利子負債の削減、これは計画通り、変更なしに、純有利子負債の削減を予定通りのペースで進めていく。

なぜそれが、設備投資を増額しても、約束どおり、コミットメントどおりに純有利子負債を削減ができるのか。
そのへんについても今日の決算発表で説明申し上げたい。

ちなみに先ほど申し上げましたように、こちらのほうでは今USTREAMで流れている、その内容がツイッターで同時に多くの皆さんがツイートをがんがん書いているわけです。
そういう意味ではここにおられる方とあわせて同時に多くの人々がリアルタイムで、USTREAMを見ながら、参加しているということです。

実績ですけど、先程も申した通り営業利益が4658億円ということでした。
前年対比で130%、30%の増益であった。

また、フリーキャッシュフロー、これがさきほど言いましたように、純有利子負債を返済していく源泉になります。この純有利子負債を返済していく源泉であります、フリーキャッシュフロー、こちらが3900億円ということで、前年対比倍増できたということです。
過去最高を更新いたしました。

それでは連結の業績についてより詳しく申し上げます。

連結の業績のサマリーですけども、ご覧のように、売上から、利益、フリーキャッシュフロー、すべてが大幅に前年を上回る実績を出すことができました。前年対比の比率も右側に出ております。

他社と比較したのが、この表でございます。

KDDIさんはすでに先日、内容を発表されました。
また、ドコモさんも業績予想と言うことで、ドコモさん自らがすでに発表しておりますので、その予想数値を並べたのが、この右側の部分でございます。

私どもは、売上も増えました。また、利益も大きく増収増益であった、というかたちで実績を出すことができました。

次に、連結の売上高の内訳です。
この3%の増収でございましたけども、部門別のシェアがこの形でございます。

連結のEBITDA、こちらが7800億円ということで、こちらも5期連続の過去最高の数字を出すことができました。

その連結EBITDA、それの部門別の内訳、これが10ページ目でございます。

次に、営業利益、さきほど言いました通り、4600億を上回る営業利益を出しましたが、ほんの5、6年前まではヤフーBBを開始して、大きな赤字を出した。
1000億単位の赤字を出す形になりましたが、そこから急激に回復して、過去最高の利益を更新する、ということを連続して出すことができました。

その、営業利益の内訳が、この次の棒グラフであります。
すべての事業セグメントが、増益であった、ということがハイライトでございます。普通は、どこかの部門が減益で、どこかの部門がそれを補う、というものが多いわけですけども、すべての事業セグメントで増益であった、という点がこの内容であります。

今回の営業利益が、4600億円というのは、日本のすべての産業の中で、いったい何位になるのか、ということですが、ほんの一年ちょっと前のときに、リーマンショックの時に、ソフトバンクはもう潰れる潰れるの大合唱で、JALよりも潰れる確率の高い会社ということで、私どもの大変なネガティブな出版記事だとか、あるいは、いろんなコメントがありました。
実際は、そこから1年ちょっと経った現在、日本のすべての会社の中で、営業利益で3位、というのが、今回の実績でございました。

営業利益で日本で3位の会社が倒産するのであれば、いったい日本はもう完全に沈没するのではないか、というくらいの状況だと思いますが、おかげさまで、順調に業績を伸ばすことができた。
また、フリーキャッシュフローでも順調に収益を出すことができました。

ここで、実績はソフトバンクとKDDIで、他社はまだ、実績は発表しておられないところが多いのですけども、他社の場合には、それぞれの会社が発表しておられる業績予想、自らが発表している業績予想を中心にこの表にまとめております。
ですから、私どもが勝手に出した数字ではないということをあわせて付け加えさせていただきます。

経常利益、こちらも過去最高で3400億円。前年対比で約1000億円の増益であります。

次に当期利益、こちらも倍増させることができました。

当期利益への内訳ですけども、こちらに色々出ているとおりでありますが、右側の方に、右から、上から2番目の行のところに、固定資産の除却損というのが、出ておりますが、これの大半は、第2世代の通信を3月末で停波しました。その機材を償却した、減損を出した、というのが中心であります。
それらをすべて飲み込んで、純利益でも倍増さすことができた、ということであります。

営業キャッシュフローが、フリーキャッシュフローのほとんどの源泉、ほとんどといいますか、すべてのフリーキャッシュフローは営業キャッシュフローからきてる、といってもいい程度でございますけども、この営業キャッシュフローが6680億円ということで、前年対比で約2000億円の営業キャッシュフローを積み増しすることができました。
こちらも過去最高でございました。

次に、フリーキャッシュフロー。したがいまして、フリーキャッシュフローも約2000億増額することができて、過去最高であったということでございます。倍増することができた。3900億円のフリーキャッシュフロー。
これは、ご存知のように、税金だとか、設備投資だとか、それらをすべて差し引いた後の、勘案したあとの、手元に残るフリーキャッシュフローとして、3900億円の現金を手元に残すことができたということでございます。

このフリーキャッシュフローの日本国内でのランキングというのが、この数字になりますけども、日本で4位、ということでございました。
上にあります、自動車メーカー2社の場合には、今年は税金をあまりお支払いにならない。つまり、前期赤字であった、ということで、フリーキャッシュフローが私どもよりも上にきておりますけども。
実態として、非常にいいポジションに私どもがこれた、ということでございます。

