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津田大介×児玉龍彦のUst対談(1)

皆さんにみてもらいたいので拡散させてもらいます。
※問題あったら消して下さい。

(書き起こし)※動画冒頭から15分13秒あたりまで

スタッフ「聞こえてますか皆さん聞こえてますか。さきほど津田さんもお見えになっていよいよUstの放送が開始できるようになりました。えーとみなさん聞こえていますでしょうか。…。いいですか。」

児玉龍彦「クーラーちょっと温度をゆるく、少し寒くなりすぎてる」

スタッフ「画像入ってますね。音声も入ってますね。えーと、聞こえてますか。ツイッターは少し調子悪いですよね」

津田「少し切り替えのタイミングかなんかなんですよね」

スタッフ「そうなんですか」

津田大介「旧ツイッターから新ツイッターへ」

児玉龍彦「杉山さんちょっとクーラー、あ、こっちか」

スタッフ「えーとじゃあ大変お待たせしました。えーとですね本日は、えー、津田大介さんをおむかえしてですね、児玉龍彦先生とえー対談をお願いしたいということで急遽セットさせていただきました。児玉先生は皆さんご存知と思うんですが、えー、あのー、前回国会に参考人としてえー、出席されましてそちらでですね、えー、非常に冷静かつ色んなデータをもってですね、えー、色んな問題点を指摘されました。そして、その熱い情熱がですね、YouTubeやなんやですごい反響になって。皆さんもっと話を聞きたいと、いう声がすごく多かったと思います。えーそれで国会後すごい限られた時間しかなかったので、まだまだ話せないこと、そしてまた国会であのー実際には資料を配ってそれを元にお話ししてたんですが、YouTubeで見た方はあのその資料がわからなかったので、おはなしが分かりにくかったところもあると思います。そういうところも含めてえー本日ですね、津田大介さんが、」

津田大介「はい」

スタッフ「児玉さんに色々お話を聞いてくれる事になってます」

津田大介「そうですね。だから対談という形ではなくてどちらかというと一般市民代表という、代表するわけじゃないですけど、まあなんか聞き手としていろいろお話をもっと国会で言い足りなかったことなどですね、お伺いできればなあと思ってるんですが。まずそういった細かいお話になる前に、ちょっと、あの国会に出演されてまあそれがYouTubeとかで相当広まって話題になって、反響とかっていかがでした? 相当あったと思うんですが」

児玉龍彦「やっぱりびっくりしました。えーとそのー、国会でわいわい言うっていうのは、あの、まあ、いろんな食の安全懇談会とかそれから子どもの遊び場の会とか、毎回言ってくんですけど、国会もあの、実際のでいくと、ちょうどあの日子ども手当ってのがあったりして、委員も出入りも多いし。まあなんていうのか、あんまり集中して聞いているわけでもないから。まあこうこっちで内部で言いたいこといっぱいあって、こう自分で勝手に盛り上がっていくのを押さえながら話してやるっていうんで大変だったんですけど。終わってみても結局そのとおりでまあの、これで帰っる。で普通の仕事のもどっていまして。そしたらそのうちになんか息子のほうから大変なことになってるよとか」

津田大介「(爆笑)」

児玉龍彦「それでもまあ翌日農林省の会議とか行ってたんですけど。そのころから急にうわーっと時間に100通ぐらいfacebookで友達になろうとか。でなんとかっていうんで。沢山の方から励ましとか、それからえっと、心配とか批判とかいただいて。やっぱりあのすごくありがたい。なんていうかな学問て1つの事でこういくっていうよりも、僕らグラウンドっていうんですけれども、こういくといろんなものがでてきてこう、発展していくっていうのか。急にこう乱気流に入っちゃったりしてね。でもまあいい人と勘違いされてる人もいるかも知れないけど、大したことないあれですから。だいたい友人から言わせると賞味期限2週間くらいだから1週間くらいのうちに機会があったらいろいろ言っといたほうがいいよとか。」

津田大介「なるほどね。なんか僕も児玉先生の質問とかを答弁とか参考人のあれを拝見してて思ったのが。あ、なるほどと。結構やっぱりどうしても科学に対して深い理解がない我々はどうするのかっていうと。まあ放射線がもれてきて、放射能が来ると放射能をたくさん大量に浴びると癌になるみたいなそういうものすごくざっくりとした理解を、してしまうわけですけど。あの児玉先生の説明だと今回放射能っていうものは、あの分裂期のDNAに影響を与えて、まあそれがそのがん抑制遺伝子に障害を起こしてそれがまあ細胞増殖に変化をもたらして、それが癌になるんだっていうことをすごい丁寧な言葉であのま、議員の先生たちにわかるように説明されてたと思うんで。多分なんかあの、今回の児玉先生がずっとやられてることって、多分震災以降すごく問題になってることって、いわゆる科学コミュニケーションというか。その科学者の人がデータをもとにいろいろな見解を述べてるっていうことに対しての。それとやっぱり一般の人の理解ってのがすごく差があってそこを埋めるとこの重要性がすごく増していると思っていて。まあそれを浮き彫りにしたのかなあと」

