【全文書き起こし】自然エネルギー普及への並々ならぬ思い!菅総理、孫社長ら参加オープン懇談会Part4

自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」の書き起こし/文字起こしPart4です。
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自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」

 

以下本文

<司会・藤沢氏>
今のお話に関連してかと思うんですけれども、メディアの方からもご質問いただいております。環境誌「オルタナ」編集委員の石井孝明さんなんですが、「今も総理もおっしゃいました次の方に責任を引き継ぐであるとか、次の世代にという言葉をお使いになるんですけども、こういった自然エネ政策は、きちんと引き継げるんでしょうか」と。自然エネルギーの買取制度は、ドイツ西…え…と、国民負担を招きましたが、この問題をどう考えますか、経済性を既存電源とどう考えますか、というようなご質問をいただいておりますが、まずは「引き継げるんでしょうか」というあたりはいかがでしょうか。

<菅総理>
まずあの価格の問題でいうと、多分これから原子力に関してはですね、補償とか、そういうものが、これまでは事故がないということで考えてましたから、あまり価格にはカウントされませんでした。それから先ほど、どなたかがおっしゃってた最終処分地の問題も、最終処分の問題も、ほとんどこれは国の政策ということで、直接の価格にはあまり影響していません。ですからまず価格の問題でも、従来言われてきたことはかなり違ってくる。これは前日の内閣でやった新成長戦略の議論の中でも、きちんと価格をですね、原子力についても、きちんと、もう一回計算し直そうということになっております。それから、政策が引き継げるかというお話は、この同じ話になりますが、実はこの政策は、自民党の中でも非常に熱心な方もおられます。各党それぞれ熱心な方がおられるんです。それが、熱心な方と、必ずしもそうでない方の、いわば政治的な力関係がどうなるかというのは、最終的には国民の皆さんの、もっと言えば投票にかかっているということですから、私は引き継げると思ってますが、引き継げるかどうかは、国民の皆様の一票で、引き継ぐようにしてもらいたいなと思ってます。

<司会・藤沢氏>
分かりました。ご参加の皆様からも、もしご質問・ご意見ありましたらお受けしますが、いかがですか。小林さんいかがでしょうか。

<小林氏>
先ほど自然エネルギーが本当にちゃんと普及していけるかどうかということがありましたが、総理への質問というより、僕はやっぱり孫さんのような存在が、経済界のところから出てきて、今、司法・行政と結びつけようとしてるのは、すごいやっぱり希望があると思うんですね。やっぱり中央にいろんなものが集中してて、そこにやっぱりおそらく癒着のようなものが生まれて、そこにずっと僕らはおそらく、これは文化的にも、僕は音楽をやってますから、戦後いろんな流れがあったのを振り返ってみるとやっぱり、大きくやっぱり依存の流れから抜け出せてないないなという思いがあって、やっぱり自然エネルギーの場合は、自分たちでコントロールして、自治していくんだということの可能性がたくさん出てくる。だから孫さんのように地方行政、もしくは市民のお金の流れというものをもっともっと引き出して……僕は結局、みんなは魅力のあるものを得たいと思う、僕はそれで本当にいいと思ってて、何かを否定していくということではなくて、皆んなが魅力あるものを選んでいくという社会で、僕はいいと思うんですけど、今から自然エネルギーというのは本当に魅力あるものに十分なり得ると思いますし、孫さんなんかともそういう話は日ごろしてますし、そいういうことをこれからどんどん、そういうことに関心を持ってもらうようにしていかなくちゃいけないなとは思っています。

<司会・藤沢氏>
ありがとうございます。みんなで興味を持って、というお話なんですが、この興味を持つ中の自然エネルギー、今までいくつか出てきた中で、ネットの中で、ツイッターからのご質問の中で「自然エネルギーの中でバイオについての議論がありません。塩害、放射能汚染の土壌改良、人材の有効活用、休耕田・耕作放棄地の有効活用が見込めるのではないでしょうか。バイオについては総理いかがでしょうか」という声が挙がっております。

<菅総理>
私、この話をすると止まらなくなるので(笑)。

<司会・藤沢氏>
じゃ、やめましょうか(笑)。

<菅総理>
私は実は、地球を救うのは植物だと思ってるんです。

<司会・藤沢氏>
植物?