競合他社との比較でございますが、「番号乗り換え」のユーザーの勝ち負けですね。こちらのほうで、ドコモさんがマイナスの28万ユーザー、AUさんが2万、我々がプラスの26万、ということで、2年連続の「番号乗り換え」ナンバーワンということでございます。

ARPUです、これが非常に経営の重要な指標でありますが、ドコモさん、AUさんが前年対比でARPUが減っていると言う状況に対して、私どもは直近の2四半期で、前年対比を上回る、年間を通じても2009年度は、はじめて前年を上回るARPUを実績として出すことができました。
おそらく世界中の携帯電話の事業会社で、前年対比のARPUが去年を上回ったいう実績を出したのは、私どもだけか、あるいはほんの少数の会社だと思います。
そういう意味では、非常に、特異な事例ができたということであります。

ということで、我々の携帯事業、モバイル事業における利益、こちらも1000億の増益させることができたと。過去最高であったということでございます。

実はモバイルだけではなくて、固定通信事業、固定事業ですね、こちらにおいても717億ということで、過去最高の利益を出すことができました。
私どもの顧客の約10倍もっておられる、NTT東西さんが450億程度の営業利益。これはNTTさん自身が発表しておる数字で、我々よりお客さんが10倍いるわけですね。
普通、10倍いればスケールメリットでもっと利益がでると思うんですが、約10分の1しかお客さんを持っていない我々が、固定通信事業でも、1位の利益を出すことができた。一体何が違うんだ、ということでございますけども、もしNTTさんが光ファイバーへの先行投資が理由で固定事業が利益をあまり稼ぐことができていないんだ、ということであれば、もし、光ファイバー事業がそんなに重荷であれば、それを分社化すれば、もっと増益になるんではないでしょうか、ということを、この場を借りてあえて申し上げさせていただきたい。

これはNTTさんご自身の構造問題ということで議論もされておりますので、この点においても、もしかしたらNTTさんは、光ファイバーを引いていくということが経営的に赤字、光ファイバーを引くということが赤字になってる。
あわせて実はですね、皆さん、どれほどの数の方がご存知か知りませんが、NTTさんのメタル回線の維持費、これは年間3900億円かかっております。

もしNTTさんのメタル回線の維持費の3900億円と、光ファイバーの維持費1900億円。
こちらが光ファイバー1本の維持費ですむようになれば、約3000億円近く増益できるはずだ。今の状態よりですね。

そういう点をNTTの株主の皆さんがもう1度着目して考えるべきではないか。

ちなみにNTTの筆頭株主は日本国家でありますので、日本国家ということは、国民の皆さんがわざわざ無駄なコストの二重構造、メタル回線のコストと光回線のコスト、二重コストをかけているということが、国家にとって損失であり、その損失は国民の損失になってるんじゃないか、ということをあえてこの場で一言付け加えさせていただきたい。

次に部門別ですけども、ヤフーを中心としたインターネットカルチャー。こちらも順調に増益をしております。
10期連続の増益。増収増益ということでございます。

我々の純有利子負債は、ボーダフォンジャパンを買収して、ピークのときは約2.4兆円近くになります。
それが今回1.5兆円まで削減することができました。
約9000億円弱、純有利子負債を削減することができました。

このボーダフォンジャパンの買収で多額の純有利子負債をかかえた、それがソフトバンク不安説ということで、何度となく心配をおかけしたということでございますが、おかげさまで順調に純有利子負債の削減が進み、予定通りこのまま純有利子負債ゼロ、そして無借金という状況まで進めていけることができる、と自信を持っている次第です。

新年度、2010年度の見通しでございますけれども、増収増益のトレンドを維持。
設備投資を大幅に増額するということでございます。

この5000億円の経常利益は、もちろん過去最大、6期連続で過去最高益を更新している、ということになるわけですが、これは創業以来、約30年間の棒グラフを見ていただくと、いかにこの5、6年が急激に我々ソフトバンクの業績を上げることができたということでございます。

設備投資は、冒頭から申し上げておりますとおり、過去最大の設備投資、約4000億円を行います。
攻めの経営でございます。

この部分はさきほど言いました、ツイッターを私自身始めて、多くのユーザーの皆さんからの声を真正面から真摯に受け止めた結果である。
ここで、攻めの経営に転じて行きたい。

この約2000億円弱、1800億円ですね、
設備投資を積み増しいたします。
前期の設備投資は約2200億ですから、今期4000億円行うということは、1800億円の設備投資積み増しということになります。

実は1年半前に我々がフリーキャッシュフローの予想を発表しました。
その時点での2008年のフリーキャッシュフローが1400億円、というかたちで予想を出しました。

純有利子負債を半減させ、ゼロまで持っていくということをあわせて発表したわけですけど、そのときの私どものフリーキャッシュフローの予想ということで計上させていただきました数字が、2008年度が1400億円。
実績は400億円積み増しの、1800億円のキャッシュフローが出ました。
そして今回の、今日の決算発表の内容としまして、その当時出したフリーキャッシュフローの予想が2500億円に対して、実績は1400億円積み増しの3900億円でございました。

ですから積み増しで、稼いだフリーキャッシュフローの2年間の合計が1800億円でございます。
1800億円フリーキャッシュフローが、当初予想していたよりも余計にフリーキャッシュフロー、現金を稼ぐことができましたので、予想したよりも稼ぐことができた1800億円を前期の設備投資に上積みする。上乗せする。