児玉龍彦「一番大きいと思ってるのはですね。科学者が議論するときに前提があるんです。そしてその上で議論してるんです。それでところがね前提が間違ってると、みんな間違っちゃう。だからまず最初はあの、ここにでてるやつとか、なんかでやりたかったんですが」

津田「ちょっと資料を見ながらまた、国会の時では足りなかったところを説明して」

児玉「前提を切り替えるってのは大変なんですよ。それであのこれまでの議論って、みんな放射線安全ってのはマイクロシーベルトでやるとか、なんていうんですか、そういうどこにいくつでてるから安全だとか、不安だとか言って、その数量をめぐってえんえんともう何年もやってますよね。だけど、今回の事態の一番すごいのは要するに僕は最初に思ったのは5マイクロシーベルトっていう値じゃなくて、出発点から100キロメーターで5マイクロシーベルトっていう。このスゴイ量が出ている。だからすごい量が出ちゃうと、もうその平均は5マイクロかも知れないけれども、悪いところでは10倍100倍ってすぐ行くと、あるところは500マイクロシーベルトかも知んないし、またすぐそばでも0.5かも知れないっていう。そういうような問題だと思ったんです。そうすると例えばあの、その文部省がね、子どもの被曝ってのを計算するときに学校にいる時間を計算してるんですよ。だけど(笑)、うちに帰っても被曝するし、だから意味が無いじゃないですか。それから食品1個食べる時にこれはこの食品を何100キロ食べたら害が出ますとかいう言い方しますけど。全部の食品に入る可能性があるわけですよね。現実に起こってきてるそうです。それからあの、思いもかけないところで濃縮されるってことも起こりますよね。だからその、問題の質がガラっと変わっちゃって今までの我々がやってる、まあここにもいっぱいあの、アイソトープの管理の記録ってのがありますが、これはもうある点に、アイソトープがあって、だからそこから距離を離せばいいとか、ここの濃度をまあ体についちゃったら点の濃度を見ればいいっていう話なんだけども。今度は面とか空間で、もう全部そこにでちゃってるわけです。だから法律もダメだしあれもダメだしもう全部変わっちゃってる。それでところが変わっちゃってるのに、学会の主流の専門家もそれから文部省だとかその他のお役人も政府の人も、問題が変わってることを気づいてない。だから従来のこの障害防止法みたいのでそのまんま、考えちゃうわけですよ。」

津田「それくらいの規模の、まあかなりイレギュラーな事態、大きな事態が起こってるにもかかわらずまあ平常時のもので対処しようとしたので、まあああいう直ちに影響はないという言い方でいろいろな処理が起こっているという」

児玉龍彦「それで今でてる食の安全という議論、全部それじゃないですか。」

津田「それ以上にまずね収束がということばっかりになってますね」

児玉龍彦「だから今放射線被害とかなんかいうときに、それであのー。あともうちょっと違うと思うのは、実際に我々がアイソトープの受け入れとか廃棄とかやるときにですね、僕らは例えばP32というリン酸とI132っていうヨウ素は別々に扱います。ところがマイクロシーベルトとかいう議論だと、みんな1つにしちゃうじゃないですか。それであのアルファー線を出す、国会でも言ったんだけど、プロトラストってのは肝臓に集まる、事を言いましてね。それからヨウ素は甲状腺にあつまります。それでセシウムは、まあ膀胱がんになってしまう。そうすると膀胱におけるセシウムとか、肝臓におけるものとか1つずつ違いますよね。だから普通、病気とか汚染っていうときにカドミウムでも水銀でも、例えばおんなじ水銀でも有機水銀と無機水銀は全然違って。水俣病になったのは有機水銀ですよね。そうすると今度たとえば出てるのに、あの、福島の場合一番最初はやっぱりあの、ヨウ素なんですよ。だけどヨウ素んときはSPEEDIとか伝えなかった。半減期8日ですよね。そうするともう、1月で、だいたい、2分の1、4分の1、8,まあ8分の1。2月で、16分の1、32分の1、64分の1。3月で、128、256、512,っていうふうに。もう全然検出限界以下になっちゃってるから。ヨウ素の問題は本当は1番最初にここが避難しろっていうのを言うべきだったんだけど。そのタイミングはもう終わっちゃってる。それで今は、セシウムですよね。セシウムの問題をやんなくちゃなんないんじゃないかっていうふうに。」

