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【一言書き起こし】本田圭祐「上には上がいる、でも…」~ブラジル戦後インタビューで語った生き様

「上には上がいる、でもこいつらを超えたい」——2014年、本田圭佑選手がブラジル戦後に語った言葉の書き起こしと、その背景にあるW杯の挫折とキャリアの文脈を編集部が解説します。

【編集部注・2026年6月更新】本田圭佑選手がブラジル戦後のインタビューで語った言葉の書き起こしです。発言引用に加えて、この言葉が生まれた2014年という時間の文脈と、なぜ多くの人の心に残ったのかを編集部が解説します。

『先ほども言ったように、上には上がいると。でもそれを知る度に、ほんと悔しい思いをして、でも「こいつらを超えたいな」と毎回思うので。また改めて、不可能はないということを皆さんに見せていきたいなというのが自分の生き様ではあります』(0:01:00~)

「個人としてこの経験をどう活かしていくか?」という質問に対する回答です。

この言葉が語られた2014年という年

この発言があった2014年は、本田圭佑選手にとって、そして日本サッカーにとって大きな節目の年でした。この年の夏にはFIFAワールドカップ・ブラジル大会が開催され、日本代表は「史上最強」とも期待されたメンバーで本大会に臨んでいます。

しかし結果は、期待とは裏腹に厳しいものでした。グループリーグでの日本代表の戦績は次のとおりです。

対戦カード結果
初戦:コートジボワール戦1-2で逆転負け(本田選手が先制ゴールを決めるも、後半に2失点)
第2戦:ギリシャ戦0-0の引き分け
第3戦:コロンビア戦1-4で敗戦

日本は1分2敗でグループリーグ最下位に終わり、決勝トーナメント進出はなりませんでした。攻撃的なパスサッカーで世界に挑むと公言してきたチームが、その看板を掲げたまま予選リーグで敗退した——この挫折は、選手にもファンにも重くのしかかりました。中でも大会前から「優勝」を目標として口にし続けてきた本田選手には、その言葉の大きさゆえに厳しい視線も向けられていました。

冒頭の発言は、そうした文脈の中で、世界王者の系譜に連なる強豪ブラジル代表との対戦後に語られたものです。「個人としてこの経験をどう活かしていくか」という問いに対して、敗北や実力差から目をそらすのではなく、「上には上がいる」という現実をまず認める。そのうえで「こいつらを超えたい」と言い切る。挫折の渦中にあっても挑戦の姿勢を崩さない、本田選手らしい回答でした。

「ビッグマウス」と呼ばれた男のキャリア

本田選手は名古屋グランパスからキャリアをスタートし、オランダのVVVフェンロ、ロシアの強豪CSKAモスクワとステップアップを重ね、2014年1月にはイタリアの名門ACミランへ移籍。背番号10を背負うという、日本人選手として歴史的な挑戦に踏み出していました。2010年の南アフリカワールドカップでは日本代表の躍進を牽引し、一躍国民的なスターとなった選手です。

その歩みを通じて一貫していたのが、目標を先に口にしてから自分を追い込むスタイルです。「ワールドカップ優勝」など、実力との距離を顧みない大きな目標を公言するため「ビッグマウス」と揶揄されることも少なくありませんでした。しかし本人の中では一貫した論理がありました。高い目標を口にし、届かない現実に悔しさを覚え、それでも「超えたい」と思い続ける——冒頭の発言は、まさにこのサイクルをそのまま言語化したものと言えます。

なぜこの一言が注目されたのか

この発言が多くの人の心をつかんだ理由は、大きく3つあると編集部は考えています。

  • 敗者の弁明ではなく、挑戦の宣言だったこと。結果が出なかった直後の発言は、言い訳か沈黙になりがちです。本田選手は「上には上がいる」と実力差を認めたうえで、それを「超えたい」という次の動機に転換してみせました。
  • 「不可能はない」が裏付けのある言葉だったこと。無名の高校生からセリエAの10番までたどり着いた本人の歩みが、この言葉に説得力を与えていました。
  • 「生き様」という言葉で締めたこと。サッカーの技術論ではなく、悔しさとどう付き合うかという普遍的な人生の話として語られたため、スポーツの枠を超えて、仕事や勉強で壁に向き合う多くの人に響きました。

実際、この「上には上がいる、でもこいつらを超えたい」という構図は、その後も挑戦を続ける姿勢の象徴として繰り返し引用され続けています。挫折を語る言葉でありながら、聞いた人を前に向かせる言葉である——ここに、この一言が10年以上経っても色あせない理由があるのではないでしょうか。

書き起こしだからこそ伝わるもの

映像で見ると数十秒で流れてしまうインタビューも、こうして文字にすると、言葉の選び方の細部が見えてきます。「先ほども言ったように」と前置きして自分の考えの一貫性を示すこと。「悔しい思いをして」と感情を隠さないこと。そして最後を「〜したい」という願望ではなく「自分の生き様ではあります」という断定で締めること。話し言葉特有の揺れを含んだまま読むからこそ、用意された美しい名言ではなく、敗戦直後の選手の口から出た生身の言葉であることが伝わります。これこそが、編集部が一言インタビューをあえて書き起こしとして残している理由です。

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本田選手の言葉をもっと読みたい方は、ワールドカップイヤーの代表合宿で語った本田圭佑インタビュー(日本代表アメリカ合宿)の書き起こしもご覧ください。また、ワールドカップ関連の書き起こし記事一覧や、歴史に残る言葉を集めた有名スピーチ・名演説まとめもあわせてどうぞ。

書き起こし.com編集部

2011年から講演・インタビュー・スピーチの書き起こし記事を制作・編集しています。ビジネス、政治、社会、IT、エンターテイメントなど幅広いジャンルのトークを正確に文字に起こし、知識として共有しています。

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