1800億円の上積みですね。
この上積みの原資は、当時発表させていただいた私どもの予想のフリーキャッシュフローよりも1400億円上回っておりますので、稼いだお金を設備投資にまわす。
積み増して、稼いだお金を設備投資の増額にまわす。
というのがこの表の内容です。

ですから予定通りフリーキャッシュフローを稼ぎ、予定通り純有利子負債を半減させ、そしてゼロに持っていくというコミットメントは変わりません。

つまり3年間で約1兆円のフリーキャッシュフローを稼ぐ、ということを1年半前に公表させていただきました。
既にこの3年分の1年間で、3900億円のフリーキャッシュフローを稼ぎました。
ですから残り2年で約6000億円のフリーキャッシュフローを稼げばいいわけです。

今回の設備投資を上積みしても、残り2年間で6000億円のフリーキャッシュフローを稼ぐ自信がついた。

だから今回の意思決定がより明確にできた。自信をもって行うことができた。

しかも今回の積み増しは、過去の1年半で稼いだ、積み増ししたお金で投資するわけですから、予定に変更ありません。

したがいまして、ピークのときには2.4兆円の純有利子負債、そして発表したときが1.9兆円の純有利子負債。
それが1年半前ですね。
1.9兆円の純有利子負債が、現在は半減ということは1兆円を下回る純有利子負債にするのが来年度、2011年度。
来年度には1兆円を下回る純有利子負債にしたい。
そしてそこから3年後には純有利子負債を実質的にゼロにしたい。

その結果配当も増配いたします。
今期の株主総会で正式な決議をし、いままで1株あたり2.5円の配当に対して、5円の配当に倍増させたい。

そしてさらに純有利子負債が半減します2011年度にはもう一度増配し、純有利子負債がゼロになる2014年度には、さらにもう一段、増配をしたい。

この増配の方針も変更はありません。

ということでファイナンスの総括ということですけども、営業利益は4600億円、設備投資4000億円、純有利子負債の削減目標に変更はない。
この3点がまとめのハイライトでございます。

ここまでが財務編です。

ここからは設備投資を、なぜ、どのようにおこなっていくのか。それが、これからの我々のモバイルインターネットのどういう取り組みになるのか、ということについて、話をさせていただきたいと思います。

世界で初めて、今日の決算発表で、世界で初めての内容がひとつあります。
それは、世界中の携帯事業者の中で、初めて、データARPUが音声ARPUを上回った。一顧客当たりのデータ収入が、音声収入を上回った。音声プラス基本料ですね。これを上回った。世界初の会社が我々ソフトバンクであるということです。

世界初です。

どのように世界初かというのがこのチャートでございます。
ドコモさんのデータARPUが44%、韓国ナンバーワンのSKテレコムが35%、シングテル32%、アメリカ最大のモバイルの会社でありますベライゾンでも32%。
もちろんヨーロッパ勢、あるいはほかのアジア勢はこれよりも遥かに低い、だいたい10%から多くて20%。

我々が、世界で初めて、5割を超える、収入がデータARPUになった、ということであります。だから、おそらく世界で初めて、前年対比のARPUが増えた、ということであります。

音声ARPUの下落を上回る、データARPUがあったということでございます。

振り返ってみたいと思いますけども、2001年に我々は、まったくの未経験の、まったくインフラを持っていない我々が、無謀にもブロードバンドのインフラを作る、ということに挑戦しました。
たいへん無謀な挑戦です。おかげで1000億級の赤字を連続して出す、という結果になりました。

しかし、得たものとしては、その時立てた志、「ブロードバンドで人々のライフスタイルを一変させたい!」
こういう志に対して、我々は無謀なチャレンジをしたわけでございます。

僕はそのときに本当に思ったのはですね、これをやると、もしかしたらソフトバンク潰れるかもしれない。ヘタをするとですね。
日本で一番大きな会社にまったく純粋民間企業の我々が挑戦するわけですから、たいへん無謀な賭けですよね。ひょっとしたら、潰れるかもしれない。僕も経営者としての人生もこれで終わるかもしれない。
それでも私はこれをやるべきだ。

世界で一番先進国の中で、一番遅いインターネットの国が日本でした。

一番高いインターネットの国が日本でした。

これをなんとしても、世界一安くしたい、世界一速くしたい、そういうインターネットの国に変えたい! という志でやったわけです。

結果がこちらのページですね。

世界一安くなりました。世界一速くなりました。

みなさん、外国に行って、どっかのアメリカやヨーロッパのホテルに行って、パソコンをインターネットに繋いでみてください。行ったことある人いっぱいいますよね。遅いですよね。
外に出てみて、初めて日本のありがたみが分かる。離れてみて初めて親のありがたみが分かる、それと同じことです。

日本にいて、ブロードバンド当たり前だ。3G当たり前だ、と思ってて、外国に行ってみて、愕然とすると。こんなに日本てありがたい存在だったんだ。当たり前のように、いま多くの人は日本のブロードバンドが速い、安いと。それが当たり前。
それでももっと安くしてもらいたい、というのが一般の人々の気持ちですが、まあそれでも、先進国で世界一速い、世界一安い、ということが実現できました。