<菅総理>
地球を救うのは植物だと思ってるんです。それはですね、45億年前に地球は二酸化炭素が95%でした。火星も金星も今もそうです。それが今のように0.04%になったのは、植物が地球に、最初水の中に存在して、そのCO2をCとO2に分けて、O2が地上に出て、それで初めて動物が発生するんです。だから私は時々マスコミの人に「動植物なんていうな」と、言うとしたら「植動物」といわなきゃですね(会場笑)。植物があって動物なんです。

<司会・藤沢氏>
なるほど。

<菅総理>
で、その太陽のエネルギーを実は一番地球にためた原動力は植物です。石炭だって石油だって、もともとは植物が太陽エネルギーを炭酸ろ過作用でCとO2に分けて、そのCのいろんな変化したものが石油であったり、石炭だったり…炭素ですから。で、O2はいわゆる動物が利用するわけです。で、我々今どうしているかといいますとですね、植物はCO2を、いわゆる葉緑素で太陽のエネルギーをもってCとO2に分けるわけです。今度我々は、植物を食べて、Cを食べて、O2を吸い込んで、今度はヘモグロビンでCとO2をくっつけるときのエネルギーでこうやって動いているわけです。鉄腕アトムじゃないですけど、我々は植物によって、基本的にですよ、植物も食べて動物も食べますけれども、ですからそういう意味では植物の持ってるエネルギーの潜在量をある学者が計算したんです。先ほど枝廣さんと話してたんですが、ゴア副大統領の書かれた「不都合な真実」の中にグラフがありますよね。このCO2がだんだん増えていくんですが、1年単位でギザギザになってるんですね。このギザギザが何かっていうのを読んでみると、1年の間に、植物が生長する春から夏にかけてはCO2が減るんです。それから秋から冬にかけては、それが腐ってCO2が増えるんです。
そのエネルギーの大部分は実は使ってないんです。自然の社会の中で、一年草が育って、秋になって腐って、バクテリアが食べてCO2が出て、戻っていく。

<司会・藤沢氏>
総理、だんだん本当に止まらなくなって…(会場笑)。ということはバイオが…。

<菅総理>
あと30秒で止めますので。

<司会・藤沢氏>
じゃあ後30秒で(笑)。

<菅総理>
あの、そういう意味で、実は植物を使ったエネルギーに変える方が一番簡単に言えば普及?(聞き取れず)すればいいんですが、もっとやり方は色々あります。今、私の知っている人は、石油に変えることもできると言っています。だから、植物をうまく活用すれば、現在の地球に必要な全てのエネルギーは量的にはまかないきれる、とある学者から言われたので「あ、これは地球を救うのは植物だ」とこう思ってるんです。

<司会・藤沢氏>
なるほど。ということは本当に自然エネルギーというのも太陽光というのがいつもフォーカスされるんですが、総理の頭の中にはバイオまで幅広く入っているということなので、このあたりもまた議論していきたいと思うんですが、メディアの方から、また他にもご質問をいただいております。毎日新聞の「ナカジマミユキ」さん。本名なんでしょうかね。毎日新聞のナカジマミユキさんから「管総理へ、現在エネルギー政策について新成長戦略実現会議で発送電分離について、産構審・産業競争力部会で話し合われていますが、本日の内容のそちらへの反映はあるのでしょうか。本日の内容がそちらに反映されるのでしょうか。また、エネルギーについて本来広く議論するのが肝要かと考えますが、両審議会の一般公開はお考えですか」というような、記者の方からご質問もきております。

<菅総理>
今、この分野の議論は、実は私の内閣でも、従来からある産構審とかそういうところもありますが、新しい場所でもだいぶ議論してます。たとえばその新成長戦略で先日は「新エネルギーと環境」という題の中でも議論しました。それからちょっとこれは方面が違うんですが、今度の事故の賠償を第一義的には東電が行うわけですが、その賠償を行うだけのどれだけの資産を持っているかということを、今、委員会を作って調査を始めました。そういうときにですね、これからの電力産業のあり方論についても、そういう側面からも議論がされてますし、近いうちに官房の方に電力事業のあり方、かつて通信事業は大変な議論があって、孫さんのような分野が広がり、あるいは、かつて国鉄改革という議論があって、いろんな分野が開放されたわけですが、ある意味で電力ももっと開放するかどうかという議論は近く官房の中にそういう部分を設けます。ですから今あるいろんな審議会そのものに影響することは当然ありますが、もっとダイレクトにそういう議論をする場を作って、今いますし、もっとしっかりしたものを作りたいと思います。