津田「SPEEDIに関して言うとね、そうとう、当初公開が遅れてしまったって言うところで、まあいろいろ問題も指摘されてるんですが。また一方で、その科学者の方の中でもああいったまあ、SPEEDIみたいなものを公開してもそれを一般市民が見ても正しく読み取れる人のほうが少ないんだから、むしろそれで混乱を招いてしまうんだから公開しなければいいんじゃないかっていう意見をお持ちのかたも多いと思うんですが。児玉先生はそのへんはどう考えて…」

児玉龍彦「ええとですね。その前にですね。あの科学者の人も勘違いしてるんですよ。」

津田「ほうほう。といいますと」

児玉龍彦「あの昔の人はね、疫学とか統計学が好きなんです。今コンピューター世代の研究者って、予測とシュミレーションが好きなんです。それでね、疫学と統計学と、予測とシミュレーション、我々やってると全然違います。」

津田「はあどう違うんですか」

児玉龍彦「あのね、疫学とか統計学をやんのにはパラメーターが多いほど正確になるっていう考え方。だからあの、僕の専門、生活習慣病とかなんですが。よくメタボリックシンドロームとか言うじゃないですか。そうすっと、周囲が何センチとか中性脂肪がどれくらいだとかコレステロールいくつ何とかの人が心筋梗塞になったという統計処理をやって、これで病気のシンドロームを言うじゃないですか。こう言うのは、レトロスペクティブにやるときにはパラメーターは増やせば増やすほど、ある因果関係きれいに見えたように思うじゃないですか。ところが予測、プロスペクティブにやってると、パラメーターが多いと外れます。パラメーター少なくしないとだめ。少ないパラメーターで、メカニズムで予測しないとダメなわけですよ。それでね、SPEEDI問題もだから結局僕が見てると、文科省とか原子力安全委員会が、シミュレーションというのを全く理解していなかった。経済産業省とか原子力・保安院の報告書を見ると、SPEEDIはデータが足りなかったから発表しなかったって。」

津田「足りないんだったらむしろそういうのが正しい訳なんですね」

児玉「だって予測って、データが全部あったら実測であって(笑)。そんなもんシミュレーションじゃないじゃないですか。」

津田「なるほどね。たしかにね」

児玉龍彦「だから、あの今発表したらパニックになるとか何とか言ってる人は、予測というのを全く理解していない。だから予測っていうのは少ないデーターでやってやるわけだから、少ないデーターの中で一番正確な予測がSPEEDIなんですよ。それで僕はコンピューターの色々やってますから知ってますけど。SPEEDIはですね。その、まあ民間企業が動かしてるんですよ、はっきり言うと。国なんて全然出来ないの。それで、SPEEDIを動かしてるところはフルに動かしてました。だってそれであとでデーターが足りないってシミュレーションだから、当たり前なんですよね。だから多分コンピューターとかネットの人はすぐわかるとおもうんですが。統計とか疫学ってのはある意味で古いんですよ。何かって言うと我々が今やろうとしてんのは、未来の予測をやろうとしてるわけでね。そうすっとね、予測やろうとすると計算量もすごくなるしコンピューターもフルに使えないとダメだから、そういう予測をどんどん出さないとダメっていうのがまずイロハのイだと思うんです。だから今おっしゃってた議論の予測がなんとかだったら不安になるんじゃないかっていう議論は要するに過去の疫学とか統計とかを知らない人で、予測の仕方でより正確なものを出したら不安になるっていう議論がへんだとおもいません? だから予測って難しいんですよ。」

津田「まあ天気予報だってね、100%当たるわけでもないですし」

児玉龍彦「でも、やっぱり天気予報結構当たってきて。地球シミュレーターとかできて、すごく良くなってきてるじゃないですか」

津田「そうですね」

児玉龍彦「ええ。だからその、国会で言いたかったのは、なぜ21世紀の日本なのに19世紀みたいな議論やってんのって」

津田「ああ、なるほどね」

児玉龍彦「だから1つの数値にして、マイクロシーベルトがどうこうとか、測りもしないで議論してるわけですよ。それで安全だとかいうたびに、どんどんみんな不安に思っちゃうわけですよ。」

(書き起こし、ここまで)

(続き)

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