これは我々がブロードバンドにかけた志でした。

そして、ボーダフォンジャパンを2006年に買収しました。
その時の我々の志は、「モバイルインターネットだ!」と。
携帯の電話の会社をやりたいんじゃないだ。ソフトバンクはインターネットの会社なんだ。
だから、電話の会社を我々が買収したいと思ったわけじゃなくて、モバイルインターネットで、人々のライフスタイルを一変させたい、変革させたい。こういう志で取り組んだわけですね。

だから真っ先に、iPhoneや、さまざまなインターネットのサービスだ、ということですね。で、iPhoneが出たときにそんなもの日本で売れない! ということを、堂々と言った専門家の方々がたくさんいました。
日本にはワンセグがある。オサイフケータイがある。絵文字がある。
日本は世界で一番、モバイルの携帯電話が進んでいる。
だからiPhoneなんか売れる訳ないじゃないか、ということを堂々と記事に書いて、あるいは公に発言された方がたくさんいました。

私は、腹の中で思っていました。
「ああ、かわいそうだな」
「まだ見えないんだな」
「体験してないから分からないんだな」
もう絶対に、3年、5年たったら、自分を恥ずかしいと、きっと思われるだろうな。
これはインターネット始まった時に、まったく私は同じことを感じたんですね。

我々がヤフージャパンを開始したとき、インターネットを開始したとき、まったく同じように感じました。
「インターネット、そんなものガラスのトンネルだ」と、堂々と書いている人がいました。「そんなものは人々に使われるわけがない」
でも結果的には、インターネット無しでは、もう生きていけないくらい世の中が変わりました。ブロードバンド無しでは生きていけない。

同じように、モバイルインターネット無しには、生きていけない。あまりにも不便だと、こういう時代が必ずやってきます。
そのことをやるために、モバイルインターネットをやるために、人々に提供するために、我々が取り組んだわけです。

結果、人々のライフスタイルは変わりました。もう私も外に出かけて、ちょっと外でですね、お寿司屋さんに寄りたいとか、ペットショップ行きたいとか、いろんなところ行きたい、映画行きたい、というときに、すぐにiPhoneでですね、マップを押して、近所のやつをパッパと調べて行くと、いう風にライフスタイルが変わりました。

紙の地図を持ち歩くなんて、そういう観光客は地球から絶滅する、という風になると思います。
観光ガイドブックですら、持ち歩く人はいなくなると。
これからは、書籍も、雑誌も、コミックも、みんな電子端末で見る時代がやってくる。

オフィスも、会社の中にある色々なオフィスの仕事の書類、データ、こういうものも、モバイルインターネットで持ち歩く、そういう時代が必ずやってくる、という風に信じています

紙のノート、それから重たいカバン、これを持ち歩く人々は絶滅する、ということであります。
そういうモバイルインターネットの時代が来ると、我々は何をしなくてはいけないか、ということですけども、真っ先にやらなきゃいけないことは、ネットワークの改善であります。

そこで、ソフトバンクの戦略を申し上げたいと思います。

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(USTREAM画面のキャプチャではわかりにくかったので、ソフトバンクIR資料のPDFから切り出しています)

このページが実は大変重要なページなんです。
このページを共感できるか、できないかで、これからの話がすべて変わります。

いまから5年間で、データの量、モバイルインターネットで取り扱う、携帯電話で取り扱う、データのトラフィックの量、これが40倍になる、ということであります。

4倍じゃないんです、たった5年間で、40倍になる、ということであります。

5年間でですよ。

もし、これを4倍になると思って、経営の戦略を立てるという人と、40倍になると思って、経営の戦略を立てるという人では、ネットワークのインフラの設計が根底から変わってきます。
もちろん、設備投資の予算というものが、片手にあるわけですね。
無尽蔵に使っていいわけではない。
でも、データトラフィックが急激に伸びて行く、具体的に言うと40倍になる。もしかしたらこれは30倍かもしれません。あるいは50倍かもしれません。でも、それは誤差です。30倍でも50倍でも誤差です。
おおむね、40倍近いデータの量になると。けっして、4倍ではない。

このように読むのか読まないのか、これで経営の戦略が変わる。
「ネットワークのインフラの設計思想が変わる!」ということですね。
これが、5年で40倍になるということは、10年間でどうなるか。40倍かける40倍、1600倍になる。

40倍かける40倍ですよ。
160倍じゃないですよ。
1600倍になる、10年間で。

1000倍になるというふうに読むのか、10年間で10倍になるというふうに読むのか、設計思想はまったく変わってくる。

これがビジョンによる経営だと私は思うんですね。

そこでもし仮に5年間で40倍になると思うとするならば、どういうネットワークの設計思想でなきゃいけないのか。

世界中の携帯電話の会社の設計思想は、いままではマクロセルなんです。
高い鉄塔を建てて、そこからすごい円に面積に電波を出す、ということです。

世界中の携帯電話の会社がこのような設計になってる。

我々はこれを世界一速く、世界一すばやく、マイクロセル化する。フェムトセル化する。Wi-Fi(ワイファイ)化する。

世界でもっともアグレッシブに、もっとも積極的に、大急ぎでマイクロセル化する。フェムトセル化する。Wi-Fi化する。

なぜかというと、この1ページ前の、先ほどのページが鍵なんです。

5年後40倍になる。
10年で1600倍になる。
1000倍クラスになる。

というふうに読んでいるからなんです。

そうすると、マクロセルでやってもですね、いくらLTEでやろうが、何でやろうが、マクロセルでやってる範囲においては、このデータトラフィックを吸収できるネットワークになりえない。