<司会・藤沢氏>
これは公開していきますでしょうかというご質問に関してはいかがでしょうか。

<福山氏>
産構審、公開してないんですかね? 確認して、なるべく公開するようにいっときます。

<司会・藤沢氏>
ありがとうございます。なるべく、そうしていただくということで。また質問ですが「管総理が自然エネルギーの20%の割合をもっと大きくする、自然エネルギー20%以上にということだったんですが、これをもっと大きくするにはどうすればいいのかを皆さん話し合っていただけませんか」と。「地方経済とも直結する話だと思うんですが」ということですが、どなたかアイデアがあればご披露いただければ…。じゃあ、孫さんお願いします。

<孫氏>
先ほど33の県知事の皆さんが、積極的に自然エネルギー協議会ということで参加するという風にいいましたけれども、実は今、続々と候補地を具体的に出してきていただいています。私も驚いたぐらい、続々と出てきています。先ほどの質問の中にも広大な面積がいるじゃないか、そんな土地がこの狭い日本にあるのか、という話ですが、驚くぐらいありそうだと。例えばゴミ処理場ありますね。ゴミ処理場の埋立地、埋め立てた後に家建てられないですね。大きなビルも建てられない。ほとんど何にも使われていない。そこに重さの軽い太陽パネルぐらいなら、上に置いても、下から何か奇妙なガスが出てくることにならないですむと。つまり他に使えない土地、というのが、ことほどさようにゴミ処理場の埋立地の跡あるいは塩田で、ものすごい広大な土地があって、今は塩を作っていない「跡地」ですね。それから空港の滑走路の向こう側とかですね。滑走路の向こう側って、建物建てちゃいけないんですってね。航空法か何かで。そういうところにはパネルぐらいなら敷けるじゃないかということ。あるいは工業団地ですね、景気悪くて工場が全然来てくんないと。空きっぱなしの工業団地がかなりあると。それから耕作放棄地、これは跡を受け継いでくれる若い者がいなくて、放棄したまんまで、放棄したまんまだと二度と農地に戻らないようなところがあって、イノシシの害だとか、色々むしろかえって物騒になってると。そういうところはむしろ手を加えて何か有効活用してくれないかというようなところは、実は相当あると。続々と出てきているんですね。

ですから、この狭い国土で使われていない土地に人々の役に立つことに使ってもらえるならば大変ありがたいということが今あがってきていますので、これは十分日本の有効活用になると思うし、あと自然環境をかえって乱すんじゃないかという話もありますが、今一番自然環境を乱して困ってるのが原発事故で、空気も思いっきり吸えない、魚も食べるのがだんだん怖くなると、野菜もどうだと、それぐらい自然に悪影響を与えるものに比べれば、まだマシじゃないかということですね。中には風を起こすときの風車の音が困るという人がいますが、案外欧米ではあの風の音が心地よいとおっしゃってる方もいると(会場笑)。何故かというと、そこに風を、風車を建てて、キリキリ回っていると若干音がすると。それは金を稼いでくれている音だと思うと、実に心地よい音で、あれが回ってない、音がしないということになると金を稼いでくれてないと。それは半分冗談もありますが、だいたい500m離すと欧米ではいいみたいですね。ですから、まあ1kmも離せば、最近のギアレスの風車であれば、低周波の音もほとんど気にならないぐらいで、少なくとも高速道路の車の騒音よりは遥かにましということで、他の選択肢に比べれば遥かにいいでしょうと。雇用の問題が先ほど出てましたけれど、だいたい風車とか風力のことだけでも40万人ぐらい雇用が生まれてるという例が続々と出始めているらしいですね。ですから新しい雇用を生むのに、かえって、原発で提供している雇用よりは遥かに大きな雇用がむしろ出そうだということで、そういう面でもいいんじゃないかなと。で、バイオは総理が今おっしゃったように、これも大きな可能性があるし、だからバイオだけに頼るのではなくて、ありとあらゆる選択肢を適材適所で使っていけばいいんじゃないかな、と、こういうふうに思いますね。