つまりこのページです。
今までマクロセル、1局のマクロセルで、鉄塔があって、ベースステーションがあって。
そこに仮に500人のお客さんがいたとしましょう。

その500人のユーザーがいるところに、1つの鉄塔があってそれを割り算して使ってる。

それに対して、同じ面積のところに3つのマイクロセルに分割するとしましょう。
同じ500人を3つのベースステーションで割り算すると、500割る3、1ユーザーあたりの使えるトラフィックの量が3倍に増える。

さらにこれがフェムトセルを500人のお客さんの中にどんどん積極的に配る。
Wi-Fiを積極的につなげるようにする。

Wi-Fiなんてうちはやりません、と堂々と公の場で公言されてる経営者がおられます。
携帯の会社でですね。

私は間違いですよと、おせっかいながら申し上げておきたい。あとで絶対に反省すると申し上げておきたい。

あれは間違いだったと必ずあとでおっしゃられる。

変えなくてもいいです。
変えていただかないほうが我々にとってはいいかもしれない。

我々はあきらかに戦略的にこういう方向で行く。
つまりマイクロセル化、さらにもう一歩すすめてフェムトセル化、Wi-Fi化。

仮にそこに500人いるところに40個のフェムトセル、Wi-Fiを置いたとすると、1人あたりに直すと40倍のトラフィックを吸収できるという形になります。

だからさきほどのページなんですね。
5年で40倍データトラフィックが増えるとすると、その増えたデータトラフィックを吸収する受け皿がインフラとして必要だ。

それを我々は、マイクロセル化、フェムトセル化、Wi-Fi化ということで行う。

これは我々は戦略として当然のことながら4、5年前から考えておりました。

だけどそれは言えるタイミングというものがあるわけですね。
あまり早すぎるタイミングで言うといけませんので、今日までそのタイミングを待ってたということですね。

もちろん開発は非常に積極的に、我々が世界で初めてIPによるフェムトセルというのを言い出して、IPによるフェムトセルを世界で最初に開発しはじめたのはソフトバンクである。
ということもあわせて申し上げさせていただきたい。

いくつかの特許も出願している。

実物今日持ってきてたかな?
持ってきてなかったかな。

持ってきてませんが、写真がここに出てますね。
手のひらに乗るサイズです。
手のひらに乗るサイズのフェムトセルができた。

ちなみにマクロセルがマイクロセルになるだけで、5年間でどのくらいのコストダウンと、大きさの縮小ができたかということですけども。
出力が2倍になった。
単価が5分の1になりました。
体積が25分の1。
重量が20分の1。

体積、重量、これも大事なんです。
というのは鉄塔を作る土木工事のコストが、大きさで全然違ってくるんですね。

あるいはビルトップに載せる。
工事のコストが全然違ってくる。

小さくなる、安くなる。
ネットワークのインフラコスト、CAPEX(キャペックス)が楽になる。

ですから、ネットワークのインフラというのは、そういうタイミングも見ながらやらなきゃいけない。

このように写真で見ても、大幅に小さくなります。

次にネットワークのバックボーンの側のIP化というのがあります。

どういうメリットがあるのか。
この左側のチャートが従来のネットワークの設計になっております。
ネットワークの側、バックボーンの側が非IP。
そしてマクロセルがそれぞれ非IP。

IPというのはご存知のようにインターネットプロトコルですから、インターネットカンパニーのソフトバンクだから、このIP技術にこだわっている。

世界で初めて完全IPのブロードバンドを開通したのは、世界初がソフトバンクなんです。
だから安くできたんです。
だから高性能の速度を出せたんです。

そのヤフーBBで作ったバックボーン、世界で唯一・最大の完全IPによるバックボーンを作ったのがソフトバンクなんです。
そのヤフーBBのときにつくった完全IPによるネットワーク、これが雲の上の側ですね。右側の。

それが完全なるIPによる伝送網でつながって、IPによって基地局がつながる。

だからさきほどの40倍だとか、1600倍だとかいうトラフィックを吸収できるバックボーンのネットワークを、膨大なデータのトラフィックを吸収する、しかもコストダウンできる。

どれくらいコストダウンできるか。

40分の1になるんです。
バックボーンの伝送路のコストがですよ。40分の1になる。

我々が世界初、完全IPによるモバイルの通信網を作り上げる。
世界で初めて、完全なるIPによるバックボーン網の、IPによるモバイルインターネットのネットワークを作る。
40分の1のコストでできる。

したがって40倍のトラフィックが出ても、コストが変わらない。

もし40倍のトラフィックが出ても、その分正比例してバックボーンやったら、おおごとになります。
大幅に値上げしないとネットワークが持たない。

だから我々は完全IP網にこだわった。
ヤフーBBのブロードバンドのネットワークが、やっと本当の意味でシナジーを出せる時代が来た。

そういうようなことがいろいろできる、やっときっかけができた。ということで、電波改善宣言をというのを、先月、発表させていただいたわけです。

ソフトバンクのランチイベントで、一般の私のフォロワーの皆さんを招待してやったわけです。その、ソフトバンクの電波倍増、基地局倍増宣言、ということをやりました。

ちなみに我々がボーダフォンジャパンを買収した時の、ボーダフォンジャパンの3Gのネットワークの基地局が、2万2千でした。
買収してすぐ、そのときに1年以内に、基地局を倍増させますと言うことをコミットしました。
実際に4万6千に倍増しました。

そして、直近が約6万の基地局でございます。3月末時点ですね。6万の基地局まで増やしていきました。
これをさらに、来年の3月末までに、いまから1年間で、もういっかい倍増させる、ということですね。
12万基地局に増やします。
この12万の基地局には、ホームアンテナ、つまりホームリピーターですね、あるいは、ホームフェムト、これを除いた数字で、商業施設、あるいは、外の屋外型のもの、屋内でも商業施設、そういうようなもので、合計で12万に倍増させると言うことであります。

それをするのに、天の雨が降ってきました。
ウィルコムでございます。

基地局を増やしていくのに、場所の確保というのが一番難しいんです。とくに都心はですね。
ビルトップに置かなきゃいけない。あるいは鉄塔をつくらなきゃいけない。
この場所の確保が実は何年も掛かるんです。ものすごいコストが掛かるんです。
実はハイテク機器の通信機よりも土木工事のコストのほうが高いんです。通信会社というのはですね。

ですから、我々は天の雨が降ってきた、ウィルコムのロケーション、16万のロケーション。
こちらからいいところを選りすぐって、我々が必要なところ、我々が重複しない、いいところを選りすぐって、今回の基地局倍増のロケーションの候補地として、最大限に活用していきたい。

もちろん、重ならないところで、特に郊外のところで、我々が独自につくらなきゃいけないところも、新たなところもあります。
でもそうでないところもたくさんあって、このコストダウンもスピードアップが図れる、というのが今回の天から降ってきた雨だった、ということであります。

もうひとつは、1.5GHzの電波を3月末、先月末で停波して、総務省にいったん電波をお返しして、もういちどそれを我々が3Gで使うという許認可を去年得ました。
この3Gで、2Gから3Gに置き換えて、同じ1.5GHzで電波を吹き直すと、いうことでやるわけですが、1.5GHz用に作っておった鉄塔をそのまま流用する、活用する。
そして、通信機材だけを置き換える、ですからローコストでスピーディーな工事が図れる。これが我々のもうひとつのネットワークインフラの戦略であります。

この1.5GHzで吹くと、どのようなメリットがあるのか、と。メリットは2つあるわけですけども、1つは、カバーエリアが広がります。
僕はあんまり、いいわけが好きじゃないんで、あまり普段いいませんけども、ドコモさんとAUさんは、800MHzの電波を持っています。
我々は許認可として持っていません。持っていない事のハンディキャップがどれほどあるか。

今回は1.5GHzを使います。2GHzよりは飛びます。
どのくらい電波が飛ぶかというと、約2倍の面積を電波がカバーできます。
同じ1本の鉄塔で、電波の到達範囲が約2倍に広がります。

もし我々が、800MHzを、ドコモさんAUさんと同じように、これは許認可ですから、我々が望んでも得られないんです。
許認可を与える政府機関であります、総務省が決めるんです。
総務省が800MHzを今日現在はドコモとAUさんにだけ、許認可を与えております。次の許認可のタイミングは来年決まります。
ですから、我々の主張はせめて来年、700から900の電波が、免許可能になりますので、これを唯一、3大通信事業者で、800MHzを持っていない我々が、当然、免許を得るべきだ、というのが我々の主張ですが、それはこれから来年、堂々と公の場で、主張していくことになりますが。

今回、1.5GHzを使います。3Gにですね。そうすると、電波の到達するカバーエリアが約2倍になります。
800MHzをもらうと、4倍に増えます。
ですからいままで、ソフトバンクのiPhoneが繋がらないとか、ソフトバンクの携帯が繋がらないとかいう声をたくさんいただきますが、あまり言い訳はいいたくなんですけど、もし800MHzを持っていれば、4倍、同じの高さの鉄塔で、同じ機材で、通信機器で、エリアが、電波の到達エリアが4倍に広がります。今日は持ってません。今現在は持っていませんが、せめて今回の1.5GHzでエリアが2倍に広がる、これがメリットの1番目です。

メリットの2番目は、高速通信です。
今回の1.5GHzをDC-HSPAで使います。
これを使いますと、通信速度がですね、通信キャパシティも含めてですけども、一気に増えます。
現在、7.2Mbpsのものが、最大42Mbpsに増えます。これを1.5GHzのところで実行します。

ちなみに、現在ドコモさんが実験している、LTEの通信速度が、たしか37Mbpsくらいでございますので、ドコモさんがいま実験中の、まあ5MHzのバンド幅で使う場合の、LTEは37Mbpsくらいですけど、我々が今回使うDC-HSPAは、10MHz持っていますので、42Mbpsぐらいの速度と、通信キャパシティをあわせてメリットとして、得ることができると。
これは今年の第4四半期で行います。

それよりも大事なのは、小型化、基地局の小セル化ということでございますけども、いま電波が届かないご自宅に、電波改善宣言ということで、この小型基地局、ホーム用のフェムトセル、これを無償で提供いたします。
電波の届かない方には無償で提供します。
しかもこれをいれると、実効速度が速くなります。まあ、いま電波を届かない方を優先して、これを無償で提供したいと思います。

また、店舗だとか、事業所。こちらでも電波が届かない方には、店舗用、あるいは事業所用に、この小型基地局を無償で提供したい。

また、店舗だとか、事業所用にWi-Fiのルーターを無償で提供する。
これによって、さらにデータの速度、キャパシティを一気に進化させることができる、という形になります。
こちらも無償で提供いたします。