<枝廣氏>
あの、もう一つ別の角度から、広がりを作っていくと、先ほどツイッターからの質問にも色々あったように色々利害がぶつかってくる。たとえば国立公園とか、今おっしゃった騒音の問題とか。多分自然エネルギーを社会で広げていくためのルールづくりが今日本ではないと思うんですね。たとえばデンマークの話で、風が回る音で風車がお金を稼いでる、というのは地元の人が出資をできるようになっていて、10km以内でないと出資ができないとか。そのお金は自分たちの中に入ってくるからで、それが東京から大きな会社が来て風車を建てました、となると騒音に聞こえちゃう。なのでそんなことを含めて、そういったゾーニングとか環境アセスとか法規制の問題とか、これまでなかったので、自然エネルギーを広げていくときにどんな問題が起こって、というのは各省庁でやっていかないといけないことだと思うんですね。

これは総理へのアイデアというか提案で、可能かどうかお聞きしたいんですが、自然エネルギーの素晴らしいところは、ある環境省とか経産省とか「ある省庁」ではなくて、あらゆる省庁の総合力だと思うんですね。なので例えば環境省、経産省はもちろんですけど、輸送燃料だったら国交省だし、バイオマスだったら農林水産省だし、文科省も関わってくるし、もちろん財務省ならお金の仕組みをどうするかというのが彼らの専門だと思うので、省庁をすべて対象にして、自然エネルギーを日本で進めていくための省庁からのプロジェクト案を提案してもらって、総合力として、誰かが、国民でもいいですけど、審査して、日本としてこれを進めていこうと。環境省だけ経産省だけに頼るのではなくて、総合力としてやっていくと。デンマークでは首相を委員長とする委員会をつくって全省庁で取り組んで、「脱化石燃料」というのをガンガン進めているわけですが、もう本当に自然エネルギーを広げるということでいうと、いろいろなルールづくりもそうだし、促進案もそうだし、それぞれの省庁の得意なところを使っていただいて、ぜひプロジェクトをつくっていただければと思います。

<菅総理>
大変積極的なご提案で、実は今、若干それの小型版が、「NEDO」というのがあって、経産が中心ですがやってます。やや、自然エネルギーも少しやってるんですが、今、この場で出ているようなイメージでいうとやや小さい規模です。たとえば自然エネルギー推進機構というようなものを、閣内か、省庁横断的に作って、そこで進めていく。逆に言うと、原子力を進めたシステムを逆利用というか、逆に参考にすればいいと思います。原子力を進めるためには科学技術庁という役所までひとつ作ってですね、それに原子力研究所とか、いろんなものをつくりました。ですから、もしそれに匹敵するような、例えば自然エネルギー推進庁でもどっかにつくって、専門家をつくってやれば、私は本当に10年どころかもっと早い時期にやれると思いますので、今おっしゃったことは少なくとも省庁横断的にそれを進める何らかの仕組みについては、とにかく急いで少し検討します。はい。

<司会・藤沢氏>
急いで検討していただくということですね。あと孫さんの方でもお話がありましたし、今の枝廣さんからもありましたけど、地域が自発的にやります、という声が上がってくる、また地域が自律的に色々決めていけるようなルール作りが必要ということがありましたが、地域に任せていくということについては総理はどのようにお考えですか。

<菅総理>
ちょっとそれとも重なりますが、具体的な例をいいますと、今ガレキの中に相当の木質があるんです。これ阪神の場合はコンクリートだったんですが、今回は津波で、流れてきたものっていうのは軽いですから、木質が多いんですね…Part5に続く

【全文書き起こし】自然エネルギー普及への並々ならぬ思い!菅総理、孫社長ら参加オープン懇談会Part5

書き起こし・文字起こし協力:@kobayashinaominさん、@gcynさん、ありがとうございました!

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