これをいろんなカフェだとか、飲食店、カラオケ店、さまざまな事業所にもお配りしたいと、考えています。

ということで、この受付を来月の10日から開始いたします。
電波改善宣言ということで、基地局の4点セットですね。
屋外型、あるいは、商業施設での基地局を倍増させる。これが1点目です。
2点目は、家庭用のホームフェムト、これを無償でお配りする。
3点目は、店舗・事業所用の小型基地局を無償で提供する。
4点目は、Wi-Fiのルーターを無償で提供する。
この4点セットが、我々の電波改善宣言。
あわせて、1.5GHzで、同じ鉄塔の高さでカバーエリアが倍に増える、ということも行ってまいります。

ということで、これからのお店は、Wi-Fiのないお店は、エアコンのないお店。
エアコンのないお店に入りたくないですよね。
Wi-Fiのない店には入りたくない、そういうような時代が来るのではないか、と思うわけであります。

我々は小セル化というものを戦略的に行うと。
それは、5年で40倍のデータトラフィックになると、10年で1600倍のデータトラフィックになるという時代にあわせて、このようなビジョンと経営戦略で、我々のネットワーク設計を行っていくと。

あわせて、顧客満足度を上げていくと、こういう風に思っているわけでございます。

次に、機器でございます。我々はiPhoneをもっておりますけども、スマートフォンが続々とこれから世界中で伸びてまいります。
2011年、来年にはアメリカでのスマートフォン、50%の普及率になるのではないか、という予測すら出ております。

また、世界のスマートフォンユーザーは、いまから、4、5年後には、13億人に増えるのではないか、という風に言われております。

iPhone、おかげで売れております。2年連続、すべての機器の中で、圧倒的ナンバーワンです。

どれくらい圧倒的かというのが次のグラフでございます。
これは実際の、実数。
同じ機種で、iPhoneは右肩上がりで、どんどん台数が伸びている。
2番目に売れている機種が、ソフトバンクの820P。
3番目に売れているのが、AUさんのW61CA、これ3番目です。
このグラフ見てください。

2番目も3番目もほとんど横ばいです。最初の3、4ヶ月出たら、あとはもう売れないんです。ほとんど。台数は売れない。

iPhoneだけがずっと右肩上がりで台数を伸ばしている、ということですね。
これが実態です。
家電量販店での累計販売台数、ということであります。

アンドロイド。
同じアンドロイドでも、今日からかな、発売。今日27日ですか? 今日から、我々ソフトバンクのアンドロイドマシンの発売がありますけども。

同じアンドロイドでも、ドコモさん、AUさんから発売のアンドロイドと比べて、同じアンドロイドでも、ドコモさん、AUさんから発売のアンドロイドと比べて、中身が違う。

OSのアンドロイドが他社の2機種はそれぞれアンドロイドのバージョン1.6です。
我々はバージョン2.1です。

何が違うかというと、ほとんど全部違うといっていいくらい、機能がバージョンアップしてる。

薄さも薄い。軽さも一番軽い。
一番軽い。一番薄い。一番さくさく動く。
その上OSのバージョンが圧倒的に最新だ。

我々はテクノロジーカンパニーだ。
モバイルインターネットのカンパニーだ。
そういう自負を持って行いたい。

松下幸之助さんがまだ家庭にほとんどモーターが入ってないときに、すべての家庭にモーターが10台以上入る時代が来るぞ。ということを予言されました。

現実に今それは、あらゆるものにモーターが入った。

各家庭に10台どころか20台30台というふうに入ってるんじゃないかと思います。
私の家は100台以上入ってるだろう。
そういうふうになりました。

私は、モバイルインターネットが各家庭に10回線以上入る時代が来る。
ということを申し上げたい。

各家庭に10回線以上モバイルインターネットが入る。
その時代がすぐやってくる。
予言させていただきたい。

あらゆる電子機器が通信機能をもつ。
あらゆる電子機器がマイクロコンピューターを搭載し、頭脳を持ち、
そのあらゆる頭脳をもった電子機器がお互いに交信しあう。通信しあう。

そういう時代が必ずやってくる。

これこそがモバイルインターネットである。

したがってデータトラフィックは、先ほどのように、もっともっと伸びる。
回線数も人口で頭打ち、ということにならない。

それは姿を変え形を変え、大きさを変え、ビジネスモデルを変え、ライフスタイルを変え、という形でやってくる。

あらゆるものが、モバイルインターネットのデバイスになる。

1つの事例が、世界で初めて本格的に、電子写真立てに通信機能を完全装備し、完全にワンタッチで送れるということを実施して、通信機能つき電子写真立てを世界一売ってるのがソフトバンク。

我々があらたなビジネスモデルをつくりあげました。
世界一売ってるのがソフトバンク。

これは我々が作ったビジネスモデルであり、新しいネットワークである。

パソコンはもともと生産性を上げるために産まれたものであります。
「効率を追求」する。
エクセルだとかワードだとか、そういうものですね。

モバイルのインターネットの世界というのは、「感動の共有」だということだと思います。

まさに今日いまですね、USTREAMで同時中継で多くの人々がリアルタイムの動画を見ています。
それにツイッターで同時にその感動を共有し、その声をわけあっている。
どんどんRTしあってる。

ちなみにこの中でツイッター使ってる人ちょっと手を挙げてください。
あら少ない。4割くらいですか。
来年もう一度聞いたら、90%ぐらいの人が手を挙げるかもしれない。

少なくとも先進的な、知的なワーカーの人たちは、自分のインテリジェンスを自ら否定する人は、一度も使ったことがないということかもしれません。

忙しい人はやらないという説があります。

私より忙しい人が日本に何人くらいいる?
改めて問いたいと思います。

おそらく私より忙しい人は日本で3%か5%ぐらいだと思いますが、その忙しい私でもツイッターを使っている。

もっとライフスタイルの効率があがるということを体験しております。

ツイッターに限りませんけれども、そういう双方向型の知恵の共有、知識の共有型のソーシャルネットワーキング、こういう時代がくる。

ツイッターに限りませんよ。ツイッターと同じような機能を果たす。そういう知識と知恵の共有。
それが人々の新しいライフスタイルになる。

それを僕は申し上げたい。

それは感動の共有だ。

革新的なサービスの1つとして、先ほどから言っておりますUSTREAM。
どのくらい革新的で、どのくらい伸びているか。

3ヶ月で倍になりました。
3ヶ月で1億人のユニークユーザーを突破いたしました。

日本の全部の人口に匹敵する数の人たちが、ユニークユーザーとして、月間でですよ、USTREAMを使ってる。

3ヶ月で5000万人増えた。
ものすごい数でございます。

日本でも続々とこれからUSTREAMが、あらゆる政治、スポーツ、エンタテインメントで、使っていかれることになると思います。

何が画期的かというと、これまでのテレビとかは、全世界のテレビ局の合計で28000社です。

生放送で流せる、全世界のテレビ局の数が28000社です。

すべてのスマートフォンのユーザーが、USTREAMで生放送をアップロードできる時代が来る。

その先進的な事例として、専門のUSTREAMスタジオを我々が開設いたしました。
先月、我々の汐留の本社に、ソフトバンクの本社に1号目をオープンいたしました。
2号目が来月の10日、そして3号目がシダックスさんのカラオケのところにUSTREAMスタジオを作る。

今日から日本語サービスが開始いたしました。

このツイッターとUSTREAM、あるいはその他が合わされて感動の共有というわけになるわけですけども、たとえばスポーツで、先日から私どものヤフードームでツイッターが電光掲示板に、ファンからのツイートが電光掲示板に出る。スタジアムに。

そういうサービスを始めて、ファンによるスポーツの感動の共有が始まりました。

音楽もツイッターとマイスペース、USTREAMということで、音楽も感動の共有が広がると思います。

ビジネスも我々ソフトバンク自身が、もうどんどんとビジネスモデルを進化させて、お客様の声を迅速に経営に反映させて、進化の速度が早まった。
格段に早まった。意思決定が早まった。

私自身が、直接、我々の末端の消費者の、ソフトバンクのユーザーの声を直接拾うことができる。
ユーザーも私に直接伝えることができる、そういうコミュニケーションのリレーションが始まったということであります。

お客様の声から生まれた、施策はですね、続々と出てきております。

ちなみに、ツイッターによるツイートの数が、全世界で言いますと、いまや、もはや1ヶ月に16億件のツイートがでると、それを多くの人々が、同時に見ている。
書き込みだけで1ヶ月だけで16億件。
そういう状況になって、物凄い勢いで伸びている。

この1年間で、このグラフはですね、去年の1月がこのグラフの下のほうです。ですから、この1年間でどれほどツイートが伸びたか。ということですね。

ということで、ツイッターのユーザーが1億人を、正式なアカウントを持っている人が1億人を突破した。
これはPCでアカウントを持っている人だけですから、数えているのが。
ほかにモバイルでのカウント、あるいはツイッターのアプリケーションからの、クライアントアプリケーションからのアカウント数まで足すと、実は1億を遥かに超えて、一説によると、1億8000万人だ、という話もございます。

ということで、公式なアカウントの1億と、USTREAMのアカウントの1億を足しただけで、2億。
非公式なやつまで含めると3億人くらいになりますが、公式なやつを足すだけでも、世界の人口で言うと、5番目の国なったのと、匹敵するくらいの人口数ですよ、ということを申し上げたい。

ということで、総括いたします。

モバイルインターネットを制する3つの要素。

ネットワーク。
デバイス。
そして、サービス。

これらを、全体を、トータル戦略でやっているというのは、世界中の携帯事業者の中で、ソフトバンクだけではないかな。

世界中の携帯事業者で、このようなモバイルインターネットの時代。
トラフィック、データトラフィックが40倍に増える、1600倍に増える、というビジョンのもとに、それにあわせた、ネットワークの設計思想を構築し、それにあわせたデバイスを続々と用意していき、そしてそれにあわせたサービスに、一番果敢に積極的に取り組んでいる、USTREAMも筆頭株主がソフトバンクです。アメリカの本体のですね。
このようにトータル戦略で、モバイルインターネットに、一番果敢に積極的にやっているのがソフトバンクではないか。

というわけで、先程の財務編の総括が、4600億円、設備投資が4000億円、純有利子負債、この3点でございました。

モバイルインターネットを制するものが、
インターネットを制する、これが我々のビジョンでございます。

今日の発表は以上です。

ありがとうございました。 

後半(質疑応答)の書き起こしはこちら
【書き起こし】孫正義、質疑応答:ソフトバンク決算説明